GPZ1100水冷モデルをフルパワー化する方法と効果を徹底解説

GPZ1100水冷モデルをフルパワー化する方法と効果を徹底解説

Ride Style・イメージ

カワサキGPZ1100の水冷モデルをフルパワー化することで、本来の性能を最大限に引き出すことができます。国内仕様では97馬力に抑えられているGPZ1100水冷エンジンを、海外仕様と同等の129馬力まで引き上げる方法や注意点を詳しく解説します。GPZ1100水冷の最高速は国内仕様では約190km/hに制限されていますが、フルパワー化により240km/h以上も可能になります。この記事では、馬力アップの手法だけでなく、GPZ1100の水冷エンジンの圧縮比や、シート高についても触れながら、快適なライディングのためのカスタム方法を紹介します。また、逆車と国内仕様の見分け方も詳細に解説していますので、中古車購入を検討している方にも役立つ情報が満載です。GPZ1100水冷モデルの真の魅力を引き出す旅に出かけましょう。

  • GPZ1100水冷の国内仕様と海外仕様の馬力差(97馬力 vs 129馬力)と特性の違い
  • フルパワー化の具体的方法(ZZR1100メーター交換やイグナイター交換など)
  • フルパワー化による性能向上とリスク(加速性能向上、熱問題、法的問題など)
  • フルパワー化に伴う推奨カスタムパーツと実際の改造事例
目次

GPZ1100水冷のフルパワー化とは何か

  • GPZ1100水冷の基本スペック
  • GPZ1100水冷の馬力と性能
  • GPZ1100の圧縮比は?
  • GPZ1100水冷の最高速は?

GPZ1100水冷の基本スペック

GPZ1100水冷は、カワサキが1995年に発売したスポーツツアラーモデルです。このバイクはZZR1100系のDOHC4バルブエンジンをベースに、ツーリング向けにチューニングされた1052ccの水冷エンジンを搭載しています。鋼管ダブルクレードルフレームを採用しており、全長は2180mm、全幅720mm、全高1210mmというボディサイズで、シート高は790mmに設定されています。

一方で重量面では、乾燥重量が242kgと、同クラスのバイクと比較してもやや重めの設計になっています。この重量があるからこそ、高速走行時の安定性が確保されているとも言えるでしょう。ホイールベースは1520mmで、最低地上高は130mmとなっています。

ここからはエンジン詳細について見ていきましょう。GPZ1100水冷エンジンは、直列4気筒DOHC4バルブという基本構造で、ボア76.0mm×ストローク58.0mmのショートストローク設計です。圧縮比は10.1:1に設定されています。燃料供給方式はキャブレター(CVK36)を採用しており、ZZR1100とは異なりラムエアシステムは装備されていません。

たとえば燃料タンクは22Lという大容量で、リザーブは5.6L。これにより、航続距離は約616kmと長距離ツーリングにも対応できる設計になっています。変速機は6速リターン式で、クラッチは湿式多板タイプを採用。駆動方式はチェーンドライブで、スプロケット比は前17T、後43Tとなっています。

このバイクは前後17インチホイールを装備し、タイヤサイズは前が120/70ZR17、後ろが170/60ZR17というラジアルタイヤを採用しています。ブレーキは前が油圧式ダブルディスク、後ろが油圧式シングルディスクという組み合わせで、ABSモデル(ZX1100F)も存在します。

なお、GPZ1100水冷は国内向けと海外向け(逆車)で仕様が異なり、特にパワー出力やメーター表示などに違いがあります。1999年まで生産され、ZRX1100などのネイキッドモデルと並行してラインナップされていました。

GPZ1100水冷の馬力と性能

GPZ1100水冷の馬力は、販売市場によって大きく異なります。日本国内向けモデルは、当時の自主規制(パワー規制)に準拠して、最高出力97馬力/8500rpm、最大トルク9.0kgf-m/4500rpmに抑えられています。一方、海外向けモデル(逆輸入車)は、最高出力129馬力/9500rpmという本来の性能を発揮できるフルパワー仕様となっています。

これらの違いは、主にキャブレターセッティングやイグナイターの違いによるものです。国内仕様はトップキャップ、スプリング、ジェットニードル、メインジェットなどが変更され、馬力が抑えられています。また、イグナイターも国内仕様はリミッター付きのもの(21119-1540)であるのに対し、ヨーロッパ一般仕様はリミッター無しのもの(21119-1437)が装着されています。

ただし馬力だけで判断すると誤解を招きます。GPZ1100水冷の大きな特徴は、低中速トルクを重視したエンジン特性にあります。通常の街乗りやツーリングでよく使う回転域での扱いやすさを優先した設計になっており、最大トルクが低回転の4500rpmで発生するのがその証拠です。

例えば、実際に使用したオーナーのレビューでは「実際街中での発進追い越しは明らかに比較したZZR1100よりも速いと断言できる」という声もあります。これは最大トルクが低回転で発生することの恩恵と言えるでしょう。

性能面では最高速度についても、国内仕様はスピードリミッターにより180km/h付近で制限されていますが、フルパワー仕様の海外モデルでは240〜280km/h程度の最高速度を記録したという報告もあります。特に谷田部での最高速アタックでは、カスタムされたGPZ1100が278.68km/hを記録したという事例もあります。

走行性能については、重量があるため取り回しは軽くありませんが、一度走り出すと安定した走りが特徴です。特に高速道路など直線での巡航安定性は高く評価されています。コーナリング性能は、ホイールベースが長いため小回りは利きませんが、中高速域でのコーナーでは安定感があります。

このバイクの真価は長距離ツーリングで発揮されます。フルカウルによる優れた風防効果と、疲れにくいライディングポジション、十分な馬力と大容量燃料タンクを組み合わせることで、長時間のツーリングを快適に楽しむことができます。

GPZ1100の圧縮比は?

GPZ1100水冷モデルの圧縮比は10.1:1です。この数値は、エンジンの性能特性を決める重要な要素の一つとなっています。圧縮比が高いほど理論上は熱効率が良くなり、燃費や出力向上につながりますが、同時に燃料のオクタン価要求も高くなります。

GPZ1100の場合、10.1:1という圧縮比は当時の大型スポーツツアラーとしては標準的な数値と言えるでしょう。この設定により、レギュラーガソリンでの使用が可能となっており、ツーリングバイクとしての実用性を確保しています。

一方で、空冷GPz1100(ZX1100A型)の圧縮比は9.5:1とやや低めに設定されていました。これは空冷エンジンの熱対策の一環であり、水冷モデルでは冷却効率の向上により、圧縮比を高く設定することが可能になったと考えられます。

この圧縮比設定は、GPZ1100水冷モデルのエンジン特性にも影響しています。ZZR1100のエンジンをベースにしながらも、低中速トルクを重視したセッティングが施されており、そのバランスを取るための要素の一つとなっています。

例えば、実際のライディングでは中低速域でのトルク感が豊かで、街中での発進や追い越し加速では素直な出力特性を示します。これには圧縮比設定も関係しており、爆発的な高回転パワーよりも扱いやすい出力特性が優先されています。

また、この圧縮比設定はエンジンの耐久性にも配慮されています。長距離ツーリングを主な用途としているGPZ1100では、エンジンに過度な負荷をかけないバランスの取れた設計が求められます。10.1:1という圧縮比は、パワーと耐久性のバランスを考慮した結果と言えるでしょう。

なお、フルパワー化を検討する場合でも、基本的にはこの圧縮比を変更する必要はありません。通常のフルパワー化では、主にキャブレターセッティングやイグナイターの変更が行われ、圧縮比そのものを変更するケースは少ないです。これは、元々のエンジン設計が優れており、単に出力制限を解除するだけで本来の性能を発揮できるためです。

GPZ1100水冷の最高速は?

GPZ1100水冷の最高速度は、モデルの仕様によって大きく異なります。国内仕様の場合、スピードリミッターが装備されており、メーター表示で約190km/h付近で速度が頭打ちになります。これは当時の日本国内における自主規制によるものです。

逆輸入車(海外仕様)では、このような制限がないため、カタログスペック上では220〜240km/h程度の最高速度を発揮できるとされています。さらに、カスタムマシンでは、谷田部アタックで278.68km/hを記録したという報告もあります。この記録を出したのは、ボアアップや軽量化などの本格的なチューニングを施したマシンです。

ただし、これらの数値はあくまで参考値であり、実際の最高速度は様々な条件によって変動します。例えば、ライダーの体重や姿勢、風向きや気温などの環境条件、さらにはタイヤの種類や空気圧、チェーンやスプロケットの状態などによっても変わってきます。

実用的な観点から言えば、GPZ1100水冷は高速巡航性能に優れています。特に120〜160km/hの範囲での安定感は高く評価されており、長距離ツーリングでの使用に適しています。フルカウルによる風防効果も高く、高速走行時のライダーへの風圧負担が軽減されています。

ここで注意したいのは、最高速度を追求することよりも、安全で快適な巡航性能にGPZ1100の真価があるという点です。このバイクは爆発的な加速や極限の最高速を目指したマシンではなく、長距離を安定して走り続けることができるツアラーとしての性格が強いです。

国内仕様のGPZ1100をフルパワー化(リミッターカット)する方法としては、ZZR1100のD型スピードメーター部分をGPZのものと交換する方法が知られています。この際、国内仕様のメーターに付いているスピードリミッター部品をZZRのメーターに移植する必要があります。これを行わないと、6000〜7000回転でエンジン回転数にリミッターがかかってしまいます。

このような改造を行う場合は、法律や安全面への配慮が必要です。公道での過度な速度超過は法律違反となりますし、バイク本来の設計限界を超えた使用は安全性を損なう恐れがあります。最高速度よりも、バイクの持つ本来の性能をバランス良く活かす運転が大切です。

GPZ1100水冷をフルパワー化する方法

  • 逆車と国内仕様の見分け方
  • 国内仕様のリミッターカット方法
  • GPZ1100の水冷のシート高は?
  • フルパワー化のメリットとデメリット
  • おすすめのカスタムパーツ
  • 実際のフルパワー化事例

逆車と国内仕様の見分け方

GPZ1100水冷モデルには、国内向け仕様と海外向け仕様(逆輸入車・逆車)が存在します。見た目は非常に似ていますが、パワー特性やスペックに大きな違いがあります。購入前や中古車選びの際に、どちらの仕様なのかを見分けるポイントを解説します。

まず外観での最も分かりやすい違いは、フェンダーの形状です。1995年式を比較すると、国内仕様(97ps)はショートフェンダー仕様となっていますが、ヨーロッパ仕様(129ps)はロングフェンダー仕様になっています。ただし、例外もあり、アメリカ仕様や南アフリカ仕様、オーストラリア仕様などの輸出仕様でもショートフェンダーを採用しているケースがあるため、注意が必要です。

次に確認したいのはスイッチ類の違いです。国内仕様の右側ハンドルスイッチは、ヘッドライト/ポジションスイッチが無いタイプ(部品番号46091-1591)となっています。これはウインカーポジション仕様と呼ばれるものです。一方、ヨーロッパ仕様はヘッドライト/ポジションスイッチ付き(部品番号46091-1662)の右スイッチが装備され、ヘッドライトポジション仕様となっています。

左側スイッチも違いがあります。国内仕様はハザードスイッチ付き(部品番号46091-1588)ですが、ヨーロッパ仕様にはハザードスイッチがありません。これに伴い、フロントウインカーも国内仕様はダブル球(ハザード/ウインカーポジション用)、ヨーロッパ仕様はシングル球(ヘッドライトポジション用)という違いがあります。

これらのスイッチ類の違いから、メインハーネスも異なります。国内仕様は部品番号26030-1341、ヨーロッパ仕様は26030-1330となっています。メインハーネスには部品番号のシールが貼付されているので、これを確認することでも仕様を判別できます。

さらに重要なのは、イグナイターの違いです。国内仕様はリミッター付きのイグナイター(部品番号21119-1540)が装着されていますが、ヨーロッパ仕様はリミッターなしのイグナイター(部品番号21119-1437)が使われています。これにより最高速度や回転数に制限がかかるかどうかが決まります。

速度計(スピードメーター)も見分けるポイントです。国内仕様は180km/hまでの表示ですが、輸出仕様は280km/hまで表示できるフルスケールメーターとなっています。

馬力に関わる部分では、マフラーとキャブレターの違いもあります。国内仕様のマフラーサイレンサーは排出口が狭くなっており、ヨーロッパ仕様は排出口が拡大されています。キャブレターも国内仕様は各部が変更されて馬力が抑えられています。

最後に、コーションラベル(警告ラベル)も確認ポイントです。国内仕様は日本語で書かれているラベルが主ですが、海外向けは英語または輸出先の国の言語で書かれています。

以上の点を総合的に確認することで、GPZ1100水冷の国内仕様と逆車を見分けることができます。パワーや性能を重視するなら逆車、長期間の使用による耐久性を重視するなら国内仕様といった選択の参考にしてください。

国内仕様のリミッターカット方法

GPZ1100水冷の国内仕様には、スピードリミッターが装備されており、約190km/h(メーター表示)で速度が制限されます。このリミッターをカットする方法をいくつか紹介します。ただし、公道での制限速度を超える走行は法律違反となりますので、サーキットなどの閉鎖されたコース内での使用に限定してください。

最も一般的で手軽な方法は、ZZR1100のD型スピードメーター部分をGPZ1100のものと交換する方法です。このモディファイには、国内仕様GPZ1100のメーターに付いているスピードリミッター部品を、ZZRのメーターに移植する作業が含まれます。この部品を移植しないと、6000〜7000回転でリミッターがかかってしまうため注意が必要です。

具体的な手順としては、まずメーター単体を取り外します。これはスピードメーターケーブルとカプラー2個、単線1本の接続を外し、メーター下の六角ボルト2本とフロントスクリーン固定用の+ボルト2本を外すことで取り外せます。

次に、メーター裏側のスピードリミッター部品を確認します。スピードメーターは+ボルトを数本外せばメーター本体と分離でき、リミッター部品を取り出せます。このリミッター部品をZZR1100のメーターに移植します。

このリミッター部品は、スピードメーターの指針が特定の位置(国内仕様で約190km/h)に達したときに検知して、イグナイターに点火信号をカットさせる命令を出す役割を持っています。ZZRのフルスケールメーターに移植することで、指針の角度が同じでも実際の速度が異なるため、事実上リミッターが機能しなくなります。

なお、移植後はカプラーの接続をしっかり確認し、奥まで差し込むことが重要です。接続が不完全だとレブカットが発生する可能性があります。

このメーター交換によるリミッターカット以外にも、イグナイターを交換する方法もあります。国内仕様のリミッター付きイグナイター(21119-1540)を、ヨーロッパ仕様のリミッターなしイグナイター(21119-1437)に交換することでも、スピードリミッターを解除できます。

また、キャブレターのセッティングを変更し、マフラーを排気効率の良いものに交換することで、さらにパワーアップを図ることも可能です。国内仕様のキャブレターはトップキャップ、スプリング、ジェットニードル、メインジェットなどが変更されているため、これらを輸出仕様の部品に交換することで出力向上が期待できます。

リミッターカットを行う際は、以下の点に注意が必要です:

  1. 公道での制限速度を超える走行は法律違反
  2. 出力向上に伴い、ブレーキやサスペンションなどの見直しも検討する
  3. エンジンへの負荷が増加するため、オイル管理や熱対策を徹底する
  4. 改造後の保険や車検への影響を確認する

これらの改造は自己責任で行い、安全面への配慮を最優先にしてください。GPZ1100本来の性能を引き出すことで、より楽しいバイクライフを送れることでしょう。

GPZ1100の水冷のシート高は?

GPZ1100水冷モデルのシート高は790mmです。この数値は、大型バイクの中では比較的低めの設定であり、様々な体格のライダーが扱いやすい高さとなっています。

このシート高設定は、GPZ1100の主な用途である長距離ツーリングに適した設計と言えるでしょう。足つき性が良いため、停車時の安定感が増し、特に渋滞時や駐車場での取り回しなど低速域での扱いやすさにつながります。

また、GPZ1100のシートは前後に十分なスペースがあり、ライダーのポジション調整が可能な設計になっています。これにより、長時間のライディングでも疲労を軽減することができ、ツーリングバイクとしての快適性を高めています。

シート自体の形状も特徴的で、前部は細めに設計されているため、足が地面に届きやすくなっています。一方で後部は幅広になっており、タンデムライダーの快適性も考慮されています。この設計により、見た目以上に足つき性が良く、実際の取り回しのしやすさにつながっています。

さらに、GPZ1100は比較的重量のあるマシン(乾燥重量242kg)ですが、低めのシート高がこの重さをカバーする役割も果たしています。車体が大きくても、しっかりと足が地面に届くことで安心感が生まれ、取り回しの際の不安を軽減します。

GPZ1100水冷のライバルモデルと比較してみると、当時の同クラススポーツツアラーである本田CBR1000Fはシート高が810mm、スズキRF900Rは815mmとなっており、GPZ1100の方が低めの設定となっています。これはカワサキが実用性を重視した結果と言えるでしょう。

シート高が低いことによるデメリットとしては、スポーツ走行時のバンク角(車体の傾き角度)が制限される可能性があることです。しかし、GPZ1100は主にツーリング用途を想定して設計されているため、極端なコーナリングよりも直進安定性や乗り心地を優先させた設計となっています。

なお、カスタムシートや調整式サスペンションへの交換により、シート高を変更することも可能です。より積極的なスポーツ走行を好むライダーは、シート高を上げることでバンク角を確保し、逆に足つき性を重視するライダーはさらに低いシートに変更するなど、自分の好みに合わせたカスタマイズが可能です。

フルパワー化のメリットとデメリット

GPZ1100水冷の国内仕様をフルパワー化することにはいくつかのメリットとデメリットがあります。ここでは、具体的にどのような点を考慮すべきかを解説します。

【フルパワー化のメリット】

最大のメリットは、本来の性能を引き出せる点です。国内仕様は97馬力に抑えられていますが、フルパワー化により129馬力まで出力が向上します。これにより加速性能が大幅に向上し、特に高速域での余裕が生まれます。

また、スピードリミッターが解除されることで、サーキット走行時などに本来のポテンシャルを活かした走りが楽しめるようになります。国内仕様では約190km/hで速度制限がかかりますが、フルパワー化により制限なく加速できるようになります。

エンジン特性も変化します。フルパワー化により、特に中高回転域でのレスポンスが向上し、より直線的なパワー特性となります。これにより、オーバーテイクなど瞬発的な加速が必要な場面での性能が向上します。

さらに、中古車市場では逆車(海外仕様)の方が流通量が多く、選択肢が広がります。国内仕様を購入してフルパワー化するよりも、はじめから逆車を選ぶ方が簡単な場合もあります。

【フルパワー化のデメリット】

一方で、デメリットも存在します。まず、法律面での問題があります。公道での過度な速度超過は道路交通法違反となります。フルパワー化したバイクは、あくまでもサーキット等の閉鎖環境での使用を前提とすべきです。

エンジンへの負担増加も懸念点です。国内仕様は長期使用を考慮した設定になっていますが、フルパワー化によりエンジンへの負荷が増加します。特に熱対策が重要になり、オイル交換などのメンテナンスサイクルを短くする必要があるかもしれません。

燃費の悪化も考慮すべき点です。出力が向上すると当然燃料消費量も増加します。長距離ツーリングを主な用途とする場合、燃費の悪化は航続距離の短縮につながります。

また、車検との兼ね合いも問題になる場合があります。明らかな改造車両は車検に通らない可能性があり、公道走行を続けるためには元に戻せる状態を維持する工夫が必要です。

フレームやブレーキなど周辺パーツとのバランスも考慮すべきです。単にエンジン出力を上げるだけでなく、その出力に見合ったブレーキやサスペンションのアップグレードも検討した方が安全です。以下の表はフルパワー化に伴う推奨アップグレードをまとめたものです:

項目 推奨アップグレード
ブレーキ 高性能パッド、ステンメッシュホース
サスペンション 調整式フォーク、リアショック
タイヤ グリップ力の高いスポーツタイヤ
冷却系 オイルクーラー強化、ラジエーター強化

最後に、車両の価値や保険への影響も考慮すべきです。中古車として売却する際に、改造歴があるとマイナス評価される可能性があります。また、事故時の保険対応にも影響する場合があります。

フルパワー化を検討する際は、これらのメリットとデメリットを総合的に判断し、自分の使用目的やスキルに合わせた選択をすることが大切です。単に「速ければいい」というわけではなく、安全性や実用性も含めたバランスの取れた改造を目指しましょう。

おすすめのカスタムパーツ

GPZ1100水冷モデルをフルパワー化したり、より扱いやすくカスタマイズするためのパーツは多数存在します。長年乗り継がれている車種だけあって、カスタムパーツの選択肢も豊富です。ここでは、実際にGPZ1100オーナーに支持されている人気のカスタムパーツを紹介します。

カスタム部位 おすすめパーツ 効果 予算目安
マフラー NITRO RACING コニカルチタンサイレンサー
STRIKER リペアーサイレンサー
出力向上・軽量化・サウンド改善 5〜10万円
ホイール BEET ライトアルミホイールSET
ゲイルスピード type-R
軽量化・取り回し向上・見た目向上 10〜15万円
サスペンション PENSKI ショックアブソーバー
ZZR1100フロントフォーク流用
乗り心地向上・コーナリング安定性向上 8〜12万円
ブレーキ ブレンボマスターシリンダー
ブレンボキャリパー
制動力向上・フィーリング向上 6〜10万円
電装 HIDヘッドライト
マルチリフレクター化
視認性向上・消費電力削減 2〜5万円
キャブレター ヨシムラ TMR-MJN φ41
ミクニ TMR41Φ
出力向上・レスポンス向上 8〜12万円

まずマフラーは、多くのライダーがまず最初に交換するパーツです。NITRO RACINGのコニカルチタンサイレンサーやSTRIKERのリペアーサイレンサーが人気です。これらは単なる見た目の向上だけでなく、重量の軽減、サウンドの改善、そして適切なバックプレッシャーによる出力特性の向上にも寄与します。特にコニカルタイプは見た目がシャープになり、車体全体の印象を引き締めてくれます。

ホイールのカスタムも効果的です。BEETのライトアルミホイールセットやゲイルスピードのtype-Rは、見た目の向上だけでなく、バネ下重量の軽減により操縦性が向上します。特にZZR1100用のホイールを流用する事例も多く、リムサイズを5.5Jや6.0Jに拡大して太いタイヤを装着することで、グリップ力の向上が期待できます。

サスペンション系では、フロントフォークの改良が乗り心地と操縦性に大きく影響します。ZZR1100用フォークの流用や、オクムラスペシャルカートリッジの装着などが知られています。リアサスペンションでは、PENSKIのショックアブソーバーが人気で、ブラウンチタンコートされたモデルなどが装着されています。これらにより、コーナリング時の安定性や、長距離走行時の疲労軽減効果が期待できます。

ブレーキ系では、ブレンボのラジアルマスターシリンダーやブレンボレーシングキャリパーへの交換が効果的です。ブレーキホースをステンレスメッシュタイプに変更するだけでも、制動力とフィーリングが向上します。特にフルパワー化したマシンでは、制動力の向上は安全面でも重要です。

電装系のカスタムでは、HID化やLED化が人気です。純正のガラスレンズヘッドライトからマルチリフレクターヘッドライトへの変更(例:CB1300ボルドールのヘッドライト流用)により、夜間走行時の視認性が大幅に向上します。

エンジン関連では、キャブレターをヨシムラTMR-MJNΦ41やミクニTMR41Φへ変更することで、レスポンスの向上と出力アップが見込めます。また、カムシャフトをヨシムラST-1に変更したり、ピストンをワイセコ製に変更してボアアップするなどの本格的なチューニングも可能です。

冷却関連では、オイルクーラーの強化やラジエーターの改良が熱対策として効果的です。特にGPZ1100は熱だれしやすい特性があるため、プロト製ラウンドタイプやZXR750用2段式ラジエーターへの加工などが行われています。

最後にポジション系のカスタムとして、ハンドルバーやステップの変更があります。長距離走行向けにアップハンドルキットを装着することで、乗り心地が格段に向上します。また、クォーター製ワンオフステップなど、自分の体格に合わせたポジションカスタムも人気です。

これらのカスタムパーツを組み合わせることで、GPZ1100の性能をさらに引き出し、長く愛用できるマシンに仕上げることができます。まずは自分のライディングスタイルに合わせて、優先順位の高いパーツから検討してみるとよいでしょう。

実際のフルパワー化事例

GPZ1100水冷モデルのフルパワー化事例として、実際のユーザーや専門ショップが行った取り組みを紹介します。これらの事例は、フルパワー化の参考になるだけでなく、達成可能な性能目標の目安としても役立つでしょう。

最も有名なフルパワー化事例の一つに、クォーター(QUARTER)というショップが手がけたGPZ1100があります。このマシンは1997年に雑誌社主催の「谷田部 最高速&ゼロヨンアタック」に参加し、驚異的な記録を残しました。基本的なフルパワー化にとどまらず、本格的なチューニングが施されたこのマシンは、最高出力158馬力、最高速278.68km/h、0-400mタイムは10.434秒という数値を記録しています。

このマシンのエンジン諸元は、ボア78mm×ストローク58mmまで拡大され、排気量は1108ccにアップ。ピストンはワイセコ製が使われ、カムシャフトはZZR1100用のSTDが移植されました。吸排気ポートの研磨、キャブレターのミクニTMR41Φへの変更、チタン製マフラーの装着など、多方面からのチューニングが施されています。

また、一般的なユーザーによるフルパワー化事例としては、まずイグナイターの交換やメーターの交換によるリミッターカットから始め、徐々にパーツをアップグレードしていくパターンが多いようです。具体的には以下のようなステップでフルパワー化が進められます:

  1. リミッターカット:ZZR1100のD型メーターへの交換やイグナイターの交換
  2. 吸気系の強化:エアフィルターのK&Nへの交換や、キャブレターのセッティング変更
  3. 排気系の改良:マフラーの交換(NITROやSTRIKERなど)
  4. 冷却系の強化:オイルクーラーの追加やラジエーターの改良

これらの基本的なフルパワー化により、国内仕様の97馬力から120〜130馬力程度への出力向上が可能とされています。さらに高出力を目指す場合は、先述のクォーター号のようなエンジン内部の変更が必要となります。

一例として、あるユーザーはフルパワー化後の感想を「低回転からのトルクが増し、特に6000rpm以上の伸びが全く違う」と表現しています。国内仕様では4500rpm付近で最大トルクを発生するようにセッティングされていますが、フルパワー化により高回転域でのパワーバンドが広がり、より直線的な加速が可能になるとのことです。

興味深いのは、フルパワー化によって単に速くなるだけでなく、エンジン特性そのものが変化することです。国内仕様は低中速トルク重視の落ち着いた特性ですが、フルパワー化によりスポーティかつ積極的な走りが楽しめるようになります。

ただし、フルパワー化に伴う注意点も多く指摘されています。特に熱対策は重要で、GPZ900RからZRX1200まで続いたこのエンジン系統は熱だれしやすい特性があるため、冷却系の強化は必須です。国内仕様はキャブレター周りに冷却水を取り回すなどの対策が施されていますが、フルパワー化によりさらなる熱対策が必要になります。

また、フルパワー化によるブレーキやサスペンションへの負担増加も考慮しなければなりません。前述のクォーター号では、GSF1200用フロントフォークの流用や、ブレンボレーシングキャリパーの装着など、足回りも大幅に強化されています。

このように、GPZ1100水冷のフルパワー化は単にスピードリミッターを解除するだけにとどまらず、車両の特性を変える大きな改造となります。目的に応じた適切なカスタマイズを行い、安全性を確保しながら本来の性能を引き出すことが重要です。

総括:GPZ1100水冷モデルをフルパワー化する方法と効果を徹底解説

この記事をまとめると、

  • GPZ1100水冷の国内仕様は97馬力、海外仕様は129馬力である
  • 主な違いはキャブレターセッティングとイグナイターの有無による
  • フルパワー化によって中高速域でのレスポンスが大幅に向上する
  • 最高速度は国内仕様の約190km/hから最大278km/h程度まで上昇する可能性あり
  • 最も一般的なリミッターカット方法はZZR1100のD型メーターへの交換である
  • イグナイターの交換(21119-1540→21119-1437)でもリミッターをカット可能
  • 吸排気系の変更によりさらなるパワーアップが見込める
  • 圧縮比10.1:1は通常のフルパワー化では変更不要である
  • 熱対策は必須であり、オイルクーラーやラジエーター強化が有効
  • シート高は790mmと比較的低めで取り回しやすい設計である
  • フルパワー化に伴いブレーキやサスペンションの強化も検討すべき
  • 逆車と国内仕様の見分け方はフェンダー形状やスイッチ類の違いが目安となる
  • おすすめカスタムパーツにはマフラー、ホイール、サスペンション、ブレーキがある
  • フルパワー化により燃費は悪化し、エンジンへの負担も増加する
  • 公道での制限速度を超える走行は法律違反となるため注意が必要
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