
出典:SUZUKI公式
GSX-S1000Fを購入したものの、思ったように曲がらないと感じていませんか。特に納車直後や低速域での扱いにくさに戸惑っている方も多いでしょう。GSX-R1000譲りの高性能エンジンを搭載しながら、ハンドリングに不満を感じるのは珍しくありません。
実際、多くのオーナーが低速での切れ込みや轍でのハンドルの取られやすさ、MT-07などの扱いやすいバイクからの乗り換えによるギャップに悩んでいます。しかし、適切なサスペンション設定やタイヤ選択、ライディング技術の工夫によって、GSX-S1000Fのポテンシャルを引き出すことは十分可能です。
また、スペックや最高速、燃費、航続距離といった基本性能、足つき性能、さらには生産終了時期や中古車選びのポイントまで、購入前後で気になる情報も併せて解説します。
- GSX-S1000Fが曲がらないと感じる具体的な原因とメカニズム
- サスペンション調整やタイヤ交換による改善方法
- スペックや燃費、足つきなどの基本性能データ
- 生産終了情報と中古車購入時の注意点
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GSX-S1000Fが曲がらないと感じる理由

Ride Style・イメージ
- 納車直後に感じる曲がりにくさの原因
- 低速域での切れ込みと高速域での安定性
- 標準タイヤの特性と轍への影響
- MT-07など他車種との乗り味の違い
納車直後に感じる曲がりにくさの原因
GSX-S1000Fを購入して最初の交差点を曲がった瞬間、あれっと違和感を覚えるライダーは少なくありません。納車直後に曲がりにくさを感じる主な原因として、サスペンションの初期設定が日本人ライダーの体格に合っていない可能性が挙げられます。
海外市場も視野に入れた大型バイクの場合、標準設定が体重80kgから90kg程度の欧米人の体格に合わせてセッティングされている傾向があると言われています。日本人ライダーの平均的な体重ではプリロードが強めに感じやすく、サスペンションの動き出しが遅いと感じることがあるのです。
体重60kg前後のライダーにとって、硬めに感じる場合があります。サスペンションが十分にストロークしないことで路面追従性が低下し、コーナリング時の接地感も得にくくなる傾向があります。
納車時の標準設定は海外市場も考慮した設定の可能性があり、日本人ライダーには硬めに感じやすい傾向があります。体重に合わせたプリロード調整を行うことで、乗り味が改善される可能性があるでしょう。
もう一つの要因として、GSX-R1000譲りの高剛性フレームとスイングアームが挙げられます。サーキット走行を前提とした強固なシャシーは、一般道での低中速域では過剛性となり、ライダーが意図した以上に安定志向の挙動を示すことがあります。
ただし、これは欠点というよりも特性の問題です。適切なセッティングと荷重移動を意識したライディングを身につけることで、この高剛性シャシーは峠道での高い安定性と正確なライントレース性能を発揮してくれます。
低速域での切れ込みと高速域での安定性
「こいつは今年のベストバイクだ!」バイクソーシャルでGSX-S1000Fが絶賛されておる。ファットな外観に似合わずハンドリングはクイックで、とにかく速いらしい。エンジンパワーは公称145馬力だがダイノ上では167馬力を叩き出してるとか pic.twitter.com/4aTVxYi1Ne
— MMGP (@motto_motogp) July 3, 2015
GSX-S1000Fのハンドリング特性は、速度域によって性格が変わるという報告が多く見られます。低速域では切れ込むような挙動を示す一方、それ以上の速度では前輪が遠回りするような感覚を覚えるという、一見矛盾した特性が報告されています。
低速での切れ込み感は、キャスター角25度という比較的立った設計と、軽量な車体が組み合わさった結果と考えられます。特に交差点や住宅街での直角コーナーなど、極低速での切り返しでは予想以上にバイクが寝てしまい、コントロールに神経を使うという声があります。
逆に中高速域になると、今度はフロントタイヤがインに切れ込まず、アウト側に膨らむような感覚が生じることがあります。これはサスペンションの設定が硬めであることで路面追従性が不足し、荷重が適切にタイヤに伝わっていないことが原因となっている可能性があります。
低速と高速で異なる挙動を示すのは、サスペンションセッティングのミスマッチが原因の一つと考えられます。プリロードを弱め、減衰力を調整することで、速度域による挙動の差を小さくできる場合があります。
多くのオーナーが指摘するように、体重移動をしっかり行うことでこの問題は改善される傾向があります。コーナー進入時に意識的にフロント荷重を作り、旋回中はインナー側のステップに荷重をかけることで、バイクは素直に曲がるようになります。
ただし、これはMT-07のように視線を向けるだけで曲がっていくような扱いやすさとは異なる性格です。GSX-S1000Fは積極的に操る楽しさを持つバイクであり、ライダーの入力に応じて応えてくれる特性を持っています。
標準タイヤの特性と轍への影響

Ride Style・イメージ
GSX-S1000Fには年式や販売市場によって標準装着タイヤが異なり、Dunlop D214が標準装着された例(装着例)があるモデルも存在します。このタイヤは専用設計のハイグリップタイヤですが、路面追従性という点では課題を感じるオーナーもいます。特に轍でハンドルを取られやすいという声は、多くのオーナーから聞かれる共通の悩みです。
リアタイヤが標準で190mmという太さになっていることで、轍の溝にはまりやすく、路面の凹凸にも敏感に反応しやすい傾向があります。実際、タイヤ幅が広いほど轍の影響を受けやすいという特性があるのです。
D214の特性として、グリップ力は高いものの、路面のギャップを拾いやすく、硬めのフィーリングがあるという評価が見られます。これに硬めのサスペンション設定が組み合わさることで、突き上げ感が強調され、ハンドルにも振動が伝わりやすくなる場合があります。
標準タイヤについて、走行距離が増えると性能低下を感じたという報告例があります。溝が残っていても性能低下を感じたら、早めの交換を検討した方が安全です。
タイヤ交換による改善効果は大きいと評価するオーナーが多く見られます。パイロットパワー2CTやダンロップのクオリファイヤー2などに交換することで、アンダーステアの解消、轍への鈍感さ、低速での切れ込みの軽減といった複数の問題が改善されたという体験談が報告されています。
タイヤはバイクの性格を左右する重要な要素です。標準タイヤで満足できない場合、次回の交換時には別銘柄を試してみる価値は十分にあります。なお、一部のオーナーはリアタイヤを180/55に細くすることで扱いやすさが向上したと報告していますが、サイズ変更は速度計の誤差や車検適合に影響する可能性があるため、専門ショップでの相談をお勧めします。
MT-07など他車種との乗り味の違い
MT-07は軽くていい!って思ったけど確かにコーナリングでのしっかりしたグリップ感ってのは余り感じない
GSX-S1000Fはすごいグリップ感あってやっぱ重量だよなって思ったw— dkさん (@utaudk) September 11, 2023
MT-07からGSX-S1000Fに乗り換えたライダーが違和感を覚えるのは、自然なことかもしれません。両車は異なるコンセプトで設計されており、求められるライディングスタイルも異なります。
MT-07は視線を向けるだけで曲がっていくような、バイク側から寄ってくる優しさを持ったハンドリングが特徴です。CPツインエンジンの扱いやすさと相まって、ライダーのスキルに関わらず楽しめる懐の深さがあります。一方、GSX-S1000Fはレプリカに近い硬さを持ち、ある程度決めて入る必要があるという性格の違いがあります。
MT-07の扱いやすさに慣れていると、GSX-S1000Fは曲がらないと感じてしまう場合があります。しかし、これは性能の優劣ではなく、キャラクターの違いです。積極的に操る楽しさを求めるなら、GSX-S1000Fは魅力的な選択肢となります。
リッタークラスの速度域で安定して走れることを考えると、一般道での扱いやすさとトレードオフになる面があります。FZR1000やCBR900RRといった過去のスポーツバイクに乗っていた経験があれば、そのときのライディングスタイルを思い出すことで、GSX-S1000Fの本質が理解できるでしょう。
GSX-S1000Fを曲がらないと感じさせない対策

Ride Style・イメージ
- サスペンション設定の最適化方法
- プリロード調整で変わるハンドリング
- タイヤ交換による乗り味の改善
- 荷重移動を意識したライディング技術
サスペンション設定の最適化方法
GSX-S1000Fのハンドリングを改善する効果的な方法の一つが、サスペンションの適切な調整です。標準設定のままでは日本人ライダーの体格に合わず、本来の性能を発揮できないことがあるのです。
まず取り組むべきは、サグ出しによる適正なプリロード設定です。サグとは、ライダーが乗車した状態でサスペンションがどれだけ沈むかを示す値であり、一般的にリアサスの場合は全ストロークの3分の1程度が理想とされています。
サグ出しの手順は、まずバイクをメンテナンススタンドで立てた状態でサスペンションの長さを測定します。次にライダーが通常の乗車姿勢で跨った状態で再度測定し、その差がストロークの約3分の1になるようプリロードを調整するのです。
体重55kgのライダーがサグ出しを行った結果、リアのプリロードが最弱設定になったという事例があります。体重が軽いライダーほど、標準設定から大きく変更する必要がある場合があることを示しています。初期設定は個体や年式によって異なる場合があるため、取扱説明書やサービスマニュアルを参照してください。
フロントサスペンションについては、プリロードに加えて減衰力の調整も可能です。GSX-S1000FはKYB製の43mmフルアジャスタブル倒立フォークを装備しており、伸び側と圧側の減衰力を細かく調整できます。
伸び側減衰力は、サスペンションが戻る速度をコントロールします。これを最弱から数段階柔らかくすることで、路面追従性が向上し、ゴツゴツした乗り心地が改善される可能性があります。ただし、柔らかくしすぎると安定性が損なわれる可能性があるため、段階的に調整しながら最適点を見つけることが大切です。
リアサスペンションは、プリロードと伸び側減衰力が調整可能です。標準設定では硬めに感じる場合、プリロードを最弱にし、伸び側減衰力も柔らかめにすることで、乗り心地とハンドリングの両面が改善される可能性があります。
サスペンション調整は奥が深く、やりすぎると逆効果になることもあります。一度に大きく変更せず、1段階ずつ調整して試走を繰り返すことで、自分に合った設定を見つけましょう。
車載工具に含まれるフックレンチを使えば、工具を買い足すことなくリアのプリロード調整が可能です。作業自体は5分程度で完了し、気に入らなければすぐに元に戻せるため、まずは試してみる価値があります。
プリロード調整で変わるハンドリング
MT-07は軽くていい!って思ったけど確かにコーナリングでのしっかりしたグリップ感ってのは余り感じない
GSX-S1000Fはすごいグリップ感あってやっぱ重量だよなって思ったw— dkさん (@utaudk) September 11, 2023
プリロードの調整だけで、GSX-S1000Fのハンドリングは変化します。多くのオーナー報告によると、リアのプリロードを弱めることで、乗り心地と曲がりやすさが改善したという声があります。
プリロードを弱めることで、サスペンションの初期作動性が向上します。つまり、小さな路面の凹凸にもサスペンションが反応しやすくなり、タイヤが常に路面をしっかり捉えられるようになる可能性があるのです。
具体的な効果として、まず継ぎ目やギャップでの跳ね上げ感が軽減されることがあります。これまで腰に響いていた突き上げが、サスペンションがしなやかに動くことで吸収され、快適性が向上する傾向があります。
フロントとリアの両方をプリロード最弱にしたところ、今まで跳ねまくっていたギャップが気にならなくなったという体験談があります。調整の効果は想像以上に大きい場合があるのです。
ハンドリング面では、コーナー進入時のフロントタイヤの接地感が明確になる可能性があります。プリロードが適正になることでサスペンションがスムーズに動き、ブレーキング時の荷重移動が自然に行われるため、狙ったラインにバイクを乗せやすくなります。
コーナリング中のフラフラ感が心配されるかもしれませんが、純正サスペンションは調整幅が適切に制限されているため、最弱設定でも安定性を致命的に失うことは通常ありません。むしろ、サスペンションが動くことでタイヤのグリップが生かされ、結果的に安定性が向上する場合があります。
注意点として、プリロードを弱めた後は、フロントとリアのバランスを確認することが重要です。どちらか一方だけを極端に変更すると、車体の前後バランスが崩れ、かえって扱いにくくなる可能性があります。
また、2500km程度走行してサスペンションが馴染んでくると、さらに動きがスムーズになることがあります。調整直後と数千km走行後では感触が変わることもあるため、定期的に見直すことをお勧めします。
タイヤ交換による乗り味の改善

Ride Style・イメージ
標準装着タイヤに不満がある場合、タイヤ交換は効果的な改善策の一つです。多くのオーナーが、タイヤを変えただけでGSX-S1000Fの乗り味が変化したと証言しています。
推奨されるタイヤとして、ミシュランのパイロットパワー2CTがあります。このタイヤに交換したオーナーからは、アンダーステアの解消、轍が気にならなくなった、極低速での切れ込みがなくなったという、複数のネガティブ要素が改善されたという報告が寄せられています。
ダンロップのクオリファイヤー2も高評価を得ています。一部のライダーは、標準タイヤ装着時には不満だったのに、クオリファイヤー2に交換後は満足できるバイクになったと評価しているほどです。
タイヤによってハンドリングが結構変化するバイクだという指摘があります。これは裏を返せば、タイヤ選択の自由度が高く、自分好みの性格に仕立てやすいということでもあります。
ミシュランのパイロットロード4も、滑らかな乗り心地とコーナリングでの倒れ込みの安定感で高評価です。標準のブリジストンバトラックスと比較して、切れ込みの早さや轍での取られやすさが変化したという体験談もあります。
タイヤ交換は1500kmで行うのはもったいないため、寿命まで乗ってから次のタイヤを選ぶのが賢明です。その間に情報収集を行い、自分の用途に最適なタイヤを見極めましょう。また、標準サイズ(前120/70ZR17・後190/50ZR17)から変更する場合は、速度計の誤差や車検適合性について専門ショップに相談することをお勧めします。
タイヤ選びのポイントとして、ツーリング重視ならライフと快適性、スポーツ走行重視ならグリップと応答性を優先します。GSX-S1000Fの用途を明確にした上で、それに合ったタイヤを選択することが満足度を高める鍵となります。
荷重移動を意識したライディング技術
今日も試乗会に参戦✨
まさかの約15kmを30分強かけて、プチツーリング🏍️
しかもマシンは、GSX-S1000Fと、けっこうなパワーモデルでチームKAGAYAMAのカラーで、目立ち度満点🎵
中途半端なライディングはできないと思いドキドキでしたが、足の良さとパワーを楽しめ、最高の一時でした pic.twitter.com/Z9zNsRJvEM— やっす~☆ (@yasu_ely) July 15, 2019
サスペンションやタイヤの調整と並んで重要なのが、ライディング技術の見直しです。GSX-S1000Fは積極的な荷重移動によって本来の性能を発揮する性格のバイクであり、受け身な乗り方では真価を引き出せない可能性があります。
コーナー進入時のブレーキングでは、意識的にフロント荷重を作ることが重要です。上体を前に移動させ、腕でハンドルを押し込むようなイメージで荷重をかけることで、フロントタイヤの接地感が増し、狙ったラインに正確に進入できます。
旋回中は、インナー側のステップに体重を乗せることを意識します。外側の膝でタンクをしっかりホールドしながら、内側のステップを踏み込むことで、バイクは自然に旋回方向へ倒れ込んでいきます。
体重移動をしっかりやれば曲げやすくなる感じがするという指摘があります。GSX-S1000Fは、ライダーの入力に素直に応える性格なのです。
立ち上がり時は、早めにスロットルを開けて後輪に荷重を移します。これによってフロントタイヤへの負担が減り、切れ込みすぎを防ぐことができます。ただし、急激なスロットル操作は避け、スムーズに開けていくことが大切です。
低速域での扱いについては、ニーグリップとステップ荷重でしっかり体を支えることがポイントです。シートにどっしり座り込むのではなく、下半身でバイクをコントロールする意識を持つことで、細かい切り返しもスムーズに行えます。
峠道などのスポーツ走行では、視線を早めに次のコーナーの出口に向けることも効果的です。視線を送った方向にバイクは自然に進むため、無理な操作をせずともスムーズにラインを描けるようになります。
積極的な荷重移動は、慣れないうちは疲れやすくなります。年齢的な問題もあるため、無理のない範囲で徐々に慣れていくことが大切です。辛くなったら買い替えを検討するのも一つの選択肢でしょう。
GSX-S1000Fは積極的な操作を求める性格のバイクです。しかし、その分だけライダーの技術向上を実感しやすく、乗りこなせるようになったときの喜びは大きいものがあります。時間をかけて付き合っていく価値のあるバイクだと言えます。
GSX-S1000Fの基本情報と購入ガイド

Ride Style・イメージ
- スペック
- 最高速
- 燃費・航続距離は?
- 足つき
- GSX-S1000Fの生産終了はいつですか?
- 中古
スペック
GSX-S1000Fの基本スペックを理解することは、このバイクの性格を知る上で重要です。エンジンは水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒の998ccで、最高出力は148PS(109kW)を10000rpmで発生します(国内仕様の公称値、2017年以降)。
最大トルクは10.9kgf・m(107N・m)を9500rpmで発生し、低回転域から力強いトルクを発揮します。これはGSX-R1000のK5型エンジンをベースにストリート向けにチューニングしたもので、公道での扱いやすさを重視した設定となっています。
車両重量は214kgと、リッタークラスのフルカウルバイクとしては非常に軽量です。ちなみに、ネイキッド版のGSX-S1000は209kgとさらに5kg軽くなっています。この軽さが、取り回しの良さと運動性能の高さに貢献しています。
項目 | 数値 |
---|---|
全長×全幅×全高 | 2115mm×795mm×1180mm |
ホイールベース | 1460mm |
シート高 | 810mm |
最低地上高 | 140mm |
キャスター角 | 25度 |
トレール量 | 100mm |
最小回転半径 | 3.1m |
燃料タンク容量は17リットルで、無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)を使用します。トランスミッションは6速リターン式で、クロスレシオの設定となっており、どのギアでも力強い加速が可能となっています。
ブレーキはフロントがブレンボ製ラジアルマウントモノブロック対向4ポットキャリパーにφ310mmディスク、リアがニッシン製シングルピストンキャリパーという組み合わせです。前後ともABS標準装備で、安全性も確保されています。
サスペンションはフロントがKYB製43mm倒立式フルアジャスタブル、リアがリンク式でプリロードと伸び側減衰が調整可能です。タイヤサイズは前が120/70ZR17、後ろが190/50ZR17となっています。
2017年モデルからはスリッパークラッチが標準装備となり、シフトダウン時のバックトルクを自動的に逃がしてくれます。これにより、スポーツ走行時の扱いやすさが向上しました。また、同年に最高出力が145PSから148PSに向上しています。
トラクションコントロールシステムは3段階(1・2・3)とOFFの設定が可能で、路面状況や走行シーンに応じて調整できます。モード2が汎用性が高く、通常の走行ではこの設定がお勧めです。
最高速
今日も試乗会に参戦✨
まさかの約15kmを30分強かけて、プチツーリング🏍️
しかもマシンは、GSX-S1000Fと、けっこうなパワーモデルでチームKAGAYAMAのカラーで、目立ち度満点🎵
中途半端なライディングはできないと思いドキドキでしたが、足の良さとパワーを楽しめ、最高の一時でした pic.twitter.com/Z9zNsRJvEM— やっす~☆ (@yasu_ely) July 15, 2019
GSX-S1000Fの理論上の最高速度は、6速ギアで10000rpmまで回した場合、ギア比から計算すると約230km/hに到達します。レブリミット付近まで回せば、理論上は260km/h以上に達する可能性がありますが、これはあくまで空力や路面抵抗などの要因を考慮しない理論値です。
以下の「最高速」「各ギヤの理論速度」「6速100km/h時のエンジン回転数(約4350rpm)」は、いずれもギヤ比と後輪タイヤ外径に基づく概算です※1。
多くの国内向けモデルには、180km/h付近で作動する自主規制リミッターが装備されてきた経緯があります。ただし、年式や仕様によって異なる場合があります。
サーキットなどの閉鎖されたコースにおいて、リミッター解除などの改造を施した車両で280km/h前後に達したという報告例がありますが、これは特殊な条件下での記録であり、公道での再現は不可能かつ違法です。
公道での速度超過は重大な違反行為であり、自分だけでなく他者の命も危険にさらします。最高速性能はあくまでバイクのポテンシャルを示す参考値として理解し、実際に試すことは避けるべきです。
各ギアでの理論上の最高速度を見ると、1速で約114km/h、2速で約142km/h、3速で約170km/hとなります。4速では約195km/h、5速で約215km/hに達し、一般道での法定速度を大きく超える性能を持っています。これらはあくまでギア比から算出した理論値であり、実際には空力抵抗や路面状況によって変動します。
高速道路での巡航性能に目を向けると、6速100km/h巡航時のエンジン回転数は概算でおよそ4350rpm程度となります。これは最高出力発生回転数の半分以下であり、エンジンに余裕を持たせた快適な巡航が可能な設定となっています。ただし、この数値は概算であり、年式や実測条件によって前後する可能性があります。
フルカウル装着により、ネイキッド版のGSX-S1000と比較して高速域での安定性は向上しています。ただし、純粋なツーリングバイクほどの防風性能はないため、長時間の高速巡航では多少の疲労は避けられません。
燃費・航続距離は?

Ride Style・イメージ
GSX-S1000Fの燃費は、走行状況によって大きく変動します。カタログ値では定地走行60km/hで24.3km/L、WMTCモードで19.1km/L(年式により微差あり、18.7〜19.2km/L)とされていますが、実走行では異なる数値となることが一般的です。
高速道路中心のツーリングでは、燃費は20km/Lから25km/Lの範囲に収まることが多いようです。実際の測定例として、高速道路403.3kmを走行した際の燃費が18.39km/Lという記録があります。一方、一般道でのツーリングペースでは20.78km/Lという良好な数値も報告されています。
街乗り中心の使用では、燃費は15km/Lから18km/L程度になる傾向があります。信号が多い市街地や渋滞路では、さらに悪化する可能性があります。峠道でエンジンを高回転まで回して走ると、10km/L程度まで落ちることもあるようです。
走行シーン | 燃費の目安 |
---|---|
高速道路巡航 | 20〜25km/L |
一般道ツーリング | 18〜23km/L |
街乗り | 15〜18km/L |
峠道スポーツ走行 | 10〜15km/L |
燃料タンク容量17リットルから航続距離を計算すると、高速道路中心なら340kmから425km程度、一般道ツーリングなら306kmから391km程度が目安となります。ただし、ガソリン残量警告灯が点灯してからの走行可能距離を考慮する必要があります。
安全を考慮した実用的な航続距離は、200kmから250km程度と考えておくのが無難です。300km以上の長距離ツーリングでは、途中での給油を計画に組み込んでおくことをお勧めします。
使用燃料は無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)指定です。レギュラーガソリンを使用すると、エンジンの性能が十分に発揮されず、ノッキングなどのトラブルの原因となる可能性があります。
燃費を向上させるコツとして、不必要な急加速を避け、エンジン回転数を5000rpm以下に抑えることが効果的です。高速道路では6速で巡航することで、エンジン回転数を低く保ち、燃料消費を抑えられます。
メーター内に燃費計が装備されており、リアルタイムで燃費を確認できます。ただし、年式や仕様によって表示内容が異なる場合があります。これを参考にしながら、自分の走り方と燃費の関係を把握することで、より効率的な運転が可能になります。
足つき
#乗ってるバイク名と長所と短所書いてけ
GSX-S1000F長所
速い軽い安い
足つきの良さ
運転姿勢の楽さ
余裕の長距離ツーリング
ノーマルでも心地良いサウンド短所
使い切れないパワー
正直次はCB400SF欲しい pic.twitter.com/10jO3Udd4h— にっしん 🐢カメライダー📷 (@nisshin240y) February 10, 2016
GSX-S1000Fの足つき性は、リッタークラスのスポーツバイクとしては良好な部類に入ります。シート高は810mmで、これは同クラスの他車と比較しても低めに設定されているのです。
身長170cmのライダーの場合、両足のつま先が接地する程度となります。完全なベタ足とはいきませんが、信号待ちや駐車時に不安を感じるほどではありません。身長176cmになると、両足カカトまでベタっと接地し、全く問題なくなります。ただし、これらは体格や装備、靴底の厚さなどによって個人差があります。
足つき性が良好な理由として、シート前方部分が絞り込まれた形状になっていることが挙げられます。ダウンドラフトタイプの吸気システムを採用しているため、タンク周りがスリムに設計されており、足を下ろしやすい構造となっているのです。
車両重量214kgという軽さも、足つき性の良さに貢献しています。停車時に片足で支えるのも比較的楽で、立ちゴケのリスクも低減されています。
前モデルのFZS1000はシート高820mmで、さらにホリゾンタル配置の4連キャブレターのためタンク周りが太く、足つき性はかなり悪いと評されていました。それと比較すると、GSX-S1000Fの改善は明確です。
ただし、身長160cm前後のライダーの場合、両足つま先立ちとなり、やや不安を感じる可能性があります。この場合、ローダウンキットの装着や、シート加工によるシート高の調整を検討する価値があります。
シート高を下げすぎると、コーナリング時のバンク角が制限されたり、サスペンションのストローク量が減少したりするデメリットもあります。足つき性と運動性能のバランスを考慮した調整が必要です。
シートの座面は比較的平坦で、前後に移動しやすい形状です。これにより、停車時は前方に座って足つき性を確保し、走行時は最適なポジションに移動するといった使い分けが可能です。
取り回しについては、軽量な車体のおかげで押し歩きやバックも比較的楽に行えます。駐車場などでの取り回しも、慣れれば問題なくこなせるでしょう。
GSX-S1000Fの生産終了はいつですか?

Ride Style・イメージ
GSX-S1000Fは2022年頃に販売終了となりました。後継モデルとして、2022年2月17日にGSX-S1000GTが国内発売され、ツーリング性能を大幅に強化した仕様となっています。
生産終了の背景には、より厳格化された排出ガス規制への対応があります。平成32年(令和2年)排出ガス規制に適合させるため、エンジンやその他のシステムを全面的に見直す必要があり、これを機にモデルチェンジが行われたのです。
GSX-S1000Fが販売されていた期間は、2015年7月から2022年頃までの約7年間です。その間、2017年に大きなマイナーチェンジが行われ、最高出力が145PSから148PSに向上し、スリッパークラッチが追加装備されました。
2021年にはネイキッド版のGSX-S1000がフルモデルチェンジを受け、電子制御システムS.I.R.S.を搭載した新型となりました。しかし、カウル付きのFはそのタイミングではモデルチェンジされず、翌年のGT登場まで継続販売されていました。
後継のGSX-S1000GTは、GSX-S1000Fと比較して多くの点で進化しています。6.5インチフルカラーTFT液晶メーター、パワーモードセレクター内蔵のSDMS、5段階調整可能なトラクションコントロール、双方向クイックシフトシステムなど、先進装備が大幅に充実しました。
ウインドスクリーンもサイズが拡大され、より快適な長距離ツーリングが可能となっています。車両重量は226kgと12kg増加していますが、それを補って余りある快適性の向上が図られています。
価格面では、GSX-S1000Fが120万7800円(税込)だったのに対し、GSX-S1000GTは発売当初159万5000円(税込)でした。現在のメーカー希望小売価格は165万円(税込)となっています。先進装備の充実を考えれば妥当な価格差とも言えますが、コストパフォーマンスではFに軍配が上がります。
GSX-S1000Fは生産終了したものの、中古車市場では引き続き人気があります。シンプルな装備ながら本質的な走りの良さと、比較的手頃な価格が評価されているのです。
生産終了により、新車での購入は不可能となりましたが、在庫車や未登録車が残っている可能性もあります。新車同様の個体を探している場合は、ディーラーに問い合わせてみる価値があるでしょう。
中古
GSX-S1000Fを買いました。27日に納車です。正規店の中古で保証も付いてます。わたくし、すずきさんなのに初スズキバイク。そして日本人ですが初国産大型バイクです! pic.twitter.com/G2xmo1mFtE
— thief (@thief_suzuki) March 19, 2022
GSX-S1000Fの中古車市場は、比較的活発に取引が行われています。中古車価格は走行距離や年式、車両状態によって大きく変動するため、購入時は複数の物件を比較検討することが重要です。
年式による価格差を見ると、初期型の2015年モデルは比較的手頃な価格帯、マイナーチェンジ後の2017年以降のモデルはやや高めの価格帯となる傾向があります。スリッパークラッチ装備の有無が、価格差に影響していると考えられます。
走行距離については、1万km未満の低走行車は高値傾向、2万kmから3万kmの標準的な走行距離では中価格帯、5万km以上の高走行車では低価格帯という傾向が見られます。
中古車を選ぶ際の注意点として、排気デバイスの状態確認が重要です。GSX-S1000Fでは排気デバイスに関する症状報告例があるため、試乗時にエンジンチェックランプの点灯がないか確認することをお勧めします。
サスペンションのオイル漏れやガタつきも要チェックポイントです。特にフロントフォークのインナーチューブに傷や錆がないか、リアサスペンションからオイルが漏れていないか、実車を見て確認することが大切です。
転倒歴のある車両は、フレームやカウルに歪みが生じている可能性があります。カウルの合わせ目に不自然な隙間がないか、ハンドルを切った際の動きがスムーズかなど、細かく確認することをお勧めします。
カスタム車両を購入する場合は、改造内容が車検に適合しているか確認が必要です。特にマフラー交換車は、音量規制値をクリアしているか、排気デバイスがキャンセルされていないかなど、法規制に関わる部分を慎重にチェックしましょう。
購入後のメンテナンスコストも考慮に入れる必要があります。タイヤ交換費用は前後で4万円から6万円程度、ブレーキパッド交換は前後で2万円から3万円程度が目安となります。ブレンボキャリパー装備のため、パーツ代はやや高めです。
整備記録簿の有無も重要な判断材料です。定期的にメンテナンスされていた車両は、トラブルのリスクが低く、安心して購入できます。逆に記録簿がない車両は、整備状況が不明なため避けた方が無難でしょう。
中古車購入時の総費用として、車両本体価格に加えて、諸費用が10万円から15万円程度、任意保険料が年間5万円から10万円程度必要になります。予算計画を立てる際は、これらの費用も含めて検討することが重要です。
総括:GSX-S1000Fは曲がらない?スペックと最高速・燃費を解説
- GSX-S1000Fが曲がらないと感じる主な原因は標準サスペンション設定が日本人の体格に合っていない可能性があること
- 低速域での切れ込みと高速域での安定性という報告が多い
- 標準装着タイヤは年式・市場で異なり、D214の装着例がある
- MT-07などの扱いやすいバイクとは求められるライディングスタイルが異なる
- サグ出しによる適正なプリロード設定が効果的な改善方法の一つ
- プリロードを弱めることで乗り心地とハンドリングが改善するというオーナー報告がある
- パイロットパワー2CTやクオリファイヤー2へのタイヤ交換で複数の問題が同時に解消される事例がある
- 積極的な荷重移動を意識したライディング技術の習得が重要
- 最高出力148PS(国内仕様公称値、2017年以降)で車両重量214kgというパワーウェイトレシオの良さが魅力
- 最高速・各ギヤ理論速度・100km/h時の回転数はギヤ比とタイヤ外径からの概算
- 実燃費は高速道路で20から25km/L、一般道で18から23km/L程度が目安(カタログ値は年式で微差あり)
- 航続距離は安全を考慮すると200kmから250km程度が実用的な目安
- シート高810mmで足つき性は良好、身長170cmで両足つま先が接地する傾向がある
- 2022年頃に販売終了し後継モデルGSX-S1000GTが発売当初159万5000円(税込)で登場、現在は165万円(税込)
- 中古車購入時は排気デバイスの症状報告例があるため状態確認が重要
※1 計算根拠(概算):一次減速比×各段変速比×二次減速比から「後輪1回転あたりのエンジン回転数」を求め、車速[km/h]=(タイヤ外周[m]×後輪回転数[rpm]×60)÷1000で算出。タイヤ外径は標準サイズ190/50ZR17の名目寸法から外周を概算(空気圧・荷重・実測リム幅により変動)。実車の誤差・スリップ・空力抵抗・計器誤差等は未考慮のため、あくまで参考値。