バリオスは壊れやすいバイク?故障原因と対策方法を徹底解説

バリオスは壊れやすいバイク?故障原因と対策方法を徹底解説

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バリオスは壊れやすいバイクなのか、この疑問を抱いている方は多いのではないでしょうか。カワサキが製造していた250cc4気筒のバリオスは、現在でも根強い人気を誇る一方で、エンジンがかからない症状やセルは回るのに始動しないといった不調に悩まされているオーナーが少なくありません。

バリオスの持病として知られる症状には、熱間再始動困難や突然のエンストなどがあり、特にバリオス2においても不調や故障に関する相談が数多く寄せられています。また、バリオスの寿命について心配している方や、バイクが壊れやすい乗り方をしてしまっていないか不安に感じている方も多いでしょう。

実際のところ、バリオスが本当に壊れやすいのか、どのような故障が発生しやすいのか、そして長く愛用するためにはどのような点に注意すべきなのかを、具体的なデータと実例を交えながら詳しく解説していきます。

この記事を読むことで以下の点について理解を深められます:

  • バリオスに発生しやすい具体的な故障症状と原因
  • 1型と2型の違いとそれぞれの特徴的な不具合
  • 故障を予防するための効果的なメンテナンス方法
  • 中古車購入時に注意すべきポイントと見極め方
目次

バリオスは壊れやすいって本当?実際の故障例と対策

  • バリオスが壊れやすいと言われる理由
  • エンジンかからない・セルは回る症状の原因
  • バリオスの持病とよくある不調症状
  • バリオス2の故障しやすい箇所と対処法
  • バリオスの寿命はどのくらい?

バリオスが壊れやすいと言われる理由

バリオスが壊れやすいと言われる背景には、いくつかの明確な理由があります。まず、バリオス(1型)は1991年から1996年まで、バリオス-Ⅱ(2型)は1997年から2007年まで製造されていたため、現在流通している車両の多くが15年以上経過した旧車であることが挙げられます。

年式が古いことで、ゴム部品の劣化やガスケットの硬化、配線の劣化といった経年変化による不具合が発生しやすくなっています。特に、フロントフォークのオイル漏れ(シール・オイル込み片側6,000〜8,000円の修理費)やブレーキマスターシリンダーからのオイル漏れは、多くのバリオスオーナーが経験する症状です。

また、バリオスは250cc4気筒という高回転型エンジンを搭載しているため、メンテナンスを怠ると不調を起こしやすい特性があります。キャブレター式の燃料供給システムは、現在主流のインジェクション方式と比較して、汚れや詰まりの影響を受けやすく、定期的な清掃が欠かせません。

バリオスは若年層ユーザーも多いため、整備知識の不足から整備不良が累積しやすいという側面もあります。これが壊れやすいという評価を助長している面は否定できません。

ただし、適切なメンテナンスを行えば、バリオスは決して壊れやすいバイクではありません。実際に、定期的なオイル交換やキャブレター清掃を行っているオーナーの中には、10万キロ以上問題なく走行している方も存在しています。

エンジンかからない・セルは回る症状の原因

エンジンかからない・セルは回る症状の原因

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セルは元気に回るのにエンジンがかからないという症状は、バリオスオーナーが最も頻繁に遭遇する不具合の一つです。この症状の原因として最も多いのが、キャブレター内の燃料系統に関する問題です。

キャブレター内のフロートバルブが劣化すると、燃料の供給量が不安定になり、適切な混合気が作れなくなってしまいます。また、メインジェットやパイロットジェットの詰まりも、始動不良の大きな原因となります。これらの部品は、ガソリンに含まれる不純物やタンク内のサビが原因で詰まりやすく、定期的な清掃が必要です。

燃料コックの不具合も見逃せません。負圧式燃料コックのダイアフラムが劣化すると、適切な燃料供給ができなくなり、エンジン始動時に必要な燃料が確保できません。特に、長期間放置された車両では、このダイアフラムの硬化が進行していることが多く見受けられます。

点火系統の問題も重要な要因です。イグニッションコイルの劣化により、十分な点火エネルギーが確保できない場合があります。プラグコードやプラグキャップの劣化も、点火不良の原因となり、湿気の多い環境では特に症状が顕著に現れます。

エアクリーナーの汚れや詰まりも、始動性に大きく影響します。エアクリーナーが汚れていると適切な空気量が確保できず、混合気のバランスが崩れてしまいます。また、インシュレーターの亀裂により二次エアが吸い込まれることで、同様の症状が発生することもあります。

バッテリー関連の問題

セルが回っていても、バッテリーの電圧不足が原因でエンジンがかからないケースもあります。バッテリーの電圧が低下すると、イグニッションコイルに十分な電力が供給されず、弱い火花しか発生しなくなります。

バリオスの持病とよくある不調症状

バリオスには特有の持病と呼ばれる症状がいくつか存在します。最も代表的なのが、暖機後の熱間再始動困難です。エンジンが十分に暖まった状態でいったん停止すると、5分から10分程度エンジンがかからなくなる現象で、多くのバリオスオーナーが経験しています。

この症状の原因は複合的で、メインハーネスの経年劣化による電圧降下、イグニッションコイルの熱による性能低下、燃料系統の蒸気圧上昇などが関係しています。特に、バッテリーからイグニッションコイルまでの配線で電圧が0.5V程度低下することが確認されており、これが点火不良の一因となっています。対策として、イグニッションコイルの電源をバッテリーから直結する「コイルバッ直化」により改善した事例が多数報告されています。

カムチェーンテンショナーの不具合も、バリオスの典型的な持病です。走行距離が増えるにつれて、エンジンからガラガラという異音が発生するようになります。純正品番13116-1281のテンショナー交換(部品代約6,000円)により改善されますが、放置するとエンジン内部の損傷につながる可能性があります。

アイドリングの不安定さも、バリオスでよく見られる症状です。タコメーターの針がピクピクと動き、時にはエンストしてしまうこともあります。この原因として、キャブレターの同調不良やパイロットスクリューの調整不良、エアクリーナーの汚れなどが考えられます。

白煙の発生も注意が必要な症状です。エンジンオイルがシリンダー内に侵入することで発生し、ピストンリングやバルブシールの劣化が原因となることが多く見受けられます。

電装系の不具合

バリオスでは、レギュレーターの故障による充電不良も頻繁に発生します。純正新品は約1.5万円、社外MOSFET化は約1万円(工賃別)となっており、バッテリーが上がりやすくなったり、ヘッドライトが暗くなったりする症状が現れた場合は、レギュレーターの点検が必要です。

バリオス2の故障しやすい箇所と対処法

バリオス2の故障しやすい箇所と対処法

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バリオス2は初代バリオスの改良版として1997年に登場しましたが、独自の故障しやすい箇所も存在します。最も特徴的なのが、リアサスペンションのオイル漏れです。2本サス仕様となったバリオス2では、サスペンションからのオイル滲みが発生しやすく、純正新品2本での交換費用は約6〜7万円となります。定期的な点検が欠かせません。

燃料メーターの不具合も、バリオス2特有の問題として知られています。燃料計が正確な残量を示さなくなったり、まったく動かなくなったりするケースが報告されています。この症状は、燃料タンク内のフロートセンサーの劣化や配線断線が原因となることが多く、タンクの取り外しが必要な修理となります。

ブレーキ系統では、特にリアブレーキの効きが悪くなる傾向があります。マスターシリンダーやブレーキホースの劣化により、ブレーキフルードの圧力が適切に伝わらなくなることが原因です。ブレーキは安全に直結する部分であるため、効きが悪いと感じた場合は早急な対処が必要です。

クーラント漏れも、バリオス2でよく見られる不具合です。ラジエーターホースの劣化やリザーバータンクの亀裂により、冷却水が漏れ出すことがあります。オーバーヒートを防ぐためにも、定期的な冷却系統の点検が大切です。

キャブレター関連では、CVK30キャブレターのダイアフラム劣化が問題となることがあります。ダイアフラムが劣化すると、負圧による燃料供給が不安定になり、加速不良や燃費悪化の原因となります。

対処法とメンテナンスポイント

これらの不具合に対する対処法として、まず定期的な点検が基本となります。オイル漏れや冷却水漏れは早期発見が重要で、駐車場所に液体の跡がないか確認する習慣をつけることが大切です。

バリオスの寿命はどのくらい?

バリオスの寿命について考える際、まず理解しておくべきことは、適切なメンテナンスを行えば相当な距離を走行できるということです。実際に、10万キロ以上走行しているバリオスも珍しくなく、中には15万キロを超えて現役で活躍している個体も存在します。ただし、10万キロ到達には腰上オーバーホール歴ありの車両が多いのが実情です。

バリオスの寿命を左右する要因はいくつかあります。最も大きな影響を与えるのが、オーナーのメンテナンス意識と技術レベルです。定期的なオイル交換、キャブレター清掃、各部の調整を怠らないオーナーの車両は、長期間にわたって良好な状態を保つことができます。

走行距離による目安として、5万キロを超えたあたりから主要部品の交換が必要になってくることが多いとされています。特に、エンジン内部のピストンリングやバルブシール、クラッチ板などの消耗品は、この距離を境に劣化が進行します。

年式による影響も無視できません。製造から20年以上経過した個体では、ゴム部品やガスケット類の全面的な交換が必要になることが多く、電装部品の劣化も進行しています。このような状態の車両では、レストアに近い整備が必要となる場合があります。

使用環境も寿命に大きく影響します。海沿いの塩害地域で使用された車両や、雨ざらしで保管されていた車両は、金属部品の腐食が進行しており、同じ年式・走行距離でも状態が大きく異なります。

エンジンの載せ替えや大規模なオーバーホールを行えば、バリオスはさらに長期間使用することが可能です。ただし、このような作業には相当な費用がかかるため、車両の価値と修理費用を慎重に比較検討する必要があります。

現実的な目安として、適切にメンテナンスされたバリオスであれば、7万キロから10万キロ程度は大きなトラブルなく使用できると考えられます。この距離を超えても使用は可能ですが、部品の入手困難や修理費用の増大といった問題に直面する可能性が高くなります。

バリオスが壊れやすいのを防ぐ方法と購入時の注意点

バリオスが壊れやすいのを防ぐ方法と購入時の注意点

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  • バイクが壊れやすい乗り方とは?
  • バリオスの1型と2型の違いと選び方
  • バリオスはおすすめしない?購入判断のポイント
  • 中古バリオス購入時の見極めポイント
  • バリオスを長持ちさせるメンテナンス方法
  • 故障を防ぐ日常の点検項目
  • バリオス購入前に知っておくべきこと

バイクが壊れやすい乗り方とは?

バリオスを含む多くのバイクにとって、最も負担をかける乗り方の一つが急発進と急停止の繰り返しです。特に高回転型エンジンを搭載するバリオスでは、エンジンが十分に暖まる前の急な回転上昇は、内部部品に過度なストレスを与えてしまいます。

冷間時の高回転運転は特に注意が必要です。エンジンオイルが十分に循環していない状態で高回転まで回すと、ピストンやシリンダーの摩耗が急速に進行します。暖機運転を怠ることで、エンジンの寿命を大幅に短縮してしまう可能性があります。

長期間の放置も、バイクにとって非常に有害です。ガソリンタンク内の燃料が劣化し、キャブレター内でガム状に変化することで、燃料系統の詰まりを引き起こします。また、バッテリーの自然放電により、電装系統にも悪影響を及ぼします。

メンテナンスを怠った状態での継続使用は、小さな不具合を大きな故障へと発展させる原因となります。例えば、エアクリーナーの汚れを放置すると、エンジン内部にダストが侵入し、シリンダーやピストンの摩耗を加速させてしまいます。

高速道路での長時間の高回転運転も、エンジンに大きな負担をかけます。バリオスは250ccという排気量のため、高速巡航時はエンジンが高回転域で働き続けることになり、オーバーヒートのリスクが高まります。

適切な暖機運転の方法

エンジン始動後は、少なくとも2〜3分間はアイドリング状態を保ち、水温計が適正範囲に入ってから走行を開始することが大切です。また、走行開始後も最初の数分間は穏やかな運転を心がけることで、エンジン全体を適切に暖めることができます。

バリオスの1型と2型の違いと選び方

バリオス1型(1991-1996年)と2型(1997-2007年)には、外観や装備面で大きな違いがあります。1型はシンプルなモノサス仕様でスポーティーな外観が特徴です。一方、2型はツインサス仕様となり利便性が向上しています。

エンジン性能面では、2型の方が低中速トルクが強化されており、街乗りでの扱いやすさが向上しています。また、始動性についても2型の方が改善されており、特に冬場の始動が楽になっています。燃料計の装備も2型の大きなメリットの一つです。

信頼性の観点から見ると、2型の方が全体的に改良されており、初期型で見られた不具合の多くが解消されています。ただし、2型特有の問題として、リアサスペンションのオイル漏れや燃料計の故障といった新たな課題も存在します。

部品の入手性については、2型の方が製造期間が長く、現在でも比較的入手しやすい状況にあります。1型の専用部品は既に廃番となっているものが多く、修理時に苦労する可能性があります。

価格面では、一般的に2型の方が高値で取引される傾向があります。特に最終型となる2007年式は、状態の良い個体では新車価格に近い値段で売買されることも珍しくありません。

選択の指針として、スポーティーな走りを重視し、メンテナンスにも積極的に取り組める方には1型がおすすめです。一方、日常使いでの利便性や信頼性を重視する方には2型の方が適しているでしょう。

項目 1型(1991-1996年) 2型(1997-2007年)
サスペンション モノサス ツインサス
燃料計 なし あり
シート下収納
低速トルク 控えめ 強化
始動性 やや劣る 改善
部品入手性 困難 比較的容易

バリオスはおすすめしない?購入判断のポイント

バリオスはおすすめしない?購入判断のポイント

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バリオスの購入を検討する際、おすすめしないケースもいくつか存在します。まず、バイクの整備経験がまったくなく、今後も自分でメンテナンスを行う予定がない方には、現代的なインジェクション車の方が適しているでしょう。

予算に余裕がない場合も、バリオスの購入は慎重に検討すべきです。車両価格が安くても、購入後の修理費用で結果的に高額になってしまうケースが少なくありません。特に程度の悪い個体では、エンジンオーバーホールが必要になることもあり、その場合は車両価格を上回る修理費がかかることもあります。

近くに信頼できるバイクショップがない地域では、バリオスの維持が困難になる可能性があります。キャブレター調整や電装系の修理など、専門的な知識が必要な作業も多いため、適切なサポートを受けられる環境が重要です。

通勤や通学で毎日使用する予定の方にも、バリオスはあまりおすすめできません。古い車両であるため、突然の故障で移動手段がなくなるリスクが現代のバイクより高く、日常の足として頼りにするには不安が残ります。

一方で、バリオスがおすすめできるのは、趣味として楽しむ余裕があり、メンテナンスも含めてバイクライフを楽しめる方です。また、250cc4気筒という現在では味わえない特別な乗り味を体験したい方にとっては、代替できない魅力を持つバイクといえます。

購入判断の際は、まず自分のバイクに対する知識レベルと、トラブル発生時の対応能力を客観的に評価することが大切です。また、購入後のランニングコストについても、年間10万円程度は見込んでおく必要があります。

購入に適したタイミング

バリオスの購入に適しているのは、他にも移動手段があり、バイクが使えなくなっても生活に支障がない環境が整っている時期です。また、ある程度まとまった修理予算を確保できるタイミングでの購入が理想的です。

中古バリオス購入時の見極めポイント

中古バリオスを購入する際、最も重要なのは整備記録の確認です。定期的なオイル交換やメンテナンスが行われていた車両は、同じ年式・走行距離でも状態が大きく異なります。記録簿やレシートが保管されている車両は、前オーナーの意識の高さを示す良い指標となります。

エンジンの状態確認では、始動性とアイドリングの安定性をチェックします。エンジンが一発でかかり、暖機後もアイドリングが安定している車両を選ぶことが大切です。また、異音の有無も重要な判断材料となります。

外観では、転倒歴の有無を確認します。ハンドルストッパー部分に傷や変形がないか、カウル類に修理跡がないかを詳しく観察しましょう。転倒歴のある車両は、見えない部分にもダメージを受けている可能性があります。

オイル漏れの確認も欠かせません。エンジン下部やフロントフォーク、リアサスペンション周辺にオイルの滲みがないかチェックします。わずかな滲み程度であれば許容範囲ですが、明らかな漏れがある場合は修理費用を考慮する必要があります。

タンク内の状態も重要なポイントです。ガソリンタンクにサビが発生している車両は、燃料系統のトラブルが予想されます。可能であれば、タンクキャップを開けて内部を確認させてもらいましょう。

電装系の動作確認では、すべての灯火類、メーター類、ウインカーが正常に動作するかテストします。特に、タコメーターや燃料計(2型の場合)の動作は、後から修理すると高額になる可能性があります。

価格相場との比較

購入検討車両の価格が相場と比較して適正かどうかの判断も重要です。相場より安すぎる車両には、隠れた問題がある可能性が高いため、より慎重な検討が必要です。

バリオスを長持ちさせるメンテナンス方法

バリオスを長持ちさせるメンテナンス方法

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バリオスを長期間良好な状態で維持するためには、定期的で適切なメンテナンスが不可欠です。最も基本となるのがエンジンオイルの交換で、3,000キロまたは6ヶ月に一度の頻度で実施することが推奨されます。高回転型エンジンのバリオスでは、オイルの劣化が早いため、一般的なバイクより短いサイクルでの交換が必要です。JASO MAグレードのオイルを使用することで、より安心できます。

キャブレターの清掃も、定期的に行うべき重要なメンテナンス項目です。年に一度は分解清掃を行い、ジェット類の詰まりや汚れを除去します。また、フロートバルブのOリング交換も、燃料供給の安定化のために有効です。

チェーンとスプロケットのメンテナンスでは、500キロ走行ごとにチェーン清掃と注油を行います。チェーンの伸びが限界に達した場合は、前後のスプロケットとセットで交換することで、駆動系の寿命を延ばすことができます。

冷却系統のメンテナンスでは、クーラントの交換を2年に一度実施します。また、ラジエーターフィンの清掃も重要で、汚れが蓄積すると冷却効率が低下し、オーバーヒートの原因となります。

ブレーキ系統では、ブレーキフルードの交換を2年ごとに行い、ブレーキパッドの残量も定期的にチェックします。特にリアブレーキは効きが弱くなりやすいため、マスターシリンダーの動作確認も忘れずに行いましょう。

電装系のメンテナンスでは、バッテリーの電圧チェックと端子の清掃を月に一度実施します。また、各種配線の被覆に劣化がないか、コネクター部分に腐食がないかも確認が必要です。

季節ごとのメンテナンスポイント

春には冬期保管中に蓄積した汚れや水分の除去、夏にはオーバーヒート対策、秋には冬期保管の準備、冬には防錆対策といったように、季節に応じたメンテナンスを行うことで、年間を通じて良好な状態を維持できます。

故障を防ぐ日常の点検項目

日常の点検を習慣化することで、大きな故障を未然に防ぐことができます。まず、乗車前には必ずエンジンオイルの量と色をチェックしましょう。オイルレベルが下限を下回っていたり、オイルが真っ黒になっていたりする場合は、すぐに対処が必要です。

タイヤの空気圧と摩耗状態の確認も重要です。適正空気圧を維持することで、燃費向上と安全性確保につながります。また、タイヤの偏摩耗がないかもチェックし、異常があればホイールアライメントの調整が必要かもしれません。

冷却水の量と色も毎回確認すべき項目です。リザーバータンクの水位が下限を下回っている場合や、冷却水が茶色く濁っている場合は、冷却系統に問題が発生している可能性があります。

チェーンの張り具合と注油状態をチェックします。チェーンが適切に張られており、十分に潤滑されていることを確認しましょう。また、スプロケットの摩耗状態も定期的に観察します。

ブレーキの効き具合は、安全に直結する重要な点検項目です。レバーやペダルの遊びが適正範囲内にあるか、ブレーキフルードの量は十分かを確認します。

電装系では、ヘッドライトやテールライト、ウインカーなどすべての灯火類が正常に点灯するかテストします。

メーター類の動作も併せて確認しましょう。

異音や振動への注意

日常点検では、普段と異なる音や振動にも注意を払います。エンジンからの異音、ブレーキ時の異音、走行中の振動など、わずかな変化も見逃さないよう心がけることが、早期発見・早期対処につながります。

バリオス購入前に知っておくべきこと

バリオス購入前に知っておくべきこと

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バリオス購入を検討する前に、まず部品の入手性について理解しておく必要があります。製造終了から長期間が経過しているため、多くの部品が廃番となっており、修理時に苦労する可能性があります。特に外装部品やメーター類などは、新品での入手が困難な場合が多く、中古部品に頼らざるを得ない状況です。

修理を依頼できるショップの確保も重要な検討事項です。キャブレター車の整備に慣れていないショップでは、適切な調整や修理ができない場合があります。購入前に、近隣でバリオスの整備実績があるショップを探しておくことをおすすめします。

年間維持費についても現実的な見積もりが必要です。車検のない250ccとはいえ、定期的なメンテナンス費用、消耗品交換費用、突発的な修理費用を考慮すると、年間10万円から15万円程度の予算を見込んでおく必要があります。

保険や税金についても確認が必要です。バリオスは軽二輪に分類されるため、自賠責保険と任意保険への加入が必要です。また、軽自動車税も毎年課税されるため、これらの費用も維持費に含めて考えておきましょう。

駐車場所の確保も重要な要素です。屋外駐車の場合は、雨や紫外線による劣化が進行しやすくなります。可能であれば屋根付きの駐車場を確保し、バイクカバーの使用も検討しましょう。

購入時期についても戦略的に考える必要があります。一般的に、秋から冬にかけては中古バイクの価格が下がる傾向にあるため、この時期での購入がお得になる可能性があります。

バリオスを購入する前に最も重要なのは、このバイクが現代的な利便性を求める方には向かないということを理解することです。インジェクション車のような始動の確実性や、燃費の良さ、メンテナンスフリーな特性は期待できません。その代わりに、250cc4気筒という現在では製造されていない貴重なエンジン特性を楽しむことができます。

法的な面では、バリオスは軽二輪に分類されるため、運転免許証は普通二輪免許(中型限定)以上が必要です。また、ナンバープレートの取得や自賠責保険への加入といった手続きも忘れずに行う必要があります。

燃料についても注意が必要です。バリオスはレギュラーガソリン仕様ですが、エタノール混合ガソリンの使用は推奨されていません。また、長期間使用しない場合は、ガソリンの劣化を防ぐため燃料添加剤の使用や、タンク内の燃料を抜く処置が必要になります。

改造やカスタムを考えている場合は、保安基準への適合性を事前に確認しておくことが大切です。特にマフラー交換や灯火類の変更は、車検や定期点検の際に問題となる可能性があります。

冬場の保管方法についても計画を立てておく必要があります。寒冷地では、冷却水の凍結防止対策やバッテリーの保温対策が必要です。また、長期間乗らない場合のメンテナンス方法も学んでおくべきでしょう。

転売時の価値についても考慮しておくことをおすすめします。バリオスは人気車種のため、適切にメンテナンスされた個体であれば、ある程度の価値を保つことができます。購入時の状態記録や整備記録の保管は、将来的な資産価値の維持に役立ちます。

最後に、バリオスオーナーとしての心構えも大切です。古いバイクを愛用するということは、現代的な便利さを犠牲にしても、そのバイク特有の魅力や歴史を大切にするということです。トラブルが発生した際も、それを含めてバイクライフの一部として楽しめる余裕が必要といえるでしょう。

総括:バリオスは壊れやすいバイク?故障原因と対策方法を徹底解説

この記事をまとめると、

  • バリオスが壊れやすいと言われるのは年式の古さと高回転エンジンの特性による
  • セルは回るのにエンジンがかからない症状はキャブレター系統の不具合が主原因
  • 熱間再始動困難はバリオス特有の持病でコイルバッ直化により改善した事例が多数報告
  • バリオス2は1型より改良されているが独自の故障箇所も存在する
  • 適切なメンテナンスを行えば10万キロ以上の走行も十分可能だが腰上オーバーホール歴ありの車両が多い
  • 急発進や暖機不足はエンジン寿命を大幅に短縮する要因となる
  • 1型はスポーティーで2型は実用性に優れるという特徴がある
  • 整備知識がない方や予算に余裕がない方にはおすすめできない
  • 中古車購入時は整備記録の確認が最も重要な判断材料
  • エンジンオイル交換は3,000キロまたは6ヶ月ごとにJASO MAグレードで実施が推奨
  • キャブレター清掃とチェーンメンテナンスは定期的な実施が必要
  • 日常点検では異音や振動の変化に敏感になることが大切
  • 部品の入手困難と専門ショップの確保が購入前の重要課題
  • 年間維持費は10万円から15万円程度を見込んでおく必要がある
  • バリオスは現代的利便性より特別な乗り味を重視する方に適している
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