
出典:Honda公式
NS-1の高騰について調べている方は多いのではないでしょうか。かつて27万9000円で販売されていたホンダのNS-1ですが、現在では中古車市場で新車価格を上回る価格で取引されるケースが増えています。新車価格はいくらだったのか、現在の値段はいくらで売れるのか、そしてNS-1は何馬力なのか、最高速はどれくらいなのかといった疑問をお持ちの方も多いでしょう。
この記事では、NS-1の価格高騰の背景から、グリップやオイル交換などのメンテナンス情報まで、NS-1に関する包括的な情報をお伝えします。2ストローク50ccエンジンを搭載したNS-1は、現在では手に入らない貴重な存在となっており、その価値は年々上昇傾向にあります。
- NS-1の価格高騰の要因と現在の中古車相場の実態
- NS-1のエンジン性能と実際の走行性能について
- NS-1のメンテナンス方法と部品交換のポイント
- NS-1の特徴的な欠点と後継機の有無
NS-1の高騰要因と現在の市場価格

Ride Style・イメージ
- NS-1の新車価格はいくらだった?
- 現在のNS-1の値段はいくらで売れる?
- NS-1の欠点は何?
NS-1の新車価格はいくらだった?
NS-1の新車価格は、1991年2月15日の発売開始時点で27万9000円(消費税含まず)に設定されていました。ホンダ公式のニュースリリースによると、1991年1月22日に発表され、同年2月15日に発売が開始されています。原付クラスとしては当時から高額な価格設定でしたが、フルカウルのスポーツバイクでありながらメットインスペースを備えた画期的な仕様が評価されていました。
この価格は、同クラスの他の原付バイクと比較しても高価でしたが、その分充実した装備と性能を備えていました。24リットルのメットインスペースと、シート下に配置された燃料タンクという革新的な設計が、実用性とスポーツ性を両立させていたのです。
1995年2月14日に発表されたマイナーチェンジ後は29万9000円(参考価格、消費税を含まず)となり、最終的に1999年に生産終了となるまで販売され続けていました。この価格設定は、NS-1の高い品質と独特な機能性を反映したものでした。
現在のNS-1の値段はいくらで売れる?
通学用の原チャリといえば、やっぱりNS-1だ😀
今となっては、中古相場高騰で高級バイクに、、、20万そこそこで買えた時代が懐かしい。
あの頃は、もう四半世紀前(泣) pic.twitter.com/FqQc7lOCiV
— mucchan@FL5 2023年9月納車 (@antler_mucchan) September 16, 2024
現在のNS-1の中古車相場は、新車価格を大幅に上回る水準となっています。店頭での掲載価格を見ると、主要な中古バイク情報サイトでの平均価格は45万円から47万円程度となっており、程度の良い車両については50万円から60万円で掲載されるケースも珍しくありません。ただし、掲載価格と実際の成約価格は異なる場合があることにご注意ください。
一方、買取・売却価格については、業者間取引の相場として13万円から38万円程度の範囲で取引される例があります。ただし、これらの数値は特定業者の集計データに基づくものであり、算出方法や汎用性については詳細が不明な点があります。実際の買取価格は、車両の状態や業者によって大きく異なる可能性があります。
価格に影響する要因としては、年式、走行距離、車両の状態、カスタム内容などが挙げられます。一部では1998年式や黒色の車両が高値で取引される傾向があるという報告もありますが、これは限られたデータに基づくものであり、市場全体の定説とは限りません。また、フルカウル状態を保っている車両は、ネイキッド仕様に改造された車両よりも高く評価される傾向があります。
価格区分 | 価格帯の目安 | 備考 |
---|---|---|
店頭掲載価格(極上車) | 50万円〜60万円 | フルノーマル、低走行距離 |
店頭掲載価格(良好車) | 40万円〜50万円 | 軽微な使用感あり |
買取相場の例 | 13万円〜38万円 | 業者間取引の一例 |
事故車・不動車 | 数万円〜15万円 | 部品取り用途 |
NS-1の欠点は何?

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NS-1について多くのユーザーから指摘される欠点として、まず低速トルクの不足が挙げられます。2ストロークエンジンの高回転寄りの特性上、7,000rpm以下ではパワーが薄いという報告が多く、発進時や坂道でのもたつきが顕著に現れます。特に信号待ちからの発進では、十分な回転数を維持する必要があり、初心者には扱いにくい面があります。
重量配分についても指摘があります。燃料タンクがシート下に配置されているため、通常のバイクとは異なる重心となります。多くのユーザーからは、フロント周りが軽く感じられるという声が上がっており、高速走行時にフロントが浮くような感覚があるという報告もあります。
メンテナンス面では、2ストロークエンジン特有の課題があります。エンジンオイルの消費が激しく、定期的な補充が必要です。また、チャンバーの汚れやカーボンの蓄積も早く、頻繁な清掃が求められます。さらに、多くのオーナーから報告されているのが、カウルが割れやすいという物理的な弱点です。
高騰するNS-1の性能とメンテナンス

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- NS-1は何馬力のエンジンを搭載?
- NS-1の最高速はどれくらい?
- NS-1のグリップ交換方法
- NS-1のオイル交換について
- NS-1のスプロケット変更
- ホンダNS-1の後継機は何?
NS-1は何馬力のエンジンを搭載?
NS-1は7.2馬力(5.3kW)の最高出力を発生するAC08E型エンジンを搭載しています。このエンジンは水冷2ストロークピストンリードバルブ単気筒で、10,000rpmで最高出力を発生します。最大トルクは0.65kg-m(6.4N-m)で、7,500rpmで発生します。
7.2馬力という数値は、当時の自主規制値いっぱいの出力でした。排気量49ccから7.2馬力を絞り出す比出力の高さは、2ストロークエンジンならではの特徴といえます。フロントフォークには当時のクラス最大径となる31mmテレスコピックフォークが採用されており、しっかりとした車体構成が特徴です。
エンジンの特性としては、2ストロークならではの高回転域での鋭い加速が特徴的でした。パワーバンドは7,000rpm以上の高回転域にあり、回転を上げることで真価を発揮するエンジンとして設計されています。変速機は常時噛合式6段リターンを採用しており、クロスレシオ気味のセッティングとなっています。
NS-1の最高速はどれくらい?
愛車紹介
ホンダ NS1 50ccセパハン
posh cdi
パワフィル
スプロケフロント15丁
ノーマルに近いですが調子良い時は最高速90以上でます
ヨコタチャンバー買いましたがセッティングが出ずにまたノーマルチャンバーに戻しました笑 pic.twitter.com/vFdmLfhBDW— ゆーーーと (@100che96chan) July 13, 2019
NS-1の最高速度については、一般に約60km/hとされています。こ11れは原付として登録されているため、速度抑制装置が作動するためです。メーカーから公式の最高速度は発表されていませんが、当時の50ccスポーツバイクでは60km/h付近に速度制限が設けられることが通例でした。
改造により高い最高速度を実現した体験談も多数見られます。CDI交換によるリミッターカットを行った場合、80km/h台から90km/h以上の速度を記録したという報告例があります。さらに、チャンバーやスプロケットの変更を組み合わせることで、100km/h以上の最高速度を実現したというオーナーの報告も存在します。ただし、これらは個体差や条件差が大きく、あくまで体験談レベルの情報です。
重要な注意点として、これらの改造は道路交通法に抵触する可能性があるため、公道での使用は推奨されません。また、原付として登録されている限り、法定速度は30km/hです。なお、2025年4月の制度改正により、125cc以下かつ最高出力4kW以下の車両は第一種原付(白ナンバー)に含まれる新基準原付という区分が追加されましたが、排気量や出力を変更する場合は適切な登録変更手続きが必要となります。
NS-1のグリップ交換方法

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NS-1のグリップ交換は、比較的簡単に行える基本的なメンテナンス作業です。まず、古いグリップを取り外す際は、カッターで切れ込みを入れて手で裂く方法が一般的です。ただし、グリップとハンドルの間に細いドライバーを差し込み、浸透潤滑剤を吹き込んで回転させることで、切らずに取り外すことも可能です。
新しいグリップの選択では、NS-1の場合、内径22mmと24mmの汎用品が適合します。左側(クラッチ側)が22mm、右側(アクセル側)が24mmとなっており、これは一般的なオートバイの7/8インチハンドルに対応した規格です。ミニバイク用の短いタイプ(110mm程度)を選ぶか、普通サイズのものを使用するかは好みによります。
取り付け時の注意点として、左側の取り付けは比較的容易ですが、右側は慎重に行う必要があります。石鹸水や専用の潤滑剤を使用することで、スムーズに装着できます。接着剤を使用する場合は、品質の確かな製品を選択することが重要です。グリップは消耗品でもあるため、定期的な交換によってライディングの快適性を保つことができます。
NS-1のオイル交換について
#MBX50#NS1
ホームセンターにエンジンオイルを買いに行ったら高校生達と意気投合🏍
しばし原付2スト談義に花を咲かせましたか😌
その後家に帰ってオイル交換 pic.twitter.com/20gqwf3zPL— Kazuyuki_N (@ryopapa2nd) May 11, 2024
NS-1のオイル交換には、エンジンオイル(2ストロークオイル)とミッションオイルの2種類があります。エンジンオイルは厳密には交換ではなく、オイルタンクへの補充作業となります。ホンダ純正のウルトラGR2やウルトラ2スーパーが推奨されており、品質と信頼性の面で優れています。
ミッションオイルの交換は、車体右側のドレンボルトから古いオイルを抜き、新しいオイルを0.8リットル注入します。交換時期の目安は3,000km程度ですが、使用状況に応じて調整が必要です。オイルの粘度は10W-30が指定されており、ホンダ純正のウルトラUやウルトラG1などの4ストローク用エンジンオイルを使用します。
オイル交換の際の重要な注意点として、ミッションオイルには必ず4ストローク用エンジンオイルを使用してください。一般的な「ギアオイル」(GL規格)は湿式クラッチとの相性が悪いため、ホンダが指定するエンジンオイル相当の製品を選択することが重要です。ウルトラG1が定番ですが、同等の粘度を持つ他社製品でも代用可能です。
NS-1のスプロケット変更

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NS-1のスプロケット変更は、最高速度や加速性能をカスタマイズする効果的な方法です。ノーマル仕様ではフロント14丁、リア41丁の組み合わせで、チェーンは420サイズの128リンクが標準となっています。最高速重視の場合は、フロントを15丁に変更するか、リアを40丁に変更することで効果が得られます。
フロントスプロケットの交換は比較的簡単で、エンジン左側のカバーを外すだけでアクセスできます。キタコなどのアフターパーツメーカーから、肉抜き穴の開いたスポーツタイプも販売されています。一方、リアスプロケットの交換は後輪を外す必要があるため、作業難易度が高くなります。
スプロケット変更時の注意点として、歯数の組み合わせによってチェーンの長さも変更が必要になる場合があります。また、極端な変更は発進性能や最高速度に大きく影響するため、段階的に調整することが重要です。なお、歯車設計の一般論として、歯数の組み合わせは互いに素に近い数値を選ぶことで、チェーンとスプロケットの偏摩耗を軽減できる場合があります。
ホンダNS-1の後継機は何?

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残念ながら、NS-1に直接的な後継機は存在しません。1999年に生産終了となった後、ホンダからは同様のコンセプトを持つ50ccフルカウルスポーツバイクは発売されていません。これは、環境規制の強化により2ストロークエンジンの新車販売が困難になったことが主な要因です。
NS-1の系譜を辿ると、先代にはNS50F(エアロ)がありました。NS50Fは1987年から1990年まで販売されており、NS-1の基本的なコンセプトはここから受け継がれています。ただし、NS50Fにはメットインスペースがなく、通常のスポーツバイクの構成でした。NS-1では、1995年のマイナーチェンジでRVFをイメージした丸目2灯ヘッドライトの採用やDC-CDI化など、大幅な改良が施されました。
現在、ホンダの50ccラインナップでは、タクトなどのスクーター系が主流となっています。なお、PCXは125ccと160ccのモデルであり、50ccクラスではありません。また、かつて人気だったエイプ50はすでに生産終了となっており、現在の50ccミッション車としてはクロスカブ50がありますが、これは自動遠心クラッチを採用しており、手動クラッチのMTバイクとは異なります。2018年以降、ホンダの原付1種にフルカウルモデルは存在していないのが現状です。
総括:NS-1の高騰理由と中古価格相場を徹底解説
- NS-1は1991年2月15日発売で新車価格は27万9000円(税別)
- 1995年マイナーチェンジ後は29万9000円(税別)で1999年まで販売
- 現在の店頭掲載価格は45万円から60万円程度と高騰傾向
- 買取相場は業者により13万円から38万円程度の例がある
- 搭載エンジンは7.2馬力のAC08E型水冷2ストローク単気筒
- 最高速度は一般に約60km/hとされる(速度抑制装置により)
- 低速トルク不足やカウルの脆さが欠点として指摘される
- グリップ交換は内径22mmと24mmの汎用品が適合
- ミッションオイルは0.8L交換で10W-30の4ストローク用オイルを使用
- 標準スプロケットはフロント14丁、リア41丁で420チェーン128リンク