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W800について調べていると、つまらないという声を目にすることがあります。カワサキが誇るクラシックバイクの代表格でありながら、なぜこのような評価を受けるのでしょうか。最高速が遅い、馬力不足で物足りない、燃費は良いが楽しさに欠けるといった意見が散見されます。一方で、足つきの良さや独特な振動による鼓動感を愛するライダーも多く存在するのも事実です。果たしてW800は本当につまらないバイクなのか、それとも魅力を理解していないだけなのか。この記事では、そんな疑問を持つ方に向けて、W800の特性や評価を多角的に分析していきます。
• W800がつまらないと言われる具体的な理由と背景
• W800の性能面での限界と実際の使用感
• W800に対する不満の声と故障リスクの実態
• W800が向いている人と向かない人の明確な違い
W800がつまらないと言われる理由

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• W800の最高速は遅い?実際の性能
• W800の馬力不足が感じられる場面
• W800の燃費は良いが物足りない?
• W800の足つきと取り回しの評価
• W800の振動問題とその対策
W800の最高速は遅い?実際の性能
W800の最高速度は実測で約177 km/hとなることが多いようです。エンジン出力は市場によって異なり、日本・ASEAN仕様では52 PS(38 kW)、欧州・北米仕様ではA2ライセンス対応の48 HP(35 kW)となっており、現代のスポーツバイクと比較すると控えめな数値といえるでしょう。
このバイクは低中回転域でのトルクを重視した設計となっており、高回転域での伸びは期待できません。0-100 km/h加速は約5.5秒と、現代の大型スポーツバイクに比べると穏やかです。また、773ccという排気量に対する出力は、同クラスの他車種と比べても控えめといえます。
ただし、W800の真価は最高速度にあるのではありません。現行モデル(2019年以降)では62.9 N·mの最大トルクを4,800 rpmで発生させる特性により、実用域での扱いやすさは格別です。なお、旧型(2011-2016年)では60 N·mを2,500 rpmで発生させる設定となっており、年式により特性が異なります。このような設計思想を理解すれば、最高速の数値だけでバイクを評価することの無意味さが分かるはずです。
W800の馬力不足が感じられる場面
W800 STREETに200kmほど走った感想
●52馬力と800ccにしては控えめだけどトルクが太すぎる
●一般道では4速までで十分でシフトをサボれて楽
●トルクが太いので4速入れて速度乗ったらほぼトルクだけで進むので楽
●ポジションが楽
●音がデカすぎる… pic.twitter.com/AxOFIP5csF— 伊丹 (@Ri_Su_Ka_Kao_Mo) June 16, 2024
W800の馬力不足を最も感じやすいのは、高速道路での追い越しや坂道での加速時です。特に100 km/h以上からの加速では、エンジンの限界を感じることが多くなります。
マスツーリングにおいて、他の参加者が大排気量のバイクに乗っている場合、ペースについていくのに苦労することがあります。ワインディングロードでも、パワフルなバイクと比較すると見劣りするのは否めません。また、二人乗りや荷物を積載した状態では、さらに加速性能の低下を実感することになるでしょう。
とはいえ、ギアを積極的に選択し回転域を維持すれば、十分に楽しめます。W800の魅力は絶対的なパワーではなく、エンジンの特性を活かした走りにあることを理解することが重要です。
W800の燃費は良いが物足りない?

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W800の燃費は平均で約23 km/Lと、大型バイクとしては優秀な数値を記録しています。カタログ値では30 km/L(WMTCモード)となっており、実測でも好条件なら到達可能です。経済性の面では申し分ありません。
一方で、燃費が良い=燃料消費が抑えられているため、スポーツライディング時の高揚感を得にくいと感じる人もいます。スポーツバイクのような刺激的な燃料消費を期待するライダーには、退屈に感じられるかもしれません。
ただし、長距離ツーリングにおいては、この燃費の良さは大きなメリットとなります。15 Lの燃料タンクで300-350 km程度の走行が可能なため、給油の頻度を気にすることなく旅を楽しめるでしょう。燃費の良さを経済的なメリットとして捉えれば、W800の魅力の一つといえます。
W800の足つきと取り回しの評価
今日が納車!
今まで無事故でありがとうNC700X。
大好きなバイクだよ。
そして、これからよろしくねW800!
単気筒✕2で振動が前よりあるから長距離ツーリングだと手が痺れそうだけど、足つきの良さで姿勢は楽〜
いつか手放しで変身ポーズとれるぐらい乗って乗って乗りまくってやるよ相棒! pic.twitter.com/ZpQbXX946q— はま~ (@HAmAH_METAL) February 27, 2025
W800の足つき性能は、身長170 cm程度のライダーであれば両足をベタ付けできる良好さです。790 mmのシート高は大型バイクとしては低めに設定されており、多くのライダーにとって安心感のある数値といえるでしょう。
取り回しについても、225-226 kgという車重は大型バイクの中では軽量な部類に入ります。駐車場での移動や、狭い場所での取り回しも比較的楽に行えるはずです。また、ハンドルの切れ角が大きいため、Uターンなどの小回りも得意としています。
これらの特性により、W800は日常使いにも適したバイクといえます。通勤や買い物などの普段使いから、週末のツーリングまで幅広く対応できる実用性の高さは、確実にメリットの一つです。足つきの良さは、特に初心者や女性ライダーにとって重要な要素となるでしょう。
W800の振動問題とその対策

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W800の振動については、ライダーによって評価が大きく分かれる要素です。360度クランクを採用した空冷ツインエンジンは、独特の鼓動感を生み出します。これを魅力と感じる人もいれば、不快な振動として感じる人もいるのが現実です。
特に90-110 km/h前後の巡航時には、ハンドルやシートに伝わる振動が顕著になります。長時間の走行では手の痺れや疲労の原因となることもあるため、注意が必要です。振動は、バーエンドウエイトの装着や防振グリップの使用である程度軽減できます。
一方で、この振動こそがW800の個性であり、機械的な魅力の源泉でもあります。現代のバイクでは味わえない、生き物のような鼓動を感じられるのは貴重な体験といえるでしょう。振動を受け入れられるかどうかが、W800を楽しめるかの分かれ目になります。
W800はつまらない?購入前の注意点

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• W800で高速がきついと感じる理由
• W800への不満の声とその内容
• W800の故障リスクと信頼性
• W800の買取相場と資産価値
• W800が向いている人・向かない人
W800で高速がきついと感じる理由
W800で高速道路を走行する際、多くのライダーがきついと感じる主な理由は振動と風圧です。3,000-4,000 rpm付近で発生する振動ピークが、ハンドルとシートに強く伝わり、長時間の走行では疲労が蓄積します。
また、フェアリングがないネイキッドタイプのため、ライダーが直接風を受けることになります。高速での走行では風圧による疲労も無視できません。さらに、5速ミッションのため高速巡航時のエンジン回転数が高くなり、騒音や振動の増加につながります。
これらの問題に対処するには、風防の装着やライディングポジションの工夫が有効です。しかし、根本的な解決は難しく、高速道路を頻繁に利用する予定があるなら、別のバイクを検討することをお勧めします。W800は下道でのツーリングに真価を発揮するバイクなのです。
W800への不満の声とその内容
W800はずっと所有してたいめちゃ良いバイクやけど
高回転振動増すだけで面白くない
6速ないのが超不満
灼熱地獄他は完璧🤣✨ pic.twitter.com/yEFDwUlYwJ
— 暴威🟢KZ1000🗻XSR900🦅V7SPECIAL🦐βアルプ🐕️DAX (@RZ850_V7850) April 30, 2024
W800に対する不満の声として最も多いのは、期待していた刺激や楽しさを感じられないというものです。クラシックな外見に魅力を感じて購入したものの、実際に乗ってみると物足りなさを感じるライダーが少なくありません。
具体的な不満としては、加速性能の鈍さ、高回転域での伸びの悪さ、スポーツ走行には向かないハンドリングなどが挙げられます。また、メッキパーツの手入れの大変さや、錆びやすさについても不満の声があります。雨天走行後の手入れを怠ると、美しい外観が損なわれてしまうためです。
ただし、これらの不満の多くは、W800の性格を正しく理解していないことに起因します。スポーツ走行を目的としたものではなく、ゆったりとした走りを楽しむためのものです。購入前に試乗を行い、自分の求める走りと合致するかを確認することが重要でしょう。
W800の故障リスクと信頼性

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W800の信頼性については、基本的には高い評価を得ています。シンプルな空冷エンジンの構造により、複雑な水冷システムに比べて故障のリスクは低いといえるでしょう。適切なメンテナンスを行えば、10万km以上の走行も十分可能です。
ただし、2011-2013年の初期モデルでは燃料ポンプ系統の不具合、2020-2021年モデルでは排気ホルダーナットの緩みによるリコールが報告されています。現在のモデルではこれらの問題は解決されていますが、中古車を購入する際には対象VINの確認が必要です。また、バルブクリアランスの調整が他のバイクより頻繁に必要になることも覚えておきましょう。
メンテナンス面では、エンジンオイルの管理が特に重要です。空冷エンジンは熱の影響を受けやすいため、オイル交換を怠ると性能低下や故障の原因となります。定期的な点検とメンテナンスを心がければ、長く愛用できるバイクといえるでしょう。
W800の買取相場と資産価値
ちなみ私のW800は旧車系なんで
初期型と言うこともあり
中古車なんですが
中古でも新車価格デス pic.twitter.com/o1X5lu5e3G— 不動産 (@A_FP5541) February 13, 2025
W800の中古市場での買取相場は、年式や状態によって大きく異なります。2022年以降の現行モデルでは70-120万円程度、2011-2016年の初期モデルでは40-80万円程度が相場となっています。特にファイナルエディションや特別仕様車は、希少性により高値で取引される傾向があります。
資産価値の面では、W800は比較的安定した評価を受けています。クラシックバイクとして魅力や、国産最後の空冷大型バイクという希少性が価値を支えているためです。ただし、スポーツバイクのような急激な価格上昇は期待できません。
売却を考える際は、メッキパーツの状態が査定に大きく影響することを覚えておきましょう。錆や曇りがあると査定額が大幅に下がる可能性があります。定期的な手入れを心がけることで、資産価値の維持につながります。
W800が向いている人・向かない人

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W800が向いている人は、バイクの見た目やスタイルを重視し、ゆったりとした走りを楽しめる方です。クラシックなデザインに魅力を感じ、エンジンの鼓動や振動を個性として受け入れられる感性の持ち主に適しています。また、メンテナンスや手入れを趣味の一部として楽しめる方にもお勧めできます。
一方、W800が向かない人は、スポーツ走行やパワフルな加速を求める方です。高速道路を頻繁に利用する方や、マスツーリングで他のバイクと競うような走りを楽しみたい方には不向きといえるでしょう。また、手間のかからないバイクを求める方や、実用性のみを重視する方にも適していません。
購入を検討する際は、自分のライディングスタイルや価値観とW800の特性が合致するかを慎重に検討することが大切です。試乗を通じて、バイクとの相性を確認することをお勧めします。W800の魅力を理解できるかどうかが、満足度を左右する重要な要素となるでしょう。
総括:W800はつまらない?遅い・馬力不足・振動問題の真相を徹底解説
• W800は最高速約177 km/hで現代基準では控えめな性能
• エンジン出力は市場により52 PS(日本・ASEAN)または48 HP(欧州・北米)
• 燃費は平均23 km/Lと優秀だが刺激に欠けると感じる人もいる
• 足つき性能は良好で身長170 cm程度なら両足ベタ付け可能
• 空冷ツインエンジン特有の振動は好みが分かれる要素
• 高速道路では90-110 km/h付近の振動と風圧により疲労しやすい
• スポーツ走行には向かないがゆったりした走りには最適
• メッキパーツの手入れが必要で錆対策は必須
• 基本的な信頼性は高いが燃料ポンプや排気ホルダーナットの過去リコール歴あり
• 買取相場は安定しているが急激な価値上昇は期待できない
• クラシックデザインとエンジンフィーリングを重視する人に向いている
• パワフルな走りや高速巡航を求める人には不向き
• 購入前の試乗でバイクとの相性確認が重要
• W800の特性を理解して乗れば長く愛用できるバイク
• つまらないかどうかは乗り手の価値観と求める走りによって決まる