CB1100Fのスペック・最高速・燃費・足つき・中古相場徹底解説

CB1100Fのスペック・最高速・燃費・足つき・中古相場徹底解説

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ホンダが1983年に発売したCB1100Fは、わずか1年間のみ生産された幻の名車として多くのファンを魅了し続けています。CB1100Rの技術を受け継ぎながらも、より手軽に高性能を楽しめるモデルとして誕生したこのバイクは、現在でも旧車愛好家から高い評価を得ています。

この記事では、CB1100Fのスペックや最高速、馬力といった基本性能から、燃費や足つき性といった実用面、さらには空気圧やオイル量などのメンテナンス情報まで、購入を検討している方が知りたい情報を網羅的に解説します。

  • CB1100Fの詳細なスペックと性能数値
  • 実際の燃費性能と足つき性について
  • メンテナンスに必要な空気圧やオイル量の情報
  • 中古車市場の現状とカスタム事例
目次

CB1100Fの基本情報とスペック詳細

CB1100Fの基本情報とスペック詳細

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  • CB1100Fのスペック一覧
  • CB1100Fの最高速と馬力性能
  • CB1100Fの燃費性能と実燃費
  • CB1100Fの足つき性と車体サイズ

CB1100Fのスペック一覧

CB1100Fは1983年にホンダが海外市場向けに発売した大型ネイキッドバイクです。型式名はSC11で、空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒エンジンを搭載しています。生産期間は北米では1983年のみでしたが、地域により1984年型も流通していました。

CB1100Fの主要諸元を以下の表にまとめました。購入を検討される際の参考にしてください。

項目 仕様
型式 SC11
エンジン形式 空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 1062.2cc
ボア×ストローク 70.0×69.0mm
圧縮比 9.7
最高出力 104-110PS(市場・資料により差あり)
最大トルク 9.0kgf・m/7500rpm
車両重量(乾燥) 243kg
燃料タンク容量 20L
変速機形式 5速リターン

注目すべき点は、CB1100RのR譲りの1062cc系統エンジンを搭載していることです。一部共通性があると言われており、高い技術的系譜を受け継いでいます。

車体サイズについては、全長×全幅×全高が2260×805×1125mmとなっています(資料により差があります)。ホイールベースは1520mmで、シート高は約800-820mm(資料により差があります)です。

CB1100Fの最高速と馬力性能

CB1100Fの最高出力は市場や資料により104-110PS程度(108hp相当)とされており、回転数は8500rpmです。これは1980年代初頭としては非常に高い性能値でした。

最高速については公式な発表はありませんが、当時のサイクルワールド誌の実測によると1/2マイルで141mph(約227km/h)という記録があります。ただし、当時の車体設計やブレーキ性能を考慮すると、高速域での運転には十分な注意が必要です。

CB1100Fは30年以上前の設計であるため、現代のスーパースポーツバイクと比較すると、ブレーキ性能や車体剛性の面で劣る部分があります。高速走行時は特に注意深く運転することが重要です。

エンジン特性としては、CB900Fよりもボアを5.5mm拡大することで排気量を1062ccまで向上させており、低速域から高速域まで満遍なくパワーを発揮する特性を持っています。多くのオーナーから「CB750FやCB900Fと比較しても明らかに低速から高速域までパワーがある」という評価を得ています。

CB1100Fの燃費性能と実燃費

CB1100Fの燃費性能と実燃費

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CB1100Fの燃費性能については、オーナー報告ベースによると一般道で13-19km/L、高速道路で15-21km/Lという数値が報告されています。なお、これらは公式データではなく、オーナーの体験談に基づく情報です。

具体的なオーナーの燃費データは以下の通りです:

  • 1984年式オーナー:一般道19.0km/L、高速道21.0km/L
  • 1983年式オーナー:一般道13.0km/L、高速道15.0km/L
  • 別の1984年式オーナー:一般道14.0km/L、高速道16.0km/L

燃費の幅が大きいのは、エンジンの整備状況や乗り方によって大きく左右されるためです。また、1100ccという大排気量であることから、現代のバイクと比較すると燃費性能は劣ります。

CB1100Fの燃料タンク容量は20Lです。燃費を15km/Lと仮定すると、航続距離は約300kmとなります。ツーリング時は給油間隔を十分に考慮した計画を立てることをおすすめします。

CB1100Fの足つき性と車体サイズ

CB1100Fのシート高は約800-820mmに設定されており(資料により差があります)、1980年代のビッグバイクとしては標準的な高さです。ただし、現代のバイクと比較すると若干高めの設定となっています。

多くの体験談によると、身長165cm以下のライダーの場合、かかとが浮く状態となることが報告されています。これは当時の設計思想として、スポーツ性を重視したポジション設定が採用されているためです。

車両重量は乾燥重量で243kgとなっており、現代の大型バイクと比較しても決して軽いとは言えない重量です。しかし、多くのオーナーからは「動き出すとクルーザーのような安定感がある」という評価を得ています。

足つき性に不安がある場合は、購入前に実際にまたがってみることをおすすめします。ただし、CB1100Fの展示車両を見つけるのは困難なため、販売店に相談してみてください。

ホイールサイズは代表的な仕様差として、北米仕様がフロント18インチ・リア17インチ、欧州仕様では前後とも18インチが採用されていました。

CB1100Fのメンテナンスと購入情報

CB1100Fのメンテナンスと購入情報

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  • CB1100Fの空気圧設定値
  • CB1100Fのオイル量と交換方法
  • CB1100Fのマフラーカスタム
  • CB1100Fのフルカスタム事例
  • CB1100Fのコンセプトと開発背景
  • CB1100Fの中古車相場と選び方
  • CB1100Fの新型?復活の可能性

CB1100Fの空気圧設定値

CB1100Fの適正空気圧は、一般的な目安としてフロントタイヤが2.50kgf/cm²(36psi)、リアタイヤが2.90kgf/cm²(41psi)とされています。ただし、これらの数値は現代のCB1100の取扱説明書を参考にした値であり、CB1100F当時の公式値と同一とは限りません。タイヤメーカーや使用状況によって微調整が必要な場合があります。

タイヤサイズはフロントが100/90V18、リアが130/90V17となっており、現在でもこのサイズに対応するタイヤは複数のメーカーから発売されています。ただし、選択肢は現代のバイクと比較すると限られているのが現状です。

空気圧の点検は月に一度は実施することをおすすめします。特に季節の変わり目は気温変化による影響で空気圧が変動しやすいため、こまめなチェックが重要です。

また、CB1100Fのオーナーからは「履けるタイヤが限られる」という声も上がっています。購入を検討される際は、交換用タイヤの入手性についても事前に確認しておくことが大切です。

CB1100Fのオイル量と交換方法

CB1100Fのエンジンオイル容量は、オイル交換時で約4.0L、フィルター同時交換時で約4.5Lとなっています。オイル交換の際は、エンジンを十分に暖機してから作業を行い、オイルが完全に排出されるまで時間をかけることが重要です。

オイル量の確認方法については、エンジン停止後5分程度待ってからオイルゲージを一度抜き取り、きれいに拭き取ってから再度挿入して確認します。多くのオーナーが経験することですが、エンジン停止直後と少し時間を置いた後では、ゲージで示されるオイル量が変わることがあります。

一部のオーナーは特殊なサスセッティングのために規定値より多めにオイルを入れているという報告もありますが、これは個別事情による対応であり、一般的には推奨されません。規定値での使用を基本としてください。

推奨オイルについては、整備現場でよく推奨されるのが「ホンダ純正オイル」で、特にG2の10W-40が古いホンダ車に適しているという意見があります。化学合成油は避けるべきという意見も見られますが、最終的な判断は車両状態やオーナーの方針次第となります。

CB1100Fのマフラーカスタム

CB1100Fのマフラーカスタム

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CB1100Fのマフラーカスタムは、多くのオーナーが手を加える人気の改造項目です。純正マフラーはブラッククローム処理された2本出しの仕様ですが、カスタムでは4-1集合管や4本出しマフラーへの交換が人気です。

CB1100F向けのマフラーとして、主に入手しやすいのはDelkevicなどのメーカーです。Vance & HinesやKerker系については中古流通が中心となっています。これらのメーカーはCB1100Fに対応した製品を提供しており、性能向上と音質改善を図ることができます。

マフラー交換は音量や排ガス規制の問題もあります。公道で使用する場合は、車検対応品を選択することが重要です。また、音量については近隣への配慮も忘れずに。

マフラー交換によるエンジン特性の変化も考慮する必要があります。多くの場合、キャブレターのセッティング変更も併せて行う必要があり、専門知識を持つショップでの作業をおすすめします。

CB1100Fのフルカスタム事例

CB1100Fのフルカスタムは、そのポテンシャルの高さから多くの愛好家によって行われています。代表的なカスタムパターンとしては、17インチホイール化、サスペンション交換、ブレーキ強化などが挙げられます。

足回りカスタムの事例

フロントフォークについては、実例としてCB1000SFのφ43mmフォークやVFR750R(RC30)のフロントフォークを流用するケースが報告されています。これらは専門店での加工を前提とした改造となります。

リアサスペンションでは、オーリンズやビルズなどの高性能サスペンションへの交換が人気です。イニシャル調整やダンピング調整が可能となり、スポーツ走行に対応できるセッティングが可能になります。

エンジンチューニングの事例

エンジン面では、Wiseco製鍛造ピストンを使用した排気量アップが人気で、1062ccから1123cc程度への拡大が一般的です。これにより、さらなるパワーアップとレスポンス向上を図ることができます。

フルカスタムを行う場合は、信頼できる専門ショップでの作業を強く推奨します。CB1100Fは部品の入手が困難なため、作業中のトラブルが大きな問題となる可能性があります。

CB1100Fのコンセプトと開発背景

CB1100Fのコンセプトと開発背景

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CB1100Fは、高性能なCB1100Rの技術をより多くのライダーに提供するというコンセプトで開発されました。CB1100Rが高価格で限定生産だったのに対し、CB1100Fは相対的に手頃な価格設定でした。

開発の背景には、CB900Fに代わる新たなフラッグシップモデルへのニーズと、プロダクションレースでの競争力向上という狙いがありました。ヨーロッパと北米の両市場で販売され、それぞれの市場に適した仕様が用意されました。

代表的な仕様差として、欧州仕様は丸型ヘッドライトとコムスターホイール、北米仕様はビキニカウルと角型ヘッドライト、キャストホイールという違いがありました。ただし、国別に微差があるため詳細は個体ごとに確認が必要です。

しかし、ホンダのフラッグシップモデルの方針が並列4気筒からV型4気筒へと転換されたため、CB1100Fの生産期間は短期間となりました。この短い生産期間が、現在の希少性と人気の高さにつながっています。

CB1100Fの中古車相場と選び方

CB1100Fの中古車市場における価格帯は、2025年現在で154万円から398万円以上と非常に幅広い設定となっています。この価格差は車両の状態、走行距離、カスタム内容によって大きく左右されます。

購入時の注意点

CB1100Fを購入する際の最も重要な注意点は、部品の入手性です。多くの純正部品が既に廃盤となっており、エンジン内部の重要な部品も入手困難な状況です。例えば、カムチェーンテンショナー系の複数品番が在庫なし表示となっている状況が確認されています。

購入前には必ず信頼できるメカニックによる詳細な点検を受けることを強く推奨します。特にエンジン内部の状態確認は重要で、後からのオーバーホールは部品不足により非常に困難になる可能性があります。

また、タイヤの選択肢も限られているため、交換時の費用や入手性についても事前に確認しておくことが大切です。

CB1100Fの新型?復活の可能性

CB1100Fの新型?復活の可能性

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現在のホンダのラインナップには、CB1100Fの直接的な後継機種は存在しません。2010年に発売されたCB1100は、1999年の東京モーターショーで展示された「CBフォア」というコンセプトモデルが原点となっており、CB1100Fとは異なる開発経緯を持っています。

2021年にCB1100シリーズは生産終了となり、空冷直列4気筒CBの長い歴史に幕が下ろされました。現在のホンダは環境規制対応を重視しており、大排気量の空冷エンジンを搭載した新型車の開発は困難な状況です。

ただし、電動化技術の進歩により、将来的にはレトロスタイルの電動バイクという形でCB1100Fのスピリットが復活する可能性も考えられるかもしれません。

現在CB1100Fに興味を持っている方は、中古車市場での購入が唯一の選択肢となります。年々車両数が減少し、価格も上昇傾向にあるため、購入を検討されている場合は早めの決断をおすすめします。

総括:CB1100Fのスペック・最高速・燃費・足つき・中古相場徹底解説

  • 1983年発売で北米では同年のみ生産、地域により1984年型も存在
  • 104-110PS程度の高出力を1062ccの空冷直列4気筒エンジンで実現
  • CB1100Rの技術的系譜を受け継いだ高性能ネイキッドバイク
  • 燃費はオーナー報告によると一般道で13-19km/L、高速道路で15-21km/L程度
  • シート高約800-820mmで身長165cm以下の場合は足つき性に注意が必要
  • 車両重量243kg(乾燥)でやや重めの設定
  • 北米仕様はフロント18インチ・リア17インチ、欧州仕様は前後18インチ
  • エンジンオイル容量は交換時約4.0L、フィルター同時交換時約4.5L
  • 適正空気圧の目安はフロント2.50kgf/cm²、リア2.90kgf/cm²
  • 中古車価格は154万円から398万円以上と幅広い設定
  • 多くの純正部品が廃盤となっており部品入手が困難
  • タイヤの選択肢が限られているため交換時は要注意
  • マフラーカスタムによる性能向上が期待できる
  • フルカスタムで現代的な性能への向上が可能だが専門店での作業が必要
  • 新型の発売予定はなく中古車市場での購入が唯一の選択肢
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