
出典:SUZUKI公式
Vストローム1050の購入を検討されている方の中には、購入後に後悔しないか不安を感じている方も多いでしょう。実際、このバイクには優れた特性がある一方で、ライダーによっては不満を感じる欠点・弱点も存在します。
特に、インプレや口コミを確認すると、足つき性能や取り回しの重さに関する指摘が目立ちます。また、最高速や燃費性能についても、期待していた数値と異なる場合があり、購入前の情報収集が重要となります。中古車選びにおいても、注意すべきポイントが数多く存在するのが現実です。
しかし、こうした課題は事前の準備と理解によって多くが解決可能であり、適切な知識を持って選択すれば、Vストローム1050は非常に魅力的なアドベンチャーバイクとして活躍してくれます。
- Vストローム1050で後悔する主な理由と具体的な対策方法
- 足つき性や取り回しなど実際の使用感における注意点
- 燃費や最高速など性能面の実情と期待値の調整
- 中古購入やカスタム時に失敗しないための重要ポイント
Vストローム1050で後悔する理由と対策

Ride Style・イメージ
- 欠点・弱点から見る購入前の注意点
- 足つき性の問題と改善方法
- 取り回しの重さが生む後悔要因
- 燃費性能の実際と期待値のギャップ
- 最高速性能への過度な期待は禁物
欠点・弱点から見る購入前の注意点
Vストローム1050(標準モデル)の主要な欠点として、まず挙げられるのが車体の大きさと重量です。国内公式仕様によると、装備重量242kg、シート高850mmという数値は、日常的な取り扱いにおいて相当な負担となります。特に、駐車場での押し引きや狭いスペースでのUターン時には、この重さが顕著に感じられるでしょう。
身長175cm未満のライダーにとって、両足をしっかりと地面に着けることは困難な場合が多く、停車時の安定感に不安を感じる可能性があります。なお、DEモデルではシート高880mm、装備重量252kgとさらに扱いが困難になる点も理解しておく必要があります。
また、リヤブレーキの効きに関しては、一部のレビューで指摘が見られます。制動力について物足りなさを感じるという意見もあり、オフロード走行時や細かなブレーキコントロールを要する場面で不満を感じるケースもあるようです。
これらの欠点を理解した上で、自身の体格や使用環境に適しているかを慎重に判断することが重要です。試乗を通じて実際の感触を確認し、必要に応じてローダウンシートなどのオプション装備も検討しましょう。
足つき性の問題と改善方法
なんかVストローム1050の2車種が試乗出来たんで試乗しました
DEは足つきがよろしくないですね
クルコンは最強でした
800ほど暴力的な加速はないですね
結論としてどんどん足つきの悪いバイクが好きになりました#Vストローム1050 pic.twitter.com/DvHEY7eRUI— にーやん (@WR250VSTROM1000) January 12, 2024
Vストローム1050の足つき性は、多くのライダーが直面する課題の一つです。標準モデルのシート高850mmという設定により、身長170cm台前半のライダーでも両足での完全な接地は困難となります。
この問題に対する最も効果的な対策は、純正ローダウンシートの導入です。約30mmのシート高低下により、足つき性が大幅に改善されます。ただし、ローダウンシートを使用する場合、シートの形状変化により長距離走行時の快適性に影響が出る可能性も考慮する必要があります。なお、標準モデル用とDEモデル用では品番が異なるため、購入時は適合確認が重要です。
また、厚底のライディングブーツを着用することも有効な手段です。2-3cm程度の底厚により、足つき性向上と同時に、万が一の転倒時における足の保護効果も期待できます。
さらに、停車時の姿勢も重要なポイントとなります。両足で支えることに固執せず、片足でしっかりと支える技術を身につけることで、不安定な路面でも安心して停車できるようになります。平坦で安定した場所を選んで駐車する習慣も、日常使用における安全性向上に繋がります。
取り回しの重さが生む後悔要因

Ride Style・イメージ
標準モデルでも242kgという車両重量は、取り回し時に大きな負担となる場合があります。特に、エンジンを停止した状態での押し歩きや、駐車スペースでの細かな位置調整時には、この重さが顕著に感じられるでしょう。
傾斜のある駐車場では、さらに困難さが増します。前下がりの駐車場に停めた場合、発進時にバイクを起こす際の負担は相当なものとなり、体力的な不安を感じるライダーも少なくありません。
この課題への対策として、まず重要なのは駐車場所の選択です。可能な限り平坦で足場の安定した場所を選び、前下がりの傾斜は避けるよう心がけましょう。また、サイドスタンドからの引き起こし時には、タンクに体を密着させ、腰を使って持ち上げる技術を習得することが大切です。
日常的な筋力トレーニングも、取り回しの負担軽減に効果的です。特に、背筋や脚力の強化により、重量車の扱いが格段に楽になります。しかし、無理は禁物であり、自身の体力に不安がある場合は、より軽量なモデルの検討も必要かもしれません。
燃費性能の実際と期待値のギャップ
#Vストローム1050
Vストローム1050も650同様に、航続可能距離より平均燃費の方が実燃費にかなり近いかほぼいっしよ。
下道をたまにちょい飛ばししてこの燃費やったら優秀かな。 pic.twitter.com/4Zg1GQ1Mib— K/T (@VZqLD6xXcq1xFhI) July 3, 2024
Vストローム1050のカタログ燃費は、WMTCモード値で19.4km/Lとされていますが、実際の使用状況では異なる数値となることが多いでしょう。都市部での頻繁な停止発進が続く走行では、15-17km/L程度に落ち込む場合があります。
一方、高速道路での定速走行時には、20-25km/L程度の良好な燃費を記録することも可能です。実際の長距離試乗では、郊外・高速混在での走行で24.4km/L、総合で21.4km/Lという実測例も報告されています。クルーズコントロール機能により一定速度での巡航が可能となり、エンジン負荷を抑制して燃費向上を図ることができます。
無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)指定であることも、燃料コストを押し上げる要因となります。レギュラーガソリン使用車と比較して、1回の給油で数百円の差額が生じるため、年間の燃料費は相当な金額となるでしょう。
燃費向上のためには、急加速や急減速を避け、スムーズな運転を心がけることが重要です。また、タイヤの空気圧管理や定期的なメンテナンスにより、エンジン効率を最適に保つことも効果的な手段となります。
最高速性能への過度な期待は禁物

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Vストローム1050の最高速度については、メーカーからの公式発表はありません。海外メディアによる推定では200km/h級の数値が示される場合がありますが、この数値に過度な期待を寄せることは適切ではないでしょう。むしろ、アドベンチャーバイクとしての性格を考慮すれば、高速巡航時の安定性や快適性こそが重要な評価ポイントとなります。
実際の使用において、150km/h以上の速度域では風圧や振動が増大し、長時間の走行には適さない状況となります。また、燃費も大幅に悪化するため、実用的な観点からも高速域での常用は推奨されません。
Vストローム1050の真価は、100-120km/h程度での安定した巡航性能にあります。この速度域では、エンジンの余裕とシャシーの安定性が調和し、疲労の少ない快適な移動が可能となります。クルーズコントロール機能を活用することで、さらに快適性を向上させることができるでしょう。
最高速度よりも、中速域でのトルク特性や加速フィーリングに注目することで、このバイクの本来の魅力を理解できるでしょう。追い越し時の力強い加速や、ワインディングでの扱いやすさこそが、Vストローム1050の優れた特性なのです。
Vストローム1050の後悔を避ける選択術

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- インプレから読み解く真の実力
- 中古購入時の失敗しないポイント
- DEモデルとの違いを理解した選択
- カスタムで改善できる弱点とは
- 購入前に確認すべき重要事項
- 後悔しないライダー像の特徴
インプレから読み解く真の実力
久々に500kmオーバーの距離走った。しかし、疲労感がほとんどないので、恐るべしVストローム1050ですね。 pic.twitter.com/ximxblLycx
— K/T (@VZqLD6xXcq1xFhI) May 3, 2025
実際のオーナーによるインプレッションを分析すると、Vストローム1050の評価は大きく二分される傾向があります。ツーリング重視のライダーからは高い評価を得る一方、街乗りメインのユーザーからは取り回しの困難さを指摘する声が多く見られます。
高速道路での巡航性能については、ほぼ全てのインプレで好評価を得ています。搭載されているクルーズコントロール機能との組み合わせにより、長距離移動時の疲労軽減効果は顕著であり、500km以上の連続走行でも快適性を維持できると報告されています。
ワインディングでの走行性能に関しては、車体サイズを考慮すれば予想以上に軽快であるとの評価が多数を占めます。ただし、タイトなコーナーが続く峠道では、車体の大きさが制約となる場面もあるようです。
オフロード走行については、標準モデルは19インチキャストホイールを採用したオンロード志向の設計であり、軽度のダート程度であれば十分な性能を発揮するものの、本格的な林道走行には適さないとの意見が一般的です。あくまでオンロード重視の設計であることを理解して選択する必要があります。
中古購入時の失敗しないポイント

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Vストローム1050の中古車選びでは、まず走行距離よりもメンテナンス履歴を重視することが重要です。定期点検や消耗品交換が適切に行われているかを、整備記録簿で確認しましょう。
電子制御システムが多数搭載されているため、エラーコードの有無も重要なチェックポイントとなります。試乗時には、各種電子制御機能が正常に作動するかを詳細に確認することが必要です。
外装の傷や凹みは、転倒歴を示唆する重要な手がかりとなります。特に、ハンドルガードやアクセサリーバーの損傷状況から、オフロード走行の頻度や転倒の有無を推測できる場合があります。
価格については、年式や走行距離だけでなく、オプション装備の有無も考慮して判断しましょう。パニアケースやグリップヒーターなどの純正オプションが装着されている場合、その価値を適切に評価することが重要です。
中古車チェックリスト
チェック項目 | 確認ポイント | 注意点 |
---|---|---|
メンテナンス履歴 | 整備記録簿の内容 | 定期点検の実施状況を重視 |
電子制御系統 | エラーコード確認:要診断機 | 全ての機能の動作確認が必要 |
外装コンディション | 傷や変形の状況 | 転倒歴の有無を慎重に判断 |
オプション装備 | 純正品の装着状況 | 市場価値を適切に評価 |
DEモデルとの違いを理解した選択

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Vストローム1050DEは、標準モデルとは大きく異なる性格を持つバイクです。主要な仕様差を以下の表にまとめました。
項目 | 標準モデル | DEモデル |
---|---|---|
装備重量 | 242kg | 252kg(+10kg) |
シート高 | 850mm | 880mm(+30mm) |
フロントホイール | 19インチキャスト | 21インチスポーク |
価格(2025年時点) | 1,705,000円 | 1,793,000円(+88,000円) |
DEモデルはフロント21インチホイール(前:チューブタイプ、後:チューブレス)の採用により、オフロード性能は向上していますが、オンロードでの扱いやすさはやや劣る傾向があります。また、GモードやリヤABSオフ機能など、未舗装路走行に特化した電子制御システムも搭載されています。さらにテーパーハンドルが標準より片側20mm拡大され、サスペンションストロークも延長(フロント170mm、リヤ169mm)されているため、よりオフロード指向の設定となっています。
価格差は88,000円となっており、オフロード走行の頻度や本格度を考慮して選択することが重要です。年に数回程度の軽度なダート走行であれば、標準モデルで十分な性能を得られるでしょう。
カスタムで改善できる弱点とは
Vストローム1050にカスタムギアの3Dメッシュシートを装着して何度か走ってみました。蒸れの軽減効果はかなりあります!クッション効果もあるので、お尻が痛くなるまでの時間が伸びました。ただ、滑りやすいのでポジションを固定しにくいかもしれません。 pic.twitter.com/P7QAYkytti
— スプレモ (@spremo_) October 27, 2024
Vストローム1050の弱点の多くは、適切なカスタムにより改善可能です。最も効果的なのは、ローダウンシートの導入による足つき性の向上でしょう。約30mmの低下により、多くのライダーにとって扱いやすさが大幅に向上します。
ウインドスクリーンの交換も、快適性向上に大きく寄与します。純正スクリーンでは風の巻き込みを感じる場合、より大型のアフターマーケット製品により、高速走行時の快適性を向上させることができます。
サスペンションのセッティング変更については、プリロード調整により沈み込み量(サグ)を調整し、場合によっては足つき性の改善も期待できます。ただし、これは車高を直接下げる手段ではなく、操縦安定性に影響する可能性があるため、専門店での相談が推奨されます。より確実な車高低下を求める場合は、ローダウンリンクなどの専用パーツの使用を検討しましょう。
ただし、カスタムには相応の費用がかかることも考慮する必要があります。購入時の予算にカスタム費用も含めて検討し、トータルコストで判断することが重要です。
購入前に確認すべき重要事項

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Vストローム1050の購入前には、必ず実車での試乗を行うことが重要です。カタログスペックや他者のレビューだけでは、自身との適合性を正確に判断することはできません。
試乗時には、足つき性、取り回しの重さ、ライディングポジションの快適性を重点的にチェックしましょう。また、低速での扱いやすさ、発進時の安定性なども重要な確認ポイントとなります。
駐車環境も事前に確認しておく必要があります。自宅や職場の駐車スペースで、この大型バイクを安全に駐車できるかを検討することが重要です。特に、機械式駐車場では制限に引っかかる可能性があります。
メンテナンス体制についても確認が必要です。購入店舗でのアフターサービス体制や、近隣のスズキディーラーの所在地を把握しておくことで、購入後の安心感が得られるでしょう。
後悔しないライダー像の特徴

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Vストローム1050で後悔しないライダーには、いくつかの共通した特徴があります。まず、身長175cm以上で、ある程度の体力を有していることが重要な要素となります。
使用目的が明確であることも大切です。主に高速道路を使った長距離ツーリングや、舗装路メインの旅行に使用するライダーにとって、このバイクは理想的な相棒となるでしょう。
一方、日常の通勤や買い物などの街乗りメインの使用を考えているライダーには、このバイクは適さない可能性があります。車体の大きさや重量が、日常使用において大きな負担となる場合があります。
また、バイクの整備やメンテナンスに対する理解と関心を持っていることも重要です。複雑な電子制御システムを搭載するこのバイクは、適切なメンテナンスにより長期間の信頼性を保つことができます。定期的な点検を怠らず、異常を感じた際には速やかに専門店に相談する姿勢が求められるでしょう。
総括:Vストローム1050で後悔しないために:足つき・燃費・欠点を解説
- 標準モデルは装備重量242kgとシート高850mmで取り回しに注意が必要
- DEモデルは252kg・880mmでさらに扱いが困難になる
- ローダウンシートにより約30mmの足つき性改善が可能
- 燃費は実際の使用で15-25km/L程度と無鉛プレミアム指定でコスト高
- 最高速は非公表だが公道実用では100-120km/h巡航域の快適性が重要
- リヤブレーキの効きについて一部レビューで指摘が見られる
- インプレではツーリング性能は高評価だが街乗りは不向き
- 中古車選びではメンテナンス履歴と電子制御の動作確認が重要
- DEモデルとの価格差は88,000円でオフロード性能向上が主な差
- ウインドスクリーンやサスペンション調整で快適性向上可能
- 購入前の試乗で足つき性と取り回しの確認が必須
- 駐車環境や機械式駐車場の制限事前確認が必要
- 身長175cm以上で体力があり長距離ツーリング主体なら適合
- 街乗りメインや通勤使用では車体サイズが負担となる可能性
- 定期メンテナンスへの理解と電子制御システムへの対応力が重要