
出典:HONDA公式
CB650Rについて調べていると、パワー不足という声を見かけることがあります。確かに95馬力という数値は、同クラスの他車種と比較してどうなのでしょうか。最高速や加速性能、さらには馬力だけでは測れない実際の走行フィーリングまで、CB650Rの性能について気になる点は多いはずです。
また、満タンで何キロ走るかという燃費面での実用性や、購入後に後悔したり飽きる可能性についても心配になるでしょう。足つき性は身長によって大きく左右されますし、CB650Rの慣らし運転についても正しい知識が必要になります。
この記事では、CB650Rのパワー不足に関する疑問を、実際のスペックデータやユーザーの声を基に詳しく解説していきます。購入を検討している方が抱える不安や疑問を解消し、適切な判断材料を提供することを目的としています。
- CB650Rの実際の馬力性能と他車種との比較
- 最高速度と加速性能の実測値と体感フィーリング
- 燃費性能と航続距離の実用性
- 購入前に知っておくべき注意点と適性判断
CB650Rはパワー不足?性能を検証

Ride Style・イメージ
- CB650Rの馬力と実際の性能
- CB650Rの最高速はどのくらい?
- 満タンで何キロ走る?燃費と航続距離
- CB650Rで後悔する人の特徴とは
- CB650Rの足つき性と身長の関係
CB650Rの馬力と実際の性能
CB650Rは最高出力95PS(70kW)を12,000rpmで発生し、最大トルクは63Nm(6.4kgm)を9,500rpmで発揮します。この数値だけを見ると、確かに他のミドル排気量クラスのバイクと比較して特別に高いわけではありません。
しかし、馬力の数値以上に重要なのは、実際の走行フィーリングです。CB650Rの直列4気筒エンジンは、3,000〜5,000rpm付近の中低速域では穏やかな特性を示しますが、6,000rpm以上の高回転域では本領を発揮します。
CB650Rの特徴は高回転型のエンジン特性にあります。街乗りでの瞬発力よりも、高速道路やワインディングでの伸びのある加速が魅力といえます。
実際のユーザーレビューでは、「最初は物足りなく感じたが、回転数を上げて走るとその魅力がわかる」という声が多く見られます。つまり、CB650Rのパワー不足感は、エンジンの使い方によって大きく変わるということです。
競合するMT-07やSV650と比較すると、これらの2気筒エンジンは低回転からのトルクが太く、街乗りでの加速感では勝る面があります。ただし、CB650Rは高回転域でのスムーズな伸びと、4気筒ならではの官能的なサウンドが魅力となっています。
CB650Rの最高速はどのくらい?
以前乗ってたCB650Rの写真が出てきた。
本当に本当に!良いバイクでした! pic.twitter.com/qe0gO1d0D9— 熊くま CB1100EX (@kumabike0123) August 30, 2025
CB650Rのギア比計算上の理論値では最高速は約248km/hとなりますが、実際には空力や出力の関係で、この数値の到達は現実的ではありません。実測データでは、平地でのフルスロットル走行において約215-220km/h前後が信頼できる数値として報告されています。
GPS計測による実測値では、6速・約12,000rpm前後で頭打ちになり、おおよそ215km/h前後というデータが多く見られます。この数値は、同クラスのバイクとしては十分な性能といえるでしょう。
高速巡航での実力
最高速よりも実用的に重要なのは、高速巡航性能です。CB650Rはギア比計算による目安として、6速100km/h巡航時の回転数が約4,840rpmと、長距離走行に適した設定になっています。
多くのユーザーが「高速道路での巡航は非常に快適」と評価しており、エンジン音や振動も抑えられています。追い越し加速も十分な余力があり、実用面では必要十分な性能を持っているといえます。
ただし、ネイキッドスタイルのため高速域では風圧が強くなります。長距離高速走行を多用する場合は、風防の追加を検討することをおすすめします。
満タンで何キロ走る?燃費と航続距離

Ride Style・イメージ
CB650Rの燃料タンク容量は15.0L(日本仕様)で、海外仕様では15.4Lとなります。カタログ燃費はWMTCモード値で21.5km/L(標準クラッチ)/21.3km/L(E-Clutch)とされています。実際の燃費は走行条件によって大きく変動しますが、一般的には以下のような数値が報告されています。
走行条件 | 実燃費 | 航続距離※日本仕様15.0L |
---|---|---|
市街地中心 | 18-20km/L | 約270-300km |
郊外・高速中心 | 22-25km/L | 約330-375km |
ツーリング混合 | 20-23km/L | 約300-345km |
満タンでの航続距離は、平均的に300km程度と考えておくのが現実的です。これは日帰りツーリングには十分な距離ですが、長距離ツーリングでは給油計画を立てる必要があります。
燃費に大きく影響するのは運転の仕方です。高回転を多用するスポーティな走行では15-17km/L程度まで悪化することもあります。逆に、3,000-4,000rpm程度を維持する穏やかな走行では、カタログ値に近い燃費を実現できるでしょう。
CB650Rは無鉛レギュラーガソリン仕様のため、燃料コストを抑えられる点もメリットです。ハイオク仕様のバイクと比較して、ランニングコストの面では有利といえます。
CB650Rで後悔する人の特徴とは
新しいバイク探しに行った。ホンダのcb650rを試乗。クソチビの私でも踵まで足付くし軽いし、大型とは思えない安心感。cb400と同じ感覚で95馬力はビビる。スポーツ系に乗り慣れてないんでブレーキの効きに一番感動した。超止まる。文句なし100点。絶対に後悔しない買い物だと秒で察した。 pic.twitter.com/1O7tpaqSft
— SPむらなが (@JP_Otaku_Boy) August 17, 2019
CB650Rを購入後に後悔する人には、いくつかの共通する特徴があります。まず最も多いのは、絶対的なパワーを求めている人です。リッターバイクのような圧倒的な加速を期待していると、物足りなさを感じる可能性があります。
街乗り中心で、信号ダッシュでの瞬発力を重視する人も注意が必要です。CB650Rは中低速トルクよりも高回転の伸びを重視した設計のため、日常的に低回転域しか使わない乗り方では、持ち味を活かしきれません。
用途とのミスマッチで後悔するケース
長距離ツーリングをメインに考えている人も、事前の検討が重要です。ややスポーティなライディングポジションのため、長時間の乗車では疲労を感じやすい場合があります。
また、取り回しの軽快さを期待している人にとって、205kg(日本仕様・標準クラッチ)の車重は思ったより重く感じるかもしれません。特に駐車場での押し引きや、坂道での取り回しでは、それなりの体力が必要になります。
逆に、CB650Rの魅力を理解して購入した人の満足度は高い傾向にあります。4気筒エンジンの魅力や、バランスの取れた性能を求める人には最適な選択といえるでしょう。
CB650Rの足つき性と身長の関係

Ride Style・イメージ
CB650Rのシート高は810mmで、これはミドル排気量クラスとしてはやや高めの設定です。足つき性は身長によって大きく左右されるため、購入前の確認が重要になります。
身長別の足つき性の目安は以下の通りです。身長170cm以上であれば、両足のかかとがつく程度の足つき感を得られます。身長165cm程度では、片足はしっかりつくものの、両足同時だとつま先立ちになる場合が多いでしょう。
身長 | 足つき性 | 取り回しの難易度 |
---|---|---|
175cm以上 | 両足かかとまでしっかり | 問題なし |
170-174cm | 両足かかとが少し浮く | やや注意が必要 |
165-169cm | つま先立ちになる | 慣れが必要 |
164cm以下 | 片足でのサポートが基本 | 十分な検討が必要 |
身長が低い場合でも、ローダウンキットの装着やシートの加工により改善は可能です。ただし、これらの改造を行うと、最低地上高が下がったり、サスペンションの動きに影響が出る場合があるため、専門店での相談をおすすめします。
足つき性に不安がある場合は、必ず購入前に実車でまたがって確認することが重要です。カタログスペックだけでは判断できない、個人差による違いがあります。
CB650Rのパワー不足は本当?購入前の疑問解決

Ride Style・イメージ
- CB650Rに飽きるという声は本当?
- CB650Rの慣らし運転は必要?
- CB650Rと競合車の馬力比較
- CB650Rの加速性能と体感パワー
- CB650Rのトルク特性とエンジン性能
CB650Rに飽きるという声は本当?
CB650Rに飽きるという声が一部で聞かれるのは事実ですが、これは使用者の期待値や用途によって大きく左右されます。実際のユーザーレビューを詳しく分析すると、飽きを感じる人と長く乗り続けている人には明確な違いがあります。
飽きを感じやすいのは、最初から強烈な刺激を求めている人です。CB650Rは穏やかで扱いやすい性格のため、アドレナリンが出るような激しい加速感を期待していると、物足りなさを感じてしまうでしょう。
長く愛用している人の共通点
一方で、CB650Rを長年愛用している人の多くは、バランスの良さを評価しています。「街乗りからツーリング、軽いスポーツ走行まで幅広く対応できる」という声が多く、用途の幅広さが飽きにくさにつながっているようです。
また、4気筒エンジンの質感の高さも、長期所有の満足度に影響しています。高回転まで回した時のサウンドやフィーリングは、2気筒エンジンでは味わえない魅力として評価されています。
カスタムパーツの豊富さも、飽きにくさの要因の一つです。マフラー交換や外装のカスタムにより、見た目や音の変化を楽しむことができます。
ただし、明確にスポーツ性能を追求したい人や、ツーリング特化の装備を求める人にとっては、中途半端に感じられる可能性があります。購入前に自分の用途と優先順位を明確にすることが重要です。
CB650Rの慣らし運転は必要?
最高の天気の中、茶臼山ツーリング。
納車から1週間で500kmの慣らし運転終了。#cb650r pic.twitter.com/huYFqLWMKA— 亜鉛 (@No1582) October 5, 2019
CB650Rの慣らし運転については、取扱説明書に明記されており、エンジンの寿命や性能を最大限に引き出すために重要な作業です。公式マニュアルでは、最初の500kmまでは急加速等を避け、高回転の長時間連続使用を避けることが推奨されています。
一般的な慣らし運転の目安として、徐々に回転数を上げていく方法が効果的とされています。最初は低い回転数から始めて、段階的に使用回転域を広げていくことで、エンジン内部の各部品が適切になじんできます。
慣らし運転の具体的な方法
効果的な慣らし運転のポイントは、回転数を少しずつ上げていくことです。最初は低い回転数から始めて、徐々に使用回転域を広げていくことで、エンジン内部の各部品が適切になじんできます。
慣らし運転期間中は、一定回転数での長時間走行よりも、適度に回転数を変化させながら走行することが推奨されます。これにより各部品の当たりが均等になります。
慣らし運転を適切に行うことで、エンジンの圧縮比が安定し、燃費や出力特性が向上します。また、各部の摩耗を最小限に抑えることができ、長期的なトラブル防止にもつながります。
慣らし運転を無視して最初から全開走行を行うと、エンジン内部の磨耗が進んだり、本来の性能が出なくなる可能性があります。新車の性能を最大限に活かすためにも、適切な慣らし運転を行いましょう。
CB650Rと競合車の馬力比較

Ride Style・イメージ
CB650Rの馬力を正確に評価するためには、同クラスの競合車との比較が欠かせません。主要な競合車種との詳細な比較により、CB650Rのポジションを明確にしていきましょう。
車種名 | 最高出力 | 最大トルク | 車重 | エンジン形式 |
---|---|---|---|---|
CB650R | 95PS/12,000rpm | 63Nm(6.4kgm)/9,500rpm | 205kg | 直列4気筒 |
MT-07 | 73PS/8,750rpm | 67Nm(6.8kgm)/6,500rpm | 184kg | 並列2気筒 |
SV650 | 76PS/8,500rpm | 64Nm(6.5kgm)/8,100rpm | 約198kg | 90°Vツイン |
Z650 | 68PS/8,000rpm | 64Nm(6.5kgm)/6,700rpm | 約190kg※ | 並列2気筒 |
※年式により188-190kg程度の幅があります。
この比較表から分かるように、CB650Rは最高出力では確実に上位に位置しています。特に、MT-07やZ650と比較すると20PS以上の差があり、数値上のアドバンテージは明確です。
実用域でのパワー感の違い
しかし、重要なのは実用回転域での使いやすさです。MT-07やSV650は、最大トルクの発生回転数が低く設定されており、街乗りでの扱いやすさでは優位に立ちます。CB650Rは高回転型の特性のため、低中速域では他車に劣る場面もあります。
一方で、高速道路やワインディングロードでの走行では、CB650Rの高い最高出力が活かされます。特に80km/h以上の速度域では、その実力差が明確に現れるとの評価が多く見られます。
CB650Rは「パワー不足」というよりも、「特性の違い」として理解することが適切です。用途に応じて適切な車種を選択することが、満足度向上の鍵となります。
CB650Rの加速性能と体感パワー
CB650Rめっちゃよかった😆
音はもちろんいいし、エンジンも法定速度内でそこそこ回して遊べるのに、6速で流しててもスロットルを開ければ不足なく加速してくれる
しかも自分みたいな下手くそが乗ってても良く曲がるし、最高に丁度いいわこれ😍
#CB650R
#Honda
#バイク pic.twitter.com/b71B8viOLe— ひびき (@HBK_lx3) July 24, 2022
CB650Rの加速性能は、0-100km/h加速で約3.5〜4.1秒という実測データが複数の測定機関で報告されています。出典により若干の幅がありますが、同クラスのバイクとしては十分な性能といえます。体感的な加速感は数値以上に重要な要素となります。
CB650Rの特徴的な加速フィールは、スムーズで伸びのある特性にあります。急激なパンチ力よりも、後半にかけてグイグイと伸びていく加速が魅力です。この特性は、高速道路での追い越しや、ワインディングでの加速において威力を発揮します。
回転域別の加速特性
低回転域(3,000rpm以下)では、やや大人しい印象を受けるかもしれません。しかし、4,000rpm以上からはトルクの膨らみを感じ始め、6,000rpm以上では明確にパワーの上昇を体感できます。
特に8,000-10,000rpm付近での加速は、4気筒エンジンならではの官能的な体験を提供します。この回転域でのサウンドと加速感は、多くのライダーが「CB650Rの真価」として評価している部分です。
「最初は物足りないと感じたけど、回転数を上げて走るようになってからCB650Rの良さが分かった」という声をよく聞きます。エンジンの特性を理解して乗ることが、満足度向上の秘訣といえそうですね。
体感パワーに影響するもう一つの要素は、車重と出力のバランスです。CB650Rは205kgの車重に対して95PSの出力を持つため、パワーウェイトレシオは約2.16kg/PSとなります。これは十分にスポーティな数値といえるでしょう。
CB650Rのトルク特性とエンジン性能

Ride Style・イメージ
CB650Rのエンジン性能を詳しく分析するためには、トルク特性の理解が重要です。最大トルク63Nm(6.4kgm)を9,500rpmで発生するこのエンジンは、典型的な高回転型の特性を持っています。
トルクカーブを見ると、3,000rpm付近から徐々に立ち上がり始め、6,000rpm以上で本格的にトルクが膨らみます。ピークの9,500rpmまでフラットにトルクを維持し、そこから約12,000rpm超の高回転域まで伸びていく特性です。
実用域でのトルク感
日常的によく使用する3,000-6,000rpmの回転域では、トルクはピーク値の70-80%程度に留まります。これが「低速トルクが薄い」と言われる理由の一つです。ただし、絶対値として不足しているわけではなく、他の2気筒エンジンと比較した際の相対的な話といえます。
重要なのは、CB650Rのエンジンはレスポンスが良く、スロットル操作に対してリニアに反応することです。低トルクでもアクセルワークにより、必要なパワーを適切に引き出すことができます。
4気筒エンジンの魅力は、高回転域での滑らかな吹け上がりとサウンドにあります。約12,000rpm超まで一気に回る時の爽快感は、CB650Rならではの体験といえるでしょう。
また、CB650Rにはアシスト&スリッパークラッチが装備されており、シフトダウン時のエンジンブレーキが適切に制御されます。これにより、高回転域を多用する走行でも、安全で快適なライディングが可能になっています。
一部のユーザーからは6,000rpm付近で振動を感じるという報告もありますが、これは個体差や使用状況による部分が大きく、過度に心配する必要はありません。定期的なメンテナンスにより、良好な状態を維持することが重要です。
総括:CB650Rはパワー不足?馬力と性能の真相を徹底解明
この記事では、CB650Rのパワー不足に関する疑問について、実際のデータとユーザーの声を基に詳しく解説してきました。以下に重要なポイントをまとめておきます。
- CB650Rの95PSという馬力は同クラスでは上位の性能を持つ
- パワー不足感は主に低中速域でのトルク特性によるもの
- 高回転域では4気筒ならではの伸びのある加速を実現
- ギア比計算上の理論最高速は約248km/hだが実測は約215-220km/h
- 燃費は20-23km/L程度で航続距離は約300kmが目安
- シート高810mmは身長170cm以上なら問題ない足つき性
- 後悔する人は絶対的パワーや低速トルクを重視する傾向
- 飽きやすさは使用者の期待値と用途によって大きく左右される
- 慣らし運転は段階的に回転数を上げることが推奨される
- 競合車と比較して最高出力では優位だが低速トルクでは劣る面もある
- 0-100km/h加速は約3.5〜4.1秒で同クラス相応の性能
- 高回転域での加速感とサウンドが最大の魅力
- トルク特性は高回転型で9,500rpmでピークを迎える
- バランスの良さと4気筒サウンドが高評価要素
- 振動と低速トルクの薄さが主な不満要素として挙げられることがある