
出典:Kawasaki公式
カワサキ Z650RSについて、一部で不人気だという話を耳にすることがあります。デザインがダサい、スペックが中途半端、あるいは売れないバイクだ、といった声も聞かれますが、実際のところはどうなのでしょうか。
この記事では、Z650RSが不人気と言われる背景にある理由を探りつつ、実際のオーナーによる口コミや詳しいスペック情報、デザイン評価などを交えながら、その真の魅力と評価について詳しく解説していきます。購入を検討されている方の疑問や不安を解消する一助となれば幸いです。
- Z650RSが「不人気」と言われる背景にある複数の理由
- デザインやスペックに対する様々な評価とその根拠
- 実際のオーナー口コミからわかるZ650RSのリアルな評価
- Z650RSが自身にとって価値ある選択肢か見極める視点
Z650RSが不人気と言われるのはなぜ?
Z650RS乗りた〜い pic.twitter.com/0Qb65xCBQ0
— masaoon@ひまわり会 (@masaoon) February 15, 2025
- デザインはダサい?評価の真相
- スペックは中途半端との声も
- 最高速は物足りない?パワー感を解説
- Z900RSとの比較が不人気の原因?
- 本当に売れない?販売状況を確認
デザインはダサい?評価の真相
Z650RSのデザインについて「ダサい」という声が一部で聞かれますが、これは個人の好みや見る角度による部分が大きく、一概に断定できるものではありません。評価が分かれる背景を詳しく見ていきましょう。
好みが分かれるレトロモダンデザイン
Z650RSは、兄貴分であるZ900RSと同じく、往年のZシリーズをオマージュしたレトロなスタイルを特徴としています。丸目一灯ヘッドライトや砲弾型メーター、ティアドロップ形状の燃料タンクなどが、その雰囲気を醸し出しています。 しかし、一部のライダーからは、エンジン周りのデザインやスイングアーム形状、採用されている正立フロントフォークなどが現代的すぎると感じられ、レトロな外装との組み合わせにチグハグさを覚えるという意見があります。特に伝統的なスタイルを重視する層からは「カワサキらしくない」といった声も聞かれます。 一方で、このレトロとモダンが融合したデザインこそがZ650RSの個性であり、新しいネオクラシックの形として魅力的だと肯定的に評価する声も少なくありません。
Z900RSとの比較による評価
デザイン評価において、大ヒットモデルであるZ900RSとの比較は避けられません。Z900RSが倒立フロントフォークや細部まで作り込まれたパーツを採用しているのに対し、Z650RSは正立フォークを採用するなど、コストを抑えた部分も見受けられます。これを比較して「安っぽい」「質感が劣る」と感じる人もいます。 ただ、これは車両価格の違いを考えれば当然とも言えます。Z650RS専用にデザインされたコンパクトなテールカウルや、特徴的な形状のスイングアームなどは、Z900RSとは異なる軽快さを演出しており、このデザインを好むライダーもいます。
コンセプトやネーミングへの意見
デザインの元ネタとされることが多い「Z650(ザッパー)」が4気筒エンジンだった歴史的背景から、並列2気筒エンジンを搭載するZ650RSというネーミングやコンセプト自体に疑問を持つ意見もあります。「RS(ロードスター)」を名乗るなら4気筒であるべき、あるいは2気筒なら別の名称が良かったのでは、という声です。
デザイン評価の注意点
繰り返しますが、バイクのデザインに対する評価は非常に主観的なものです。インターネット上の意見や評判だけで判断するのではなく、ぜひ実車を見て、ご自身の感性に合うかどうかを確認することをおすすめします。特にZ900RSと比較するだけでなく、Z650RS単体の持つデザイン性や雰囲気を評価することが大切です。
スペックは中途半端との声も

Ride Style・イメージ
Z650RSのスペックに関して「中途半端」という評価を耳にすることがあります。これもまた、どのような視点からスペックを見るかによって意見が分かれる点です。具体的にどのような点がそう言われるのか、そして実際の性能について解説します。
650cc並列2気筒エンジンへの評価
Z650RSが搭載する649cc水冷並列2気筒エンジンは、最高出力50kW(68PS)/8,000rpm、最大トルク63N・m(6.4kgf・m)/6,700rpmを発揮します。この数値は、大型バイク全体で見ると、特に最高出力においては控えめと言えます。 そのため、リッタークラスの圧倒的なパワーや、4気筒エンジンの高回転域での伸びを期待するライダーにとっては、物足りなさを感じ、「パワーが中途半端」と評価されることがあります。特に高速道路での追い越し加速シーンなどで、もう少しパワーが欲しいと感じる場面があるかもしれません。 しかし、このエンジン特性はデメリットばかりではありません。低中回転域からトルクがしっかりと発生するため、非常に扱いやすいのが特徴です。発進時や街中での走行、ワインディングでの立ち上がりなどで力強さを感じやすく、ライダーの意のままに操れる楽しさがあります。「必要十分なパワー」「ライダーフレンドリー」といった肯定的な評価も多いのです。
排気量クラスの位置づけ
日本のバイク市場においては、「大型バイク=リッタークラス(1000cc前後)」というイメージを持つ人も少なくありません。その中で650ccという排気量は、大型免許が必要でありながら、リッタークラスほどの余裕あるパワーはありません。一方で、400ccクラスから乗り換えるライダーにとっては、十分すぎるほどのパワーと性能を持っています。 このように、どのクラスと比較するか、ライダーの経験値によって「中途半端」に感じられることがあるようです。ちなみに欧州市場では、免許制度の関係もあり650ccクラスは一般的なカテゴリーとして確立されています。
装備面の評価(Z900RS比較)
装備面で「中途半端」と言われる要因の一つに、フロントフォークの違いがあります。兄貴分のZ900RSがスポーティな倒立フォークを採用しているのに対して、Z650RSはオーソドックスな正立フォークを採用しています。路面追従性などの性能面では倒立フォークに分があるため、スペックダウンと捉える意見があります。 ただし、正立フォークには構造がシンプルで整備性に優れる、コストを抑えられるといったメリットもあります。また、Z650RSのレトロなスタイルには正立フォークの方が似合っているという見方もできます。加えて、2024年モデルからはカワサキトラクションコントロール(KTRC)が標準装備となり、電子制御面での充実が図られています。
「中途半端」評価への視点
スペックの評価は、ライダーがバイクに何を求めるかによって大きく変わってきます。絶対的な最高速や最先端の装備を最優先するのであれば、Z650RSは物足りなく感じるかもしれません。 しかし、日常での扱いやすさ、軽量な車体(188kg)がもたらす軽快なハンドリング、良好な燃費性能(WMTCモード値23.6km/L)、そして手の届きやすい価格といった実用性やバランスを重視する場合、Z650RSのスペックは決して中途半端ではなく、「ちょうど良い」と感じられる可能性が高いと言えるでしょう。
最高速は物足りない?パワー感を解説
Z650RSの試乗した。68馬力だとTZMの4.5倍の馬力でTZMが最高速90km出るならZ650の最高速は400km出るという計算になる。だからちょっと恐かったけどアクセル全開にしても目がついていく加速で回して乗るのが楽しかったです。ブレーキはよく効くけどフォークが柔らかくて沈み込みが大きいのが気になった。 pic.twitter.com/FrpvlhFF2O
— †ねこビール† (@m1steelhelmet) October 14, 2024
Z650RSの最高速性能について、「物足りないのでは?」という疑問を持つ方がいらっしゃるかもしれません。この点は、ライダーがバイクに何を求めるかによって評価が分かれる部分です。実際のパワー感について詳しく解説します。
最高速の目安と実用性
まず、Z650RSの最高速度はメーカーから公式には発表されていません。しかし、搭載されているエンジン(最高出力68PS)や、ベースとなったZ650、同クラスの競合車種などから推測すると、おおむね200km/h前後に達すると考えられます。これは、日本の高速道路における法定速度(通常100km/h、一部区間120km/h)を大きく上回る数値であり、公道走行において最高速そのものが問題になることはまずありません。 日常的な走行やツーリングで重要になるのは、最高速性能そのものよりも、むしろ常用する速度域での加速力や扱いやすさです。例えば、高速道路での合流や追い越し、坂道を登る際などに十分なパワーを感じられるかがポイントになります。
68PS/63N・mエンジンのフィーリング
Z650RSの並列2気筒エンジンは、最高出力こそ68PSと控えめですが、最大トルクを6,700rpmという比較的低い回転数で発生させる特性を持っています。このため、スロットルを開け始めた低回転域から力強さを感じやすく、街中でのストップ&ゴーや、信号からの発進加速は非常にスムーズです。 また、ワインディングロードなどカーブが続く場面でも、粘り強いトルクのおかげでギクシャクしにくく、扱いやすいと感じるでしょう。これが、初心者やリターンライダーにも優しいと言われる理由の一つです。 高速道路での100km/h巡航も余裕をもってこなすことができます。ただ、そこからの再加速や、より速い速度域での追い越しといった場面では、リッタークラスのバイクのような暴力的な加速感はありません。この点を「物足りない」と感じる可能性はあります。
パワーは「必要十分」か「不足」か
結局のところ、Z650RSのパワー感が「必要十分」なのか「不足」しているのかは、ライダーの経験や使い方、求めるもの次第と言えます。 大型バイク初心者の方や、主に街乗りや日帰りツーリングでバイクを楽しみたい方、過剰なパワーよりも扱いやすさや軽快感を重視する方にとっては、Z650RSのパワーは「必要十分」であり、むしろ安心して楽しめる「ちょうど良い」パワー感と感じられるでしょう。 一方で、サーキット走行を楽しんだり、常に余裕のあるパワーで高速道路を疾走したいと考えている経験豊富なライダーにとっては、もう少しパワーが欲しい、つまり「物足りない」と感じるかもしれません。購入を検討する際は、ぜひ試乗してご自身の感覚でパワー感を確認することをおすすめします。
Z900RSとの比較が不人気の原因?

Ride Style・イメージ
Z650RSが「不人気」あるいは「Z900RSほど売れていない」と言われる背景には、間違いなく兄貴分であるZ900RSの存在が大きく影響しています。その理由を掘り下げてみましょう。
圧倒的な人気を誇るZ900RS
Z900RSは、2017年の登場以来、日本の大型バイク市場でトップクラスの人気を維持し続けている大ヒットモデルです。往年の名車Z1/Z2を彷彿とさせる美しいスタイリングと、現代的な走行性能を見事に両立させ、多くのライダーの心を掴みました。 これほどまでに強力で魅力的なモデルが同じカワサキのラインナップに存在することは、後から登場した弟分のZ650RSにとっては、比較対象として常に意識され、その影に隠れてしまいやすい状況を生んでいます。
装備・質感・エンジン形式の違い
両車を比較すると、いくつかの明確な違いがあります。 まず装備面では、Z900RSが倒立フロントフォークやラジアルマウントブレーキキャリパー(フロント)などを採用しているのに対し、Z650RSは正立フォークやアキシャルマウントキャリパーを採用しています。これにより、見た目のスポーティさや、限界走行時の性能においてZ900RSに分があると感じる人がいます。 また、タンクキャップやメーター周り、各部パーツの仕上げなど、全体的な質感や高級感についても、価格が高い分Z900RSの方が上質であるという評価が一般的です。 そして最も大きな違いがエンジン形式です。Z900RSがカワサキ伝統の並列4気筒エンジンを搭載しているのに対し、Z650RSは並列2気筒エンジンです。特に日本では4気筒エンジンに対する憧れや信仰が根強く、スムーズな回転フィールや独特のサウンドを求める層にとっては、2気筒のZ650RSは選択肢に入りにくい傾向があります。
価格差と価値観
Z650RSとZ900RS(標準モデル)の間には、約40万円の価格差が存在します(2025年モデル時点)。Z650RSの方が手に入れやすい価格設定ですが、「どうせ大型バイクに乗るなら、もう少し予算を足してでも満足度の高いZ900RSを選びたい」と考えるライダーが多いことも事実です。カワサキプラザの店頭で、当初Z650RSを検討していた顧客にZ900RSを勧める、といった話も聞かれます。 もちろん、価格差だけでなく、Z650RSの持つ軽量さ(Z900RSより約30kg軽い)や扱いやすさ、足つき性の良さ、レギュラーガソリン仕様である点などに価値を見出し、積極的にZ650RSを選ぶライダーもいます。
「比較」がもたらすイメージ
このように、常に大人気のZ900RSと比較されることで、Z650RSには「Z900RSの廉価版」「弟分」「装備が劣る」といったイメージがつきまといやすくなっています。これが、「不人気」という印象を助長している側面は否定できません。しかし、本来はそれぞれ異なる魅力とターゲットを持つ独立したモデルとして評価されるべきでしょう。
本当に売れない?販売状況を確認
Z650RSはカラーリング等、ザッパー模倣だが、W800みたいなフレームで復刻できないのだろうか?やはり古臭いの作っても売れないから?
そして、RSの意味は現代ではレトロスポーツだからね…。 pic.twitter.com/nJIyeTCOAI— とうげ (@tohge_650RSW3) March 6, 2023
Z650RSについて「売れていない」「不人気だ」という話を耳にすることがありますが、実際の販売状況を見ると、一概にそうとは言えない側面も見えてきます。
販売台数データの注意点
特定の期間、例えば発売直後の短期間のデータだけを見て「売れていない」と結論づけるのは注意が必要です。バイクの販売台数は、モデルイヤーの人気やカラーリング、生産状況、さらには季節によっても変動します。 また、前述の通り、兄貴分であるZ900RSの販売台数が突出して多いため、それと比較するとZ650RSの数字が少なく見えてしまう、という可能性も考慮する必要があります。Z650RSが極端に売れていないというよりは、Z900RSが売れすぎているだけ、という見方もできます。
「買えない」「納期が長い」という声
むしろ市場では、Z650RSを購入したくても「予約がなかなか取れない」「注文しても納期が数ヶ月先、あるいは未定」といった声が多く聞かれます。特に、2022年に発売されたZシリーズ50周年記念モデル(火の玉カラー)は、予約開始日に多くの希望者が販売店に詰めかけ、抽選販売になるほどの人気ぶりでした。 この状況は、単に人気がないのではなく、世界的な半導体不足やコロナ禍以降のサプライチェーンの混乱などにより、需要に対して生産・供給が追いついていないことを示唆しています。つまり、「売れていない」のではなく「売りたくても売るタマがない」状態が発生している可能性があるわけです。
中古車市場での価格動向
一般的に、不人気な車種は中古車市場での価格が大きく下落する傾向にあります。しかし、Z650RSの中古車価格を調べてみると、年式や状態にもよりますが、比較的高値を維持しているケースが見られます。新車価格に近い価格で取引されている個体も少なくありません。これも、中古市場においても一定以上の需要があることの表れと言えるでしょう。
人気の捉え方
これらの状況を総合すると、Z650RSはZ900RSのような社会現象的なヒットモデルではないかもしれませんが、決して「売れていない不人気車」ではありません。軽量で扱いやすく、スタイリッシュなネオクラシックモデルとして、大型バイク初心者、女性ライダー、気軽さを求めるベテランライダーといった層から、根強い支持を集めていると考えられます。 実際にオーナーとなった人たちの満足度が高いという声も多く聞かれます。「不人気」というよりも、特定のニーズに応える「確かな人気を持つモデル」と評価するのが、より実態に近いのではないでしょうか。
Z650RSは不人気?魅力と評価を検証

Ride Style・イメージ
- 口コミに見る実際の評価とは?
- 燃費性能は優秀!経済性をチェック
- 足つき良好?乗りやすさのポイント
- 軽量さがもたらすメリットとは?
- カスタムパーツで個性的に楽しめる?
- Z650RSを選ぶ価値はあるのか?
口コミに見る実際の評価とは?
Z650RSが市場でどのように受け止められているかを知る上で、実際に所有しているオーナーや試乗したライダーの口コミは非常に参考になります。ここでは、インターネット上などで見られるZ650RSの評価について、良い点と気になる点をまとめてご紹介します。
高く評価されるポイント
口コミで特に多く見られる肯定的な意見は、以下の点に集約される傾向があります。
- 軽さと取り回しの良さ: 「大型バイクとは思えないほど軽い」「400ccクラスのような感覚で扱える」といった声が圧倒的に多いです。車両重量188kgという軽さは、駐輪場での押し引きやUターン、渋滞時の低速走行などで大きなメリットとなり、初心者や女性ライダー、体力に自信のない方からも高く評価されています。
- 扱いやすいエンジン特性: 低中速域でトルクがしっかり出るエンジンは、「街乗りがとても楽」「ギクシャクせずスムーズ」と好評です。過敏すぎないスロットルレスポンスも相まって、気負わずに普段着感覚で乗れる点が魅力と感じられています。
- 足つき性の良さ: シート高は800mmと標準的ですが、シート前方がスリムに設計されているため、実際の足つきは数値以上に良好です。「身長165cm前後でも不安なく乗れる」といった声もあり、停車時の安心感につながっています。
- デザイン: 「ダサい」という意見も一部ある一方で、「レトロな雰囲気がカッコいい」「Zらしいスタイルが好き」「火の玉カラーが最高」など、デザインを気に入って購入したという声が非常に多いです。特にZ900RSとは異なるコンパクトで軽快なスタイリングを好む人もいます。
- 燃費性能: 経済性の高さも満足度を高める要因の一つです。大型バイクとしては優れた燃費性能は、維持費を気にするライダーにとって大きなメリットとなっています(詳細は次の見出しで解説します)。
不満点・改善を望む声
もちろん、良い点ばかりではありません。以下のような不満点や改善を望む声も挙がっています。
- パワー不足感: 特に高速道路での追い越し加速や、よりスポーティな走りを求める場面で、「もう少しパワーが欲しい」と感じる意見が一定数あります。Z900RSや他のハイパワーモデルと比較すると、物足りなさを感じるようです。
- 積載能力の低さ: リアシート周りがコンパクトなデザインのため、荷物を積むスペースが限られています。キャンプツーリングなど多くの荷物を積みたい場合は、キャリアやサイドバッグの装着など工夫が必要になります。
- 燃料タンク容量: 12Lというタンク容量について、「もう少し大きいと嬉しい」という声があります。燃費が良いので航続距離に極端な不満は出にくいものの、長距離ツーリングでは給油タイミングがやや早まる可能性があります。
- サスペンションの硬さ: 路面の悪い場所を走行した際に、リアサスペンションからの突き上げがやや硬く感じられる、跳ねるような挙動がある、といった指摘も見られます。
- 細部の質感: スイッチボックスや一部パーツの質感について、価格相応、あるいはZ900RSと比較すると見劣りすると感じる意見もあります。
口コミの傾向まとめ
全体としてZ650RSの口コミを見ると、「気負わず付き合える、フレンドリーで楽しいバイク」として多くのオーナーに愛されている様子がうかがえます。絶対的な速さや豪華さよりも、日常的な扱いやすさや軽快な走り、スタイル、経済性といったバランスの良さが評価されているようです。挙げられている不満点も、このバイクのキャラクターや価格を考慮すれば納得できる範囲、あるいはカスタムで解消できるものと捉えられていることが多い印象です。
燃費性能は優秀!経済性をチェック
Z650RSを満タン法で燃費計算してみたら、下道6高速4の割合で約23.5km/lでした( ̄▽ ̄)
ほぼカタログスペック通りの数値
走り込んだらもう少し伸びると良いなぁ(笑) pic.twitter.com/mty42Q60Jq— 星記 (@Seiki_R60) January 2, 2023
バイク選びにおいて、走行性能やデザインと並んで気になるのが経済性、特に燃費性能ではないでしょうか。Z650RSは、大型バイククラスにおいて非常に優秀な燃費性能を誇っており、維持費を抑えたいライダーにとって大きな魅力となっています。
カタログ値と実燃費の目安
まず、メーカーが公表しているカタログ燃費を見てみましょう。Z650RSの燃費は以下の通りです。
- 国土交通省届出値(定地燃費値):32.0km/L (60km/h走行時・2名乗車)
- WMTCモード値:23.6km/L (クラス3-2・1名乗車時)
定地燃費値は一定速度で走行した場合の理想的な数値であり、実際の走行とは乖離があります。一方、WMTCモード値は、市街地、郊外、高速道路といった様々な走行パターンを想定した国際基準の測定方法で算出されており、より実燃費に近い数値として参考になります。 実際のオーナーからの報告やレビューを見ると、乗り方や走行環境によって変動しますが、
- 街乗り中心の場合:約20km/L~23km/L
- ツーリングなど郊外走行の場合:約25km/L~30km/L
といった実燃費を記録することが多いようです。特にツーリングでは、意識してエコな運転を心がければ30km/Lを超えることも珍しくありません。650ccクラスの大型バイクとしては、非常に優れた燃費性能と言えます。
燃費が良いメリット
Z650RSの優れた燃費性能は、ライダーにいくつかのメリットをもたらします。
- 燃料費の節約: 最も直接的なメリットは、ガソリン代を節約できることです。バイクに乗る頻度が高いほど、また走行距離が長いほど、この恩恵は大きくなります。さらにZ650RSは使用燃料がレギュラーガソリン指定である点もポイントです。兄貴分のZ900RSはハイオクガソリン指定なので、燃料単価の差も維持費に影響します。
- 航続距離の確保: 燃料タンク容量は12Lと、大型バイクとしてはややコンパクトです。しかし、燃費が良いおかげで、満タンからの航続距離は十分に確保されています。例えば、WMTCモード値で計算すると、12L × 23.6km/L = 約283kmとなります。ツーリングなどではさらに燃費が伸びる傾向にあるため、無給油で250km~300km程度の走行が可能です。
- 給油頻度の削減: 一度の給油で走れる距離が長いということは、給油のためにツーリングを中断する回数が減ることを意味します。特にガソリンスタンドが少ない地域を走る際には、精神的な安心感にも繋がります。
他のバイクとの比較
一般的にバイクは、排気量が大きくなったり、気筒数が増えたりすると燃費が悪化する傾向にあります。Z650RSの燃費は、同じ650ccクラスの並列2気筒エンジンを搭載するヤマハ MT-07やスズキ SV650といったライバル車種と比較しても遜色のないレベルです。 一方で、4気筒エンジンを搭載するモデルや、1000ccを超えるリッタークラスのバイクと比較すると、明らかに燃費面で優位性があります。ランニングコストを抑えつつ大型バイクを楽しみたいと考えるライダーにとって、Z650RSの経済性は非常に魅力的な要素と言えるでしょう。
足つき良好?乗りやすさのポイント

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大型バイクを選ぶ際に、特に初心者の方や小柄な方が気になるポイントの一つが「足つき性」ではないでしょうか。Z650RSは、カタログスペック以上に足つき性が良好であり、これが乗りやすさ、扱いやすさに直結する大きな魅力となっています。
シート高800mmと実際の足つき
Z650RSのシート高は800mmと公表されています。この数値だけを見ると、大型バイクとしては平均的な高さであり、「すごく低い」というわけではありません。そのため、身長によっては少し不安を感じる方もいるかもしれません。 しかし、実際にZ650RSに跨ってみると、多くの方が「思ったよりも足つきが良い」と感じるはずです。その理由は、シート前方の形状にあります。燃料タンクとの境目あたりからシート先端にかけて、幅がかなりスリムに絞り込まれているのです。これにより、足を下ろした際に内もも部分への圧迫が少なく、スムーズに足を真っ直ぐ地面へと伸ばすことができます。 結果として、身長165cm前後の方であれば両足のつま先がしっかりと地面に着いたり、片足であればかかと近くまで接地できるという声が多く聞かれます。もちろん、ライダーの体型や体重によって足つき感は異なりますが、カタログスペックの数値だけで判断するのではなく、実際に跨って確認することをおすすめします。
足つきが良いことのメリット
足つきが良いことには、主に以下のようなメリットがあります。
- 停車時の安心感: 信号待ちや一時停止の際に、両足または片足でしっかりと地面を踏ん張れることは、精神的な安心感に繋がります。特に不安定になりやすい坂道での停車や、砂利道のような足場の悪い場所では、この安心感が重要になります。
- 立ちゴケリスクの軽減: 大型バイクの取り扱いで最も避けたいことの一つが「立ちゴケ」です。足つきが良いことで、バイクが傾いた際に踏ん張りが効きやすく、立ちゴケのリスクを大幅に減らすことができます。これは、特にバイクの重さに慣れていない初心者の方や、力が弱い方にとって非常に大きなメリットです。
- 取り回しやすさの向上: 駐車場での出し入れなど、バイクに跨ったまま少し移動させたい場面でも、足でしっかりと地面を蹴って操作できるため、取り回しが楽になります。
日本仕様はローシートが標準
ちなみに、日本国内で販売されているZ650RSは、海外仕様と比較して座面高が低い「ローシート」が標準装備となっています。これも、日本のライダーの体型に配慮し、良好な足つき性を実現するための一因となっています。より足つきを良くしたい場合は、純正アクセサリーパーツとしてさらに低いシートが設定されているか、カワサキプラザに相談してみるのも良いでしょう。
乗りやすさに繋がる他の要素
前述の通り、Z650RSの乗りやすさは足つき性の良さだけではありません。後述する車体の軽さや、アップライトで自然なライディングポジションも大きく貢献しています。ハンドルが高く、ライダー側に近い位置に設定されているため、上体が起きたリラックスした姿勢で乗ることが可能です。これにより視界も広くなり、周囲の状況を把握しやすくなるため、安全運転にも繋がります。
軽量さがもたらすメリットとは?
さて…今日は150kmくらい走りました。
Z650RSはマジで乗りやすい。軽量コンパクトな車体が一番いいってワケ。…感覚的にはホーネット250とかバリオスとかの250ccネイキッドに近いのに、載ってるエンジンはしっかり回せばちゃんと大型二輪のパワーなんよ…現代技術ってすごいよね。 pic.twitter.com/GAb4ojzNmW
— (@Rustica8831Rx) March 25, 2024
Z650RSを語る上で欠かせないキーワードが「軽さ」です。この軽量な車体は、バイクの取り扱いから実際の走行フィーリングに至るまで、様々な場面でライダーに大きなメリットをもたらし、Z650RSの魅力を形作る重要な要素となっています。
大型バイクとしては異例の軽さ (188kg)
Z650RSの装備重量は188kgです。これは、同じカワサキの兄貴分であるZ900RS(215kg)と比較すると、実に27kgも軽い計算になります。650ccクラスのライバル車種と比較してもトップクラスの軽さであり、感覚的には400ccクラスのネイキッドバイクに匹敵するほどの重量です。大型バイクというと「重くて扱いにくい」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、Z650RSはそのイメージを覆す軽快さを備えています。
取り回し時の絶大なメリット
この軽さが最も実感できるのは、バイクに乗っていない「取り回し」の場面でしょう。
- 押し引きの楽さ: 駐輪場からバイクを出し入れする際や、ガレージ内で方向転換する際など、バイクを押したり引いたりする作業が格段に楽になります。非力な方でも比較的容易に扱えるため、バイクを出すのが億劫になりにくいというメリットもあります。
- 立ちゴケ不安の軽減: 前述の足つき性の良さと相まって、軽量な車体は立ちゴケに対する不安を大きく和らげてくれます。万が一バランスを崩しかけても、軽い車体であれば持ちこたえやすく、支えやすいのです。
軽快なハンドリングと走行フィーリング
走行中においても、軽量であることの恩恵は多岐にわたります。
- 軽快なハンドリング: 車体が軽いため、ライダーの操作に対するバイクの反応が非常に素直で軽快です。ヒラリヒラリと車線変更したり、コーナーを駆け抜けたりする際の動きが俊敏で、バイクを操る楽しさを存分に味わうことができます。「バイクが自分の思い通りに動いてくれる」感覚は、ライディングの満足度を高めます。
- 加速・減速性能の向上: エンジンパワーが同じでも、車体が軽ければ軽いほど加速は鋭くなり、短い距離で速度を上げることができます。同様に、ブレーキング時も軽い車体は制動距離を短縮するのに貢献し、よりコントローラブルになります。ストップ&ゴーが多い市街地走行でも、その軽快さが光ります。
疲労軽減効果
軽いバイクは、それを操作するために必要な力も少なくて済みます。長時間のライディングでは、この差が疲労度となって現れます。Z650RSの軽さは、長距離ツーリングや渋滞路での走行など、ライダーが疲れやすいシチュエーションでの負担を軽減し、より快適にライディングを楽しむことを可能にします。
軽量さの恩恵を受けるライダー層
このように、Z650RSの軽量さは、特に以下のようなライダーにとって大きなメリットとなります。
- 大型バイクの重さに不安を感じる初心者の方
- 体力に自信のない方や女性ライダー
- 小柄な方
- 久々にバイクに乗るリターンライダー
もちろん、経験豊富なベテランライダーにとっても、日常の足として気軽に乗れるセカンドバイクとして、あるいは軽快なスポーツライディングを楽しむためのマシンとして、その価値は非常に高いと言えるでしょう。
カスタムパーツで個性的に楽しめる?

Ride Style・イメージ
Z650RSは、そのままでも十分に魅力的なバイクですが、「自分だけの一台に仕上げたい」「もっと快適に、あるいはもっとスポーティにしたい」と考えるライダーにとって、カスタムの楽しみがあるかどうかも気になるところでしょう。結論から言うと、Z650RSはカスタムによって個性を演出し、楽しむことが可能です。
カスタムの方向性
Z650RSのカスタムは、大きく分けていくつかの方向性が考えられます。
- スタイルカスタム: 元々のレトロな雰囲気をさらに強調したり、逆にモダンな要素を取り入れたりして、見た目の印象を変えるカスタムです。
- パフォーマンスカスタム: マフラーやステップなどを交換し、走行性能やフィーリングを向上させるカスタムです。
- ツーリングカスタム: スクリーンやキャリア、積載バッグなどを装着し、長距離走行の快適性や利便性を高めるカスタムです。
自分の好みやバイクの使い方に合わせて、これらの方向性を組み合わせながらカスタムプランを練るのが楽しい時間となります。
主要なカスタムパーツの種類
登場から数年が経過し(2025年4月現在)、Z650RSに対応するカスタムパーツも国内外の様々なメーカーからリリースされるようになってきました。主なパーツとしては以下のようなものが挙げられます。
- マフラー: バイクカスタムの定番です。デザイン変更によるドレスアップ効果、軽量化、そしてサウンドの変化(ただし2気筒特有の音質傾向は残ります)を目的として交換されます。トリックスターなど複数のメーカーから政府認証適合品が販売されており、車検に対応したパーツを選ぶことが重要です。
- 外装・保護パーツ: フェンダーレスキットでリア周りをスッキリさせたり、ビキニカウルやスクリーンで防風効果を高めたりすることができます。また、万が一の転倒時にダメージを軽減するエンジンガードやスライダーも人気があります。サイドカバーなどを交換して個性を出すことも可能です。
- 操作系パーツ: よりスポーティなライディングポジションを実現するバックステップキット(WOODSTOCKなど)や、好みの形状・色のハンドルバー、操作感を向上させるアジャスタブルレバーなども販売されています。
- 積載関連パーツ: Z650RSは積載スペースが少ないため、ツーリングライダーを中心に需要が高いパーツです。カワサキ純正アクセサリーとしてグラブバーやサイドグリップがありますが、社外品でリアキャリアやサイドバッグサポートなどを装着することで、積載能力を大幅に向上させることができます。
パーツ選びの注意点
カスタムを楽しむ上で、いくつか注意しておきたい点があります。 Z650RSはZ900RSほど爆発的に売れているモデルではないため、パーツの種類や選択肢はZ900RSと比較するとまだ少ないかもしれません。しかし、発売当初に比べればラインナップは着実に増えています。 パーツを選ぶ際は、必ずご自身のZ650RSの年式(特に2024年モデル以降はトラクションコントロール搭載)に適合しているかを確認しましょう。また、マフラーなどは車検対応品か、灯火類などは保安基準に適合しているかもしっかり確認が必要です。安全に関わるパーツの取り付けは、信頼できるバイクショップに依頼することをおすすめします。
このように、Z650RSはカスタムパーツを選び、装着することで、さらに自分好みの魅力的なバイクへと進化させることが可能です。
Z650RSを選ぶ価値はあるのか?
Z650RSって、slim&sharp&simple
最高 pic.twitter.com/5mNxSW8aDV— FutoshiとZ650RS (@futoshi12871) April 26, 2024
ここまでZ650RSについて、不人気と言われる理由や実際の評価、スペック、魅力などを様々な角度から見てきました。それを踏まえて、最終的に「Z650RSを選ぶ価値はあるのか?」という問いについて考えてみましょう。
結論としては、Z650RSは特定のニーズや価値観を持つライダーにとって、十分に選ぶ価値のある、非常に魅力的な選択肢の一つです。一部で聞かれる「不人気」という声や、兄貴分Z900RSとの比較だけに目を向けるのではなく、このバイクが持つ独自のメリットを正しく評価することが大切です。
Z650RSが輝くライダー像
では、どのようなライダーにとってZ650RSは特に価値を発揮するのでしょうか。
- 大型バイク初心者・リターンライダー: 何度も触れてきたように、188kgという軽量な車体、良好な足つき性、そして扱いやすいエンジン特性は、大型バイクへの不安を和らげ、安心してバイクライフをスタートさせたい方、久しぶりにバイクの世界に戻ってきた方に最適です。「バイクを操る楽しさ」を無理なく感じさせてくれます。
- 女性ライダー・小柄な方: 取り回しのしやすさや停車時の安心感は、体格や体力に自信がない方でも、気負わずに大型バイクを楽しむことを可能にします。
- 気軽さを求めるライダー: 「天気が良いから、ちょっとそこまで」というように、日常の足としても気軽に乗り出せるバイクを求めている方にはぴったりです。過剰なパワーや重さから解放された、ストレスフリーなバイクライフを送りたいベテランライダーのセカンドバイクとしても魅力的な選択肢となります。
- 経済性を重視するライダー: 優秀な燃費性能と、維持費の面で有利なレギュラーガソリン仕様は、ランニングコストを抑えたい方にとって大きなメリットです。車両価格もZ900RSより抑えられています。
- Z650RSのデザインが好きなライダー: Z900RSとは異なる、よりコンパクトで軽快感のあるネオクラシックスタイルに魅力を感じる方にとっては、他に代えがたい存在です。
改めて考えるメリットとデメリット
ここで、Z650RSの主なメリットとデメリットを再確認しておきましょう。
- メリット: 圧倒的な軽さ、扱いやすいエンジン、良好な足つき、優れた燃費、レギュラーガソリン仕様、個性的なレトロモダンデザイン、比較的手頃な価格設定。
- デメリット: 絶対的な最高速やパワーは控えめ、高速走行時の余裕はリッタークラスに劣る、積載スペースが少ない、一部の装備や質感でZ900RSと比較される点がある、2気筒エンジンやデザインの好みが分かれる可能性がある。
これらのメリットが自身の求めるものと合致し、デメリットが許容範囲内であれば、Z650RSは非常に満足度の高い選択となるはずです。
「不人気」という評価について
これまで解説してきたように、「不人気」という評価は、特定の視点(Z900RSとの比較、4気筒エンジンへのこだわりなど)からの意見が強く反映されている可能性があります。実際には、その扱いやすさや独自のスタイルから根強いファンを獲得しており、供給が追いつかない時期もあったほどの人気モデルです。大切なのは、周囲の評価に惑わされず、ご自身の目で見て、触れて、感じて判断することです。
最終的な判断のために
もし、あなたがZ650RSに少しでも魅力を感じているのであれば、ぜひ一度、実車に触れてみることを強くお勧めします。可能であれば試乗し、その軽さ、扱いやすさ、エンジンフィーリングを体感してみてください。カタログスペックやインターネット上の情報だけでは分からない、あなたにとってのZ650RSの真の価値が見えてくるはずです。
総括:Z650RSが不人気は誤解?その理由とスペック・口コミを全解説
この記事をまとめると、
- デザイン評価は主観であり、「ダサい」は一部の意見
- レトロとモダンが融合した外観は好みが分かれる点
- 兄貴分Z900RS比較で装備や質感に見劣りを感じる声あり
- 68PSの最高出力は控えめ、パワー不足という評価も存在
- エンジンは低中速トルクが豊かで非常に扱いやすい特性
- 650ccという排気量クラスが中途半端と見られることも
- 最高速性能は日本の公道走行では十分なレベル
- 大ヒットモデルZ900RSとの比較が「不人気」印象の一因
- 「売れていない」というより供給不足で「買えない」状況も発生
- 実際の口コミでは「軽さ」「扱いやすさ」が高評価である
- 燃費性能は大型バイクとして優秀、経済性に優れる
- シート高800mmだがスリムな形状で足つきは良好
- 188kgの軽量な車体は取り回しと軽快な走りに貢献
- カスタムパーツは増加傾向にあり、個性化も楽しめる
- 扱いやすさやバランス重視なら十分に選ぶ価値がある