NC750Xが不人気と噂される理由と実際の評価を徹底検証

NC750X

出典:Honda公式

ホンダのNC750Xについて調べていると、不人気という声を耳にすることがあります。実際のところ、この中型アドベンチャーバイクは本当に人気がないのでしょうか。口コミサイトやレビューを見ると、賛否両論の意見が混在しているのが現状です。

確かに最高速や絶対的なパワーを求めるライダーからは物足りないという声もありますが、一方で燃費の良さや実用性を高く評価する声も多く見受けられます。また、シート高や足つきの問題、ロングツーリングでの快適性、高速道路での追い越し性能など、様々な観点から議論されています。

この記事では、NC750Xの不人気説が本当なのか、実際のオーナーレビューや専門誌の評価、販売データなどを総合的に分析します。なお、本記事は2025年モデル(型式8BL-RH23)を基準として解説いたします。

  • NC750Xが不人気と言われる具体的な理由と背景
  • 実際のオーナー評価と口コミから見える真の実力
  • 他車種との比較による客観的なポジション分析
  • 購入前に知っておくべきメリットとデメリット
目次

NC750Xが不人気と言われる理由とは

NC750Xが不人気と言われる理由とは

Ride Style・イメージ

  • NC750Xの口コミから見る評価
  • 最高速とパワー不足の実情
  • シート高と足つき性の問題点
  • ロングツーリングでの快適性

NC750Xの口コミから見る評価

NC750Xの口コミを詳しく調べてみると、評価が二極化していることが分かります。Webike(2024年7月16日時点)の集計データによると、オーナー平均満足度は4.19点(5点満点、188人評価)と高い評価を得ており、実際のユーザー評価は決して低くありません。

高評価を付けるユーザーの多くは、燃費の良さと実用性を評価しています。「通勤で使っているが、リッター30km以上走るので経済的」「ラゲッジボックスが便利で、ちょっとした買い物にも使える」といったコメントが目立ちます。実際、教習所向けとしてNC750Lも設定されており、初心者からベテランまで幅広い層に支持されているのが現状です。

一方で批判的な口コミでは、「750ccなのに58馬力しかない」「見た目が地味すぎる」という声があります。ただし、これらの批判の多くは実際に乗車した経験に基づくものではなく、スペック表を見ただけの印象論が多いことも特徴的です。

Webikeの統計では、実際のオーナーレビューで平均満足度は4.19点と高く、特に実用性や経済性において高い評価を得ています。不人気と言われる割には、実際の使用感は良好であることが分かります。

最高速とパワー不足の実情

NC750Xの最高出力は58馬力で、確かに同排気量クラスと比較すると控えめな数値です。しかし、この数値だけでバイクの性能を判断するのは早計と言えるでしょう。

最高速度についてはホンダ公称値は公開されていません。ただし、EU資料では173km/hと明記されており、これが公式に近い数値と考えられます。日本の高速道路使用においては法定速度域で不足を感じにくいとの評価が多くのレビューで見られます。また、低回転域でのトルクが豊富なため、日常使用での加速感は決して悪くありません。特に4750rpmで最大トルク7.0kgf・m(69N・m)を発生するため、信号待ちからの加速や追い越し時の中間加速は力強く感じられます。

モータージャーナリストの試乗レポートでも、「スペック以上に速い」「実用域では必要十分なパワー」という評価が多く見受けられます。峠道でも十分に楽しめるレベルの性能を持っており、パワー不足という批判は実際の性能を正しく反映していない可能性があります。

ただし、サーキット走行やスポーツライディングを主目的とする場合は、確実にパワー不足を感じるでしょう。購入前に自分の使用目的を明確にしておくことが重要です。

シート高と足つき性の問題点

シート高と足つき性の問題点

Ride Style・イメージ

NC750Xのシート高は800mmに設定されており、これは大型バイクとしては標準的な高さです。しかし、シートの形状や幅によって足つき性に影響が出る場合があります。

足つき性については個人差が大きく、身長だけでなく股下の長さやライディングブーツの厚さによって感じ方は変わります。試乗での確認が最も確実な判断方法となります。

一方で、NC750Xは多くのレビューで「取り回しやすい」「扱いやすさが強い」といった評価を得ています。車重226kg(DCT仕様)がありながら、扱いやすさを評価する声が多く見られます。また、2018年モデル以降は全タイプが800mmに統一されており、従来のType LDと同等の足つき性が標準仕様となっています。

足つき性改善の対策

足つき性に不安がある場合でも、いくつかの対策が可能です。アフターマーケットからローダウンキットが販売されており、シート高を20-30mm下げることができます。また、シートの加工やローダウンサスペンションの装着も選択肢の一つです。

ロングツーリングでの快適性

ロングツーリングにおけるNC750Xの評価は、総じて高いものとなっています。多くのオーナーが「一日500km以上走っても疲れない」「腰痛持ちでも楽に乗れる」といった感想を寄せています。

この快適性の要因は、まず優れた乗車姿勢にあります。アップライトなポジションは長時間の走行でも疲労が少なく、風防効果も適度に得られます。また、振動の少ないエンジン特性も疲労軽減に貢献しています。2気筒エンジンながら、バランサーシャフトの効果で不快な振動が抑えられています。

燃費の良さもロングツーリングの大きなメリットです。2025年モデルのWMTCモード値は26.5km/L、60km/h定地燃費では43.0km/Lというクラスでも良好な部類の性能で、給油回数を減らし、ツーリングプランの自由度を高めます。14Lの燃料タンクでも相当な航続距離が確保でき、多くのツーリングシーンで十分な性能を発揮します。

ただし、シートの硬さについては個人差があります。長時間の連続走行では、ゲルザブなどのシートクッションを追加すると、より快適になるでしょう。

NC750Xの不人気説は本当?実際の評価

NC750Xの不人気説は本当?実際の評価

Ride Style・イメージ

  • 燃費性能の優秀さ
  • 高速道路での追い越し性能
  • DCTとクルーズコントロール機能
  • 2025年モデルチェンジの進化点
  • カスタムの自由度と可能性
  • NC750Xのライバル車比較
  • NC750LとNC750Xの違いは何ですか?
  • NC750Xの買取相場はいくらですか?

燃費性能の優秀さ

NC750Xの最大の魅力の一つは、大型バイクとは思えないほどの優秀な燃費性能です。2025年モデルのWMTCモード値で26.5km/L、60km/h定地燃費では43.0km/Lという数値は、750ccクラスでも良好な部類と言えるでしょう。

実際の使用場面での燃費については、実走ではハイ20~30km/L台の報告が多く見られます。これは250ccクラスの燃費に匹敵する数値であり、維持費の観点から見ても非常に経済的です。ただし、走行条件によって大きく変動するため、あくまで参考値として捉える必要があります。

この優れた燃費性能の背景には、効率を重視したエンジン設計があります。自動車エンジン由来の効率志向を採り入れた設計思想により、ロングストローク設計で低回転域でのトルクを重視し、日常使用域での効率を最適化しています。

燃費測定条件 燃費数値 備考
WMTCモード 26.5km/L 2025年モデル公表値
60km/h定地燃費 43.0km/L 2025年モデル公表値
実燃費(各種報告) ハイ20~30km/L台 条件により変動

高速道路での追い越し性能

「NC750Xは高速道路で追い越しができない」という声を時々耳にしますが、実際の追い越し性能はどの程度なのでしょうか。多くのレビューでは、日本の法定速度域で追い越し性能に不足を感じにくいという評価が見受けられます。

実際の高速道路走行では、100km/h巡航時にも十分な回転余力があり、追い越し時の加速余力も確保されています。6速トップギヤでも中回転域まで回せば、力強い加速が得られるという報告があります。

ただし、絶対的なパワーでは大型スポーツバイクには及ばないため、急な追い越しや複数台の連続追い越しでは物足りなさを感じる場合もあります。しかし、一般的な高速道路使用では実用上問題のないレベルの性能を持っています。

実際のオーナーレビューでは、「高速道路で困ったことはない」「普通に追い越しできる」という声が多数を占めています。スペック上の数値以上に実用的な性能を持っていることが分かります。

DCTとクルーズコントロール機能

DCTとクルーズコントロール機能

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NC750XのDCT(デュアルクラッチトランスミッション)仕様は、特に注目すべき装備です。ホンダが世界で初めてバイクに実用化したこの技術は、日本のAT限定大型二輪免許で運転可能な大型バイクとして話題になりました。DCTはAT車扱いのため、クラッチ操作が不要な免許区分で乗車することができます。

DCTの動作は非常にスムーズで、発進時のギクシャク感もほとんどありません。マニュアルモードとオートモードの切り替えが可能で、渋滞時はオート、ワインディングではマニュアルモードといった使い分けができます。変速ショックも少なく、快適性に大きく貢献しています。

ただし、2025年モデルにおいてもクルーズコントロール機能は搭載されていません(各種メディアレビューでも非搭載が確認されています)。多くのユーザーからこの機能の追加を望む声があがっており、将来的なアップデートが期待されています。長距離ツーリングでの疲労軽減のため、この機能の有無は重要なポイントの一つです。

DCT使用時の注意点

DCT仕様は便利な反面、いくつかの注意点もあります。価格がマニュアル仕様より71,500円高く、車重も10kg重くなります(MT:216kg、DCT:226kg)。また、極低速域でのコントロールは、慣れが必要な場合があります。

2025年モデルチェンジの進化点

2025年モデルのNC750Xは、大幅な改良が施されています。最も注目すべき変更点は、フロントブレーキのダブルディスク化です。従来のシングルディスクから直径296mmの2枚のディスクに変更され、制動力とコントロール性が大幅に向上しました。

メーターパネルも5.0インチのフルカラーTFT液晶に変更され、Honda RoadSyncとの連携機能が標準装備されています。スマートフォンとの連携により、簡易ナビゲーション機能や音楽再生コントロールが可能になりました。

デザイン面では、フロントマスクがより現代的でシャープなものに変更されています。環境配慮として、バイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」やリサイクル素材の使用も増やされています。新設計ホイールの軽量化も図られており、総合的な性能向上が期待できます。

価格は997,700円(MT)、1,069,200円(DCT)と設定されており、装備内容を考慮すると妥当な水準と言えるでしょう。

新型は見た目の高級感が大幅に向上していますね。従来の「安っぽい」という批判も解消されそうです。

カスタムの自由度と可能性

カスタムの自由度と可能性

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NC750Xはカスタムベースとしても優秀なバイクです。純正オプションだけでなく、アフターマーケット製品も豊富に用意されており、自分好みにカスタマイズする楽しみがあります。

最も人気の高いカスタムは、パニアケースやトップボックスによる積載力強化です。ホンダ純正の他、GIVIやヘプコ&ベッカーなど各社から専用設計品が販売されています。フルパニア仕様にすれば、キャンプツーリングや長期旅行にも対応可能です。

外観カスタムでは、エンジンガードやハンドガード、アンダーカウルなどでアドベンチャー色を強めるスタイルが人気です。また、マフラー交換によるサウンドチューニングや、サスペンション交換による乗り心地改善も可能です。

おすすめカスタムパーツ

実用性向上では、ロングスクリーンやハンドガード、LED補助灯の追加が効果的です。見た目重視なら、エンジンガードやリアフェンダー、サイドカウルの追加がおすすめです。いずれも比較的容易に装着でき、大幅なイメージチェンジが可能です。

NC750Xのライバル車比較

NC750Xの競合車種として、まず挙げられるのがカワサキのVERSYS 650です。排気量は若干少ないものの、足まわりや装備の方向性が異なります。価格は115万5千円とNC750Xより高めで、67PS出力、車重219kg、前後17インチホイールという構成が特徴です。

トライアンフのタイガースポーツ660も強力なライバルです。3気筒エンジンの滑らかな特性と上質な乗り味が魅力ですが、価格は112万5千円と高価格帯に位置します。メンテナンス性や部品価格でもNC750Xが有利と言えるでしょう。

同じホンダからは、XL750トランザルプが新たに登場しています。こちらは754ccの新設計エンジンを搭載し、より本格的なアドベンチャー性能を持ちます。前輪21インチホイールを採用し、価格は132万円と高めですが、オフロード走行を重視する場合は検討に値します。

車種名 価格(万円) 排気量(cc) 最高出力(PS) 車重(kg) 前輪サイズ
NC750X 99.8(MT) 745 58 216 17インチ
VERSYS 650 115.5 649 67 219 17インチ
タイガースポーツ660 112.5 660 81 206 17インチ
XL750トランザルプ 132 754 91 208 21インチ

NC750LとNC750Xの違いは何ですか?

NC750LとNC750Xの違いは何ですか?

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NC750LとNC750Xの最も大きな違いは、使用目的です。NC750Lは教習所専用モデルとして設計されており、一般販売はされていません。教習所向けとして設定された専用車両です。

技術的な違いとしては、まずシート高があります。NC750Lは793mmと、NC750Xの800mmより7mm低く設定されています。また、教習所使用を前提とした安全装備として、バンパーや表示ランプが追加されています。

エンジン出力も大きく異なります。NC750Xの58PSに対し、NC750Lは37PSに制限されています。これは教習での安全性を考慮した設定で、一般道での使用には十分な性能を確保しながら、初心者が扱いやすい特性となっています。

NC750Lの価格は110万円(MT)、121万円(DCT)と発表されていますが、これは教習所向けの価格であり、一般ユーザーは購入できません。

NC750Xの買取相場はいくらですか?

NC750Xが不人気と噂される理由と実際の評価を徹底検証

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NC750Xの買取相場は、年式や走行距離、仕様によって大きく異なります。中古バイク市場は時期や地域、車両の状態によって価格変動が大きいため、具体的な査定額は専門業者に確認することが重要です。

一般的な傾向として、新しい年式ほど高値が期待でき、DCT仕様はMT仕様より若干高い査定となることが多いようです。また、走行距離が少ない車両や、純正オプション装着車は査定にプラスの影響を与える傾向があります。

買取価格に影響する要因として、外装の状態、エンジンの調子、消耗品の交換履歴などが挙げられます。定期的なメンテナンスを行い、記録を残しておくことで査定時の評価向上につながります。また、23Lのラゲッジボックスなど、NC750X特有の機能が正常に動作することも査定における重要なポイントとなります。

正確な買取相場を知りたい場合は、複数の買取専門店で査定を受けることをおすすめします。業者によって査定基準が異なるため、比較検討が重要です。

総括:NC750Xが不人気と噂される理由と実際の評価を徹底検証

  • 不人気説は一部の声に過ぎず実際のオーナー満足度は4.19点と高い
  • 58馬力は数値以上に実用的で日常使用には十分なパワー
  • 燃費性能は2025年モデルでWMTC26.5km/Lとクラスでも良好な部類
  • シート高800mmは大型バイクとして標準的で多くのレビューで取り回しやすいと評価
  • ロングツーリングでの快適性は多くのオーナーが高評価
  • 高速道路での追い越し性能は日本の法定速度域で実用上問題なし
  • DCT仕様は世界初の技術でAT限定大型二輪免許でも運転可能
  • 2025年モデルはφ296mmダブルディスク化など大幅進化
  • 5.0インチフルカラーTFTとHonda RoadSync対応で利便性向上
  • カスタムベースとしても優秀で純正・社外品とも豊富
  • ライバル車と比較してコストパフォーマンスが優秀
  • NC750Lは教習所専用モデルで37PS出力に制限
  • 買取相場は年式や状態により変動するため複数業者での査定推奨
  • DURABIO採用など環境配慮も進歩している
  • 実用性重視なら間違いなく選択肢に入る優秀なバイク
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