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ZXR400の最高速について詳しく知りたいと考えている方は多いのではないでしょうか。1989年に登場したこのレーサーレプリカは、400ccクラスでありながら驚異的な性能を秘めており、現在でも多くのライダーを魅了し続けています。
ZXR400の最高速度は一体どこまで到達するのか、そしてその高い性能を支えているエンジンの馬力やスペックにはどのような特徴があるのでしょうか。また、実際の燃費性能や、マフラー交換をはじめとするカスタムによってどの程度性能向上が期待できるのかも気になるところです。
この記事では、ZXR400の基本性能から改造によるポテンシャルアップまで、最高速に関するあらゆる疑問にお答えします。ノーマル状態での制限から解放された時の真の実力、そして30年以上前の設計でありながら現代でも通用する驚異的な性能の秘密を詳しく解説していきます。
中古車選びの注意点や維持管理のポイントについても触れているので、ZXR400の購入を検討している方にも参考になる内容となっています。
・ZXR400の最高速度の具体的な数値とリミッター解除による到達可能な速度域
・59馬力エンジンの性能特性と規制前後モデルの違いによる出力差
・マフラー交換やイグナイター改造などカスタムによる性能向上の効果
・中古車購入時の注意点と30年以上前の車両特有の維持管理上の課題
ZXR400の最高速とは?スペック詳細
#街中とかで見かける個人情報
そもそもZXR400がいないから
すぐバレる。
あと音でもバレる pic.twitter.com/fvTeEBu0fN— ハヤテ@信号 (@singouki_rider) February 13, 2024
- ZXR400の最高速度は?実際の数値
- ZXR400の馬力とエンジン性能
- 燃費は?実用データと航続距離
- ZXR400の発売日と歴史
- スペック一覧と基本情報
ZXR400の最高速度は?実際の数値
ZXR400の最高速度は、リミッター解除済みの車両で210〜225km/hと個体差があります。ただし、ノーマル状態では180km/hでリミッターが作動するため、実際にこの数値を体験するには改造が必要です。
この最高速度が実現できる理由は、ZXR400が400ccクラスでは極めて高出力なエンジンを搭載しているためです。規制前モデルでは59PS(1PS=0.986hp)を発揮し、軽量な車体と相まって優れた加速性能を実現しています。海外のテストでは、GPS実測211km/hを記録した例もあり、400ccクラスとしては異例の性能を誇ります。
具体的な数値として、ある調査では以下のような記録が確認されています。リミッター解除済みの規制前モデル(1989-1992年式)では、サーキットでのメーター読み最高速が210-225km/h、GPS実測値では200-210km/h程度となっています。一方、規制後モデル(1993年以降)では53PSに出力が制限されているため、最高速度も若干低下し、リミッター解除済みでも200km/h前後が限界となります。
ZXR400の馬力とエンジン性能

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ZXR400の馬力は、製造年式によって大きく異なります。規制前モデル(1989-1992年)では59PS/12,000rpm、規制後モデル(1993年以降)では53PS/12,000rpmとなっています。この出力は、現在の400ccクラスと比較しても非常に高い数値です。
この高出力を実現している理由は、ZXR400が採用している高回転型エンジンの設計にあります。398ccの水冷4ストローク並列4気筒エンジンは、57mm×39mmというショートストローク設計により、12,000rpmという高回転まで安全に回すことができます。最大トルクは規制前で4.0kg-m/10,000rpm、規制後で3.6kg-m/10,000rpmを発揮し、高回転域でのパワー感が特徴的です。
エンジン性能の具体例として、圧縮比は規制前モデルで12.1:1という高い数値を実現しています。これにより、ハイオクガソリンの使用が前提となりますが、優れた燃焼効率を得ています。また、K-CAS(カワサキクールエアシステム)と呼ばれる独自の吸気システムを採用し、エンジンの冷却効果を高めながら吸気効率を向上させています。
ただし、このエンジン性能にはデメリットも存在します。高回転型の設計により、低速域でのトルクが細く、街乗りでは扱いにくさを感じる場合があります。また、高圧縮比エンジンのため、レギュラーガソリンでは正常な性能を発揮できず、燃料費が高くなる傾向があります。
燃費は?実用データと航続距離
ZXR400の燃費性能は、走行条件によって大きく変動しますが、一般的には15-25km/Lの範囲となります。海外の実測データでは平均19km/L程度という報告もあり、400ccクラスとしては標準的な数値です。
この燃費性能が実現できる理由は、400ccという排気量に対してH型163kg、L型160kgと比較的軽量な車体重量を持つためです。また、キャブレター仕様のエンジンは、適切にセッティングが行われていれば効率的な燃焼を実現できます。燃料タンク容量は16Lのため、街乗りでは約250km、ツーリングでは約320kmの航続距離を期待できます。
具体的な燃費データとして、ある調査では以下のような数値が確認されています。街乗り中心の使用では平均16km/L、ツーリング主体では25km/L前後、サーキット走行などでエンジンを酷使した場合は10km/Lを下回ることもあります。
しかし、実用性の面では注意すべき点があります。まず、レーサーレプリカとしての設計のため、前傾姿勢が強く、長時間の運転では疲労が蓄積しやすくなります。また、シート下の収納スペースは限られており、日常使いには不便を感じる場合があります。
ZXR400の発売日と歴史
#kawasaki乗りは繋げて pic.twitter.com/elVim5Bdgx
— kuribo-zxr400 (@kumagorohjp) April 25, 2025
ZXR400は1989年(平成元年)に発売開始されました。この年はカワサキがレーサーレプリカ市場に本格参入した記念すべき年であり、ZXR750と共にZXRシリーズの礎を築いた重要なモデルです。
ZXR400が誕生した背景には、1980年代後半のレーサーレプリカブームがあります。ホンダ、ヤマハ、スズキが既にレプリカモデルを展開していた中、カワサキは最後発として参入しました。前年の1988年にZX-4を投入していましたが、より戦闘的なレーサーレプリカとしてZXR400を開発し、400ccクラスで初の倒立フォークを採用するなど、技術的な先進性をアピールしました。
モデルの変遷を具体的に見ると、以下のような歴史があります。1989年の初期型(H1)では59PSを発揮し、同時にレース仕様のZXR400Rも設定されました。1990年にはH2型へとマイナーチェンジし、バックトルクリミッター(K-BATL)を新採用しました。1991年には大幅な改良を受けてL1型となり、アルミプレス材のフレームを採用して軽量化を実現しています。1993年からは馬力規制により53PSとなりましたが、国内生産は1999年まで継続されました。なお、海外では在庫車両の登録が2003年まで行われていました。
この長い歴史の中で、ZXR400は数々の功績を残しました。全日本ロードレースのTT-F3クラスでは強力な戦闘力を発揮し、多くのプライベーターに愛用されました。また、400ccクラス最速の呼び声も高く、サーキットでの活躍が市販車の人気にも大きく貢献しています。
スペック一覧と基本情報
ZXR400の基本スペックは、製造年式によって若干の違いがありますが、代表的な1991年モデル(L1型)の諸元を中心に解説します。エンジンは398ccの水冷4ストローク並列4気筒DOHC16バルブで、最高出力59PS/12,000rpm、最大トルク4.0kg-m/10,000rpmを発揮します。
車体寸法については、全長1995mm×全幅710mm×全高1080mm、ホイールベース1385mm、シート高760mmとなっています。乾燥重量はL型160kgと軽量で、これが優れた運動性能の要因となっています。燃料タンク容量は16L、タイヤサイズは前120/60R17・後160/60R17を採用しています。
以下に主要スペックを表形式でまとめます:
項目 | 仕様(L1型・1991年) |
---|---|
エンジン | 水冷4st並列4気筒DOHC |
排気量 | 398cc |
最高出力 | 59PS/12,000rpm |
最大トルク | 4.0kg-m/10,000rpm |
車両重量 | 186kg |
乾燥重量 | 160kg |
全長×全幅×全高 | 1995×710×1080mm |
シート高 | 760mm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機 | 6速リターン |
年式による主な違いとして、1989-1992年の規制前モデルでは最高出力59PS、1993年以降の規制後モデルでは53PSとなります。また、初期型のH1・H2では乾燥重量がH型163kgとやや重く、1991年のフルモデルチェンジで軽量化が図られました。
このスペックから分かる通り、ZXR400は400ccクラスとしては非常に高い性能を持っています。しかし、注意すべき点もあります。高回転型エンジンのため、低速域でのトルクは細く、街乗りでは扱いにくさを感じる場合があります。また、レーサーレプリカ特有の前傾姿勢により、長距離走行では疲労が蓄積しやすくなります。
ZXR400最高速を活かすカスタム術

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- マフラーカスタムによる性能向上
- フロントフォーク改良のポイント
- イグナイター交換の効果
- 中古車選びの注意点
- リミッターカットの方法と注意
- 維持管理と法的注意点
- カスタム共通の留意点
マフラーカスタムによる性能向上
ZXR400のマフラーカスタムは、最高速度の向上と共に音質の変化を楽しめる代表的な改造です。純正マフラーから社外品への交換により、実測3〜5PS程度の出力向上事例が多く報告されています。
マフラー交換が性能向上をもたらす理由は、排気効率の改善にあります。純正マフラーは騒音規制や環境基準を満たすため、排気抵抗が大きく設計されています。一方、社外製のレーシングマフラーは排気抵抗を最小限に抑え、エンジンの持つ本来の性能を引き出すことができます。特にZXR400のような高回転型エンジンでは、排気効率の改善が高回転域でのパワー向上に直結します。
具体的な人気製品として、BEET NASSERT-Rやツキギレーシングのマフラーが多く選ばれています。NASSERT-Rの場合、チタン製エキゾーストパイプとアルミサイレンサーの組み合わせにより、純正比で約3-5kgの軽量化を実現しながら、高回転域での伸びが改善されます。価格は新品で10-15万円程度、中古では2-5万円程度で入手可能です。音質については、7000rpm以上での迫力あるサウンドが特徴的で、サーキット走行では大きな満足感を得られます。
しかし、マフラーカスタムには注意点もあります。まず、レーシング仕様のマフラーは騒音が大きく、住宅街での早朝・深夜の使用は近隣への配慮が必要です。また、排気効率の変化により燃調が変わるため、キャブレターの再セッティングが必要になる場合があります。
フロントフォーク改良のポイント
今日はフロントフォークのOHを2りんかんでお願いして、終了 pic.twitter.com/bBFnrKA5YH
— kuribo-zxr400 (@kumagorohjp) February 23, 2025
ZXR400のフロントフォーク改良は、ハンドリング性能と乗り心地の大幅な向上をもたらします。ZXR400は400ccクラスで初の倒立フォークを採用していますが、30年以上の経過により、オイル漏れやダンパー性能の低下が発生している車両が多く見られます。
フロントフォーク改良が重要な理由は、サスペンションがバイクの運動性能に与える影響の大きさにあります。特にZXR400のような軽量でハイパワーなバイクでは、適切なサスペンションセッティングがコーナリング性能や安定性に直結します。また、倒立フォークは構造上、オイル漏れが発生するとブレーキ性能にも悪影響を与えるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。
具体的な改良方法として、まずオーバーホールが基本となります。オイルシールやダストシールの交換、フォークオイルの全量交換により、新車時の性能を回復できます。作業には特殊工具が必要で、専門店での施工が推奨されます。費用は両側で3-5万円程度です。さらなる性能向上を求める場合は、カートリッジキットの導入や、別車種のフロントフォーク流用という選択肢もあります。ZRX1100/1200のフォーク流用では、6ポットキャリパーとの組み合わせにより、大幅な制動力向上が期待できます。
ただし、フロントフォーク改良には技術的な課題もあります。オーバーホールには専門知識と特殊工具が必要で、DIYでの作業は非常に困難です。また、別車種からの流用では、ディスクローター径やキャリパーマウントの違いにより、追加の加工や部品調達が必要になる場合があります。
イグナイター交換の効果
ZXR400のイグナイター交換は、エンジンレスポンスの向上と高回転域での性能アップを実現できる重要なカスタムです。特に規制前の初期型イグナイターへの交換により、レブリミットが12,000rpmから15,200rpm程度まで上昇し、最高速度の向上が期待できます。
イグナイター交換が効果を発揮する理由は、点火タイミングの最適化とレブリミットの変更にあります。ノーマルのイグナイターは安全マージンを多く取った設定になっているため、エンジンの潜在能力を十分に引き出せていません。社外品や規制前のイグナイターに交換することで、より攻撃的な点火マップが適用され、特に高回転域でのパワー感が向上します。また、14,000rpm以上の超高回転域でも安定した点火が可能になり、ZXR400本来の性能を体感できます。
具体的な交換パターンとして、最も効果的なのは規制前H1型のイグナイターへの交換です。この場合、中低速域のトルクは若干細くなるものの、高回転域での伸びが大幅に改善されます。ある調査では、14,000rpm以上でも力強い加速が持続し、最高速度で10-20km/hの向上が確認されています。価格は中古市場で3-8万円程度と高額ですが、ZXR400の性能を最大限に引き出したい場合は投資価値があります。
しかし、イグナイター交換には注意すべき点もあります。まず、年式による配線の違いにより、変換ハーネスの製作が必要になる場合があります。電気系統の知識がない状態での作業は、車両の損傷や火災の危険性もあります。また、高回転域を多用することでエンジンへの負担が増大し、耐久性が低下する可能性があります。
中古車選びの注意点

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ZXR400の中古車選びでは、国内生産終了から20年以上が経過した車両であることを踏まえた慎重な判断が必要です。価格相場は状態により大きく異なり、走行可能な車両で50-200万円、レストアベース車両では20-50万円程度となっています。
中古車選びで最も重要なポイントは、前オーナーのメンテナンス履歴です。ZXR400は高性能なレーサーレプリカのため、適切な維持管理が行われていない車両では、エンジンや電装系に深刻な問題を抱えている可能性があります。特にキャブレター車は、長期間放置されるとオーバーフロー等の不具合が発生しやすく、修理費用が車両価格を上回るケースも珍しくありません。購入前には、エンジンの始動性、アイドリングの安定性、各気筒の燃焼状況を必ず確認する必要があります。
具体的なチェックポイントとして、以下の項目が重要になります。エンジン関連では、プラグの焼け色、エキゾーストパイプの温度差、オイル漏れの有無を確認します。電装系では、イグナイター、レギュレーター、ジェネレーターの動作状況をチェックし、特に充電系統の不具合は高額修理につながります。足回りでは、倒立フォークのオイル漏れ、リアサスペンションの動作、ブレーキの効き具合を入念に点検します。外装では、純正部品の欠品状況を確認し、特にK-CASダクトやカウル類の損傷は修理費用が高額になる傾向があります。
中古車購入時の注意点として、部品供給の問題があります。前述の通り、消耗品の一部はメーカーからの供給が終了しています。特に電装部品や特殊な樹脂部品は入手困難で、故障時には中古部品に頼らざるを得ません。また、専門知識を持つ整備工場も限られているため、購入後のメンテナンス体制も事前に確保しておく必要があります。
リミッターカットの方法と注意
ZXR400のリミッターカットは、180km/hに設定された速度制限を解除し、車両本来の最高速度性能を引き出すための改造です。主な方法として、イグナイター交換、リミッターカット装置の取り付け、メーター配線の加工などがあります。
リミッターカットが可能な理由は、ZXR400の速度制限がメーター信号を基準にした電子制御によるものだからです。ノーマル状態では、メーター読みで180km/h(GPS実測約179km/h)に達すると点火カットが作動し、それ以上の加速ができなくなります。この制限を解除することで、エンジンの出力上限まで加速を継続でき、リミッターカット済み車両では210〜225km/hまで到達可能になります。
具体的なリミッターカット方法として、最も確実なのは規制前イグナイターへの交換です。1989-1992年の初期型H1・H2・L1・L2用イグナイターは、リミッターが設定されていないか、より高い回転数に設定されています。価格は3-8万円程度で、配線加工が必要な場合もあります。より簡単な方法として、メーター信号線に取り付けるリミッターカット装置もありますが、効果の確実性や耐久性に課題があります。また、一部の車両では、メーター内部の改造によりリミッターを解除することも可能ですが、高度な技術が必要です。
ただし、リミッターカットには重大な注意点があります。まず、公道でのリミッターカット装置の使用は道路運送車両法に抵触する可能性があり、車検に通らない場合があります。また、180km/h以上の速度は日本の公道では使用できない領域であり、サーキットなどの限定された環境でのみ意味を持ちます。技術的な面では、リミッター解除により高回転域を多用することで、エンジンへの負担が増大し、故障リスクが高まります。
維持管理と法的注意点
バイクを新車で買ったのは人生で3回。
その1台目がコレ、ZXR400。
実は倒立フォークの市販車初採用なんです。
180でしっかりリミッター効いて白バイに捕獲。
発売当初で珍しかったのか、色々質問されて話に付き合ってたら点数をかなりまけてもらった思い出があります☺️ pic.twitter.com/ubENvDSrbx— 山根和俊「黄金バット」発売中 (@iseshima_attack) June 6, 2023
ZXR400の維持管理には、30年以上前の車両特有の課題があります。メーカーによる部品供給が終了している項目が多く、消耗品の入手には中古部品やアフターマーケット品に頼らざるを得ない状況です。
部品調達の具体的な問題として、電装部品の供給停止が挙げられます。イグナイター、レギュレーター、CDIユニットなどの重要部品は新品での入手が困難で、故障時には中古品を探すか、互換品での代用を検討する必要があります。また、外装部品についても、K-CASダクトやカウル類の破損時には、同様の問題が発生します。樹脂部品の劣化も避けられない問題で、紫外線や経年変化により、タンクやカウルの割れが発生しやすくなっています。
専門整備工場の必要性も重要なポイントです。キャブレター車特有の調整技術や、倒立フォークのオーバーホール技術を持つ整備士は限られています。現代の燃料噴射車に慣れた整備士では対応が困難な場合もあり、ZXR400の特性を理解した専門店での整備が推奨されます。
法的な注意点として、公道での高速走行には厳格な制限があります。180km/h以上の速度は、日本の高速道路の制限速度を大幅に超過するため、サーキットなどの専用施設でのみ使用可能です。また、リミッターカットや大幅な改造は車検に通らない可能性があり、公道使用時には注意が必要です。騒音規制についても、レーシングマフラーの使用は近隣住民への配慮が求められます。
カスタム共通の留意点

Ride Style・イメージ
ZXR400のカスタムを行う際には、いくつかの共通する留意点があります。最も重要なのは、キャブレター車特有の燃調セッティングの必要性です。
キャブレター再セッティングの必要性について、マフラー交換、エアクリーナー変更、イグナイター交換など、吸排気系統に関わるカスタムを行った場合、必ずキャブレターの調整が必要になります。ZXR400はダウンドラフト型キャブレターを採用しているため、セッティングが不適切だとオーバーフローによるガソリン漏れや、エンジンの不調が発生します。メインジェット、スロージェット、ジェットニードルの番手変更により、適切な燃調を実現する必要があります。
車検対応の確認事項として、カスタム部品の選択時には車検適合性を事前に確認することが重要です。マフラーについてはJMCA認定品を選択し、騒音レベルが基準値内に収まることを確認します。また、灯火類の改造や、フレーム・サスペンション系統の大幅な変更は、構造変更手続きが必要になる場合があります。ナンバープレートの取り付け位置や角度についても、法的基準を満たす必要があります。
安全性への配慮について、30年以上前の設計であるZXR400は、現代の安全基準を満たしていない部分があります。ABS等の安全装備がないため、高性能化したブレーキシステムでも、ライダーの技術に依存する部分が大きくなります。また、タイヤの選択肢も限られているため、グリップ性能や耐久性を慎重に検討する必要があります。高回転域を多用するカスタムでは、エンジンオイルの管理も重要で、定期的な交換と適切な粘度選択が求められます。
カスタム費用の管理も重要な留意点です。ZXR400の中古車価格を考慮すると、カスタム費用が車両価格を上回るケースも珍しくありません。投資対効果を慎重に検討し、段階的なカスタムプランを立てることが推奨されます。また、将来の売却を考慮する場合、あまりに特殊なカスタムは査定価格の低下につながる可能性もあります。
総括:ZXR400の最高速性能を検証!カスタム効果も徹底的に解説
この記事をまとめると、
・ZXR400の最高速度はリミッター解除済みで210〜225km/hと個体差がある
・ノーマル状態では180km/hでリミッターが作動し、それ以上は加速できない
・規制前モデル(1989-1992年)は59PS、規制後モデル(1993年以降)は53PSを発揮
・398ccの水冷4ストローク並列4気筒エンジンで57mm×39mmのショートストローク設計
・高回転型エンジンで12,000rpmまで安全に回転可能
・燃費は走行条件により15-25km/Lの範囲で、航続距離は250-320km程度
・1989年に発売開始され、国内生産は1999年まで継続された
・400ccクラス初の倒立フォークを採用した先進的な車体設計
・車両重量はH型163kg、L型160kgと軽量で優れた運動性能を実現
・マフラー交換により実測3〜5PS程度の出力向上が期待できる
・規制前イグナイターへの交換でレブリミットが15,200rpm程度まで上昇
・フロントフォークのオーバーホールには特殊工具と専門知識が必要
・中古車価格は走行可能車両で50-200万円、レストアベース車両で20-50万円
・部品供給が終了している項目が多く、中古部品に頼らざるを得ない状況
・リミッターカットは公道では違法の可能性があり、サーキット専用として考慮すべき