CBX750Fが不人気と言われる理由と隠れた名車の魅力を解説

CBX750F

出典:HONDA公式

1980年代のホンダバイクといえば、多くの方がCBX750Fを思い浮かべるのではないでしょうか。1983年に登場したこのモデルは、「究極」を意味する「X」を冠した意欲作でしたが、なぜかCBX750Fが不人気だったという評価が定着しています。77PSの馬力を誇る空冷DOHC4バルブエンジンや先進的な機構を搭載していたにもかかわらず、その評価はなぜ生まれたのでしょうか。

本記事では、CBX750Fの不人気と言われる理由を掘り下げるとともに、フルカウル装備の限定モデルCBX750Fボルドールや、シャフトドライブを採用したCBX750Fホライゾンといった派生モデルの魅力についても紹介します。歴代の変更点や現在の中古市場での評価まで、CBX750Fの全てを徹底解説していきます。不人気と言われながらも、今なお多くのファンに愛され続ける隠れた名車の真価に迫ります。

  • CBX750Fが不人気だった具体的な理由と時代背景
  • 当時のライバルモデルとのスペック比較と位置づけ
  • ボルドールやホライゾンといった派生モデルの特徴と違い
  • 現代で中古CBX750Fを購入・維持する際の注意点とメンテナンス方法
目次

CBX750Fが不人気だった理由とは

  • 当時の時代背景と販売状況
  • 空冷4気筒エンジンの実力と馬力は?
  • 他の同時代ライバルモデルとの比較
  • デザイン面での評価と不人気説

当時の時代背景と販売状況

1980年代初頭のオートバイ市場は、各メーカーが技術革新を競い合う激しい競争の時代でした。ホンダはCB650カスタム・CB750F・CB750Kといった従来のCBシリーズを展開していましたが、他メーカーも次々と4気筒エンジンを搭載したモデルを市場に投入。その結果、ホンダの4気筒エンジンは特別なものではなくなっていました。

この状況を打破するため、ホンダは2輪部門の最高責任者だった入交昭一郎氏の指揮のもと、新世代エンジンの開発に取り組みました。その成果として1983年12月に登場したのがCBX750Fです。「究極」を意味する「X」を冠したこのモデルには、多くの新技術が投入されていました。

販売目標は年間8,000台と設定されていましたが、実際の販売数はそれを下回ったとされています。レーサーレプリカが全盛期だった時代において、CBX750Fのツアラー系に見えるデザインは一部のユーザーには受け入れられにくかったようです。

実際、当時のユーザーレビューを見ると「デザインが受け入れられなかった」「当時バイクとしてのインパクトも少なかった」といった声が見られます。同時期にはカワサキGPZ750やスズキGSX750Sといった人気モデルもあり、市場での競争は激しいものでした。

一方で、当時は限定解除(大型二輪免許)を持つライダーが非常に少なかったという時代背景もあります。CBX750Fに限らず、どのメーカーの大型二輪も販売台数は多くありませんでした。

さらに、CBX750Fには「ボルドール」や「ホライゾン」といったバリエーションモデルも登場。特にボルドールは2,000台限定で発売され、現在ではコレクターズアイテムとなっています。これらのバリエーションモデルの存在も、基本モデルであるCBX750Fの販売数に影響を与えた可能性があります。

このような時代背景と市場環境の中で、CBX750Fは「不人気車」というレッテルを貼られることになりましたが、実際には当時の技術革新を体現した先進的なモデルだったと言えるでしょう。

空冷4気筒エンジンの実力と馬力は?

CBX750Fに搭載されたRC17E型エンジンは、空冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒の747cc。このエンジンは、従来のCB750Fから大幅に進化した新開発ユニットでした。

馬力は77PS/9,500rpm、最大トルクは6.5kg-m/7,500rpmを発揮します。ボア×ストロークは67.0mm×53.0mmと、ショートストローク設計によって高回転型の特性を持たせています。圧縮比は9.3:1とされていました。

このエンジンの最大の特徴は、新技術の数々です。まず注目すべきは油圧式バルブクリアランス自動調整機構(オートアジャスター)の採用。これによりタペットクリアランスの調整が不要となり、メンテナンス性が大幅に向上しました。

また、ブラシレスのACジェネレーター(交流発電機)をエンジン後背部に配置することで、コンパクト化と整備性の向上を実現。さらに油圧クラッチの採用によりクラッチワイヤーの伸び調整も不要になりました。

エンジン設計においては、狭角バルブ配置やピストン頭部形状の改良によって燃焼室をコンパクト化。さらにプライマリーシャフトを省いた動力伝達機構を採用することで、エンジン全体の小型軽量化に成功しています。

実際の走行性能については、ユーザーレビューによると「上までスムーズに吹け」「全開加速は結構速かった」との評価があります。また、「77psの出力(81年式CB750Fから7ps増)を達成しながら、燃費性能にも優れていた」というのも、このエンジンの特筆すべき点です。燃費性能はカタログ値で60km/h定地走行時に36.0km/Lとされています。

特筆すべき機能として、シフトダウンを急激に行った際に発生する過大なエンジンブレーキを防ぐ「バックトルクリミッター」を装備していました。これは車体安定性の向上に寄与する機能で、当時としては画期的なものでした。

ただし、このエンジンにも弱点はありました。ユーザーレビューでは「低回転でのトルクがやや弱い」という声や、「オーバーヒートしやすい」という指摘も見られます。特に夏場の渋滞では熱ダレを起こしやすく、熱ダレに強いオイルを使用することが推奨されていました。

総じて、CBX750Fのエンジンは当時のホンダの技術力の高さを示す優れたユニットであり、不人気と言われたモデルながらも、エンジン性能自体は高く評価されていたと言えるでしょう。

他の同時代ライバルモデルとの比較

CBX750Fが市場に登場した1980年代前半は、750ccクラスの大型スポーツバイク市場で各メーカーが競い合っていた時代でした。当時のライバルモデルとして挙げられるのは、カワサキGPZ750F、スズキGSX750S(カタナ)、ヤマハFZ750などです。

カワサキGPZ750Fは空力性能を重視したフルカウルを装備し、「忍者」の異名で親しまれた人気モデルでした。エンジンは水冷直列4気筒で、CBX750Fの空冷エンジンとは対照的でした。最高出力は85PSと、CBX750Fの77PSを上回っていました。

スズキGSX750S(カタナ)は、ドイツ人デザイナー、ハンス・ムートが手掛けた斬新なデザインで強烈な個性を放っていました。エンジンも空冷ながら16バルブ化により73PSを発揮し、当時としては革新的なスタイリングと相まって、多くのファンを獲得していました。

ヤマハFZ750は、1985年に登場した水冷5バルブエンジンを搭載したスポーツモデルで、最高出力は100PSを超える高性能マシンでした。これらのライバルモデルと比べると、CBX750Fは「革新的」というよりは「堅実」な印象のモデルだったと言えます。

性能面では、CBX750Fが77PS/9,500rpmに対し、ライバル各社はより高い出力を誇っていました。特にレースシーンでの活躍が目立つモデルが多い中、CBX750Fはレース志向というよりも、日常での使いやすさに重点を置いたセッティングだったことが窺えます。

サスペンション面では、CBX750Fは前輪にTRAC(アンチダイブ機構)を採用し、後輪にはプロリンク式リアサスペンションを装備していました。これは当時のホンダの最新技術でしたが、同時期のカワサキやヤマハも同様の技術を採用しており、際立った優位性があったわけではありません。

ブレーキはCBX750Fが前後ディスクブレーキ(フロントはダブルディスク)を採用していましたが、これも当時の750ccクラスでは標準的な装備でした。

燃費性能に関しては、CBX750Fは36km/L(60km/h定地走行時)とカタログ値で謳われており、これは当時としては優れた数値でした。ユーザーレビューでも「燃費が良い」という声が見られます。

価格面では、CBX750Fの標準現金価格は698,000円でした。当時のGPZ750Fが約73万円、カタナが約69万円と、ほぼ同等の価格帯でした。

整備性においては、CBX750Fは油圧式バルブクリアランス自動調整機構やブラシレスACジェネレーターなど、メンテナンスフリー化を図った設計が特徴でした。この点は同時代のモデルと比較しても先進的だったと言えるでしょう。

ただ、レーサーレプリカ全盛期だった当時の市場では、より過激なスタイリングやより高い出力を持つモデルが注目を集める傾向にありました。CBX750Fの堅実な設計思想は、一部のユーザーには「地味」と映ったのかもしれません。

デザイン面での評価と不人気説

CBX750Fのデザインは、その評価が分かれる要素となっていました。最も特徴的なのは、角型2灯式ヘッドライトとハーフカウルの組み合わせです。正方形の2つのヘッドライトユニットは、当時としては斬新なデザインであり、他のモデルとは一線を画していました。

しかし、ユーザーレビューを見ると「デザインが受け入れられなかった」という声も散見されます。当時はカワサキのGPZ750FやヤマハのFZ750など、流線型のフルカウルを備えたレーサーレプリカが人気を博していた時代。そのような市場環境の中で、CBX750Fのやや直線的なデザインは、「ツアラー系に見える」と評価されることもありました。

フロントホイールに16インチを採用していたことも特徴的です。この選択は、低速域での取り回しの良さを高める効果がありましたが、高速走行時の安定性については賛否両論ありました。ユーザーレビューでは「高速走ると ハンドルがふらつく印象があり、安定感に欠けます」という指摘もありましたが、一方で「フロント16インチなので少し切れ込みますが、慣れれば問題ありません」という声もあります。

ボディラインは、タンクから尖ったテールカウルへと流れるシルエットが特徴的でした。この「何とも言えない独特のスタイル」は賛否両論で、「今でも古さを感じない」と評価する声がある一方で、「デザインがかっこ悪い」という厳しい意見も見られます。

車体の色は、シルバー×ブルーラインの「スペンサーカラー」と呼ばれるものが代表的でした。これはフレディ・スペンサー選手がホンダのワークスマシンで活躍したことにちなんだ配色で、レーシングイメージを持たせる意図がありました。

不人気の要因として、デザインだけでなく、時代背景も大きく影響していたと考えられます。1980年代は日本の大型二輪市場において「レーサーレプリカブーム」が起こっていた時期です。ユーザーレビューにも「当時はレーサーレプリカ全盛期だったのでツアラー系に見えるCBX750はちょっと人気薄でした」という声があります。

さらに、同時期にホンダからはVF750Fも発売されており、「人気も割れてました」という状況だったようです。VFシリーズはV型4気筒エンジンを搭載した先進的なモデルで、ホンダが新たに力を入れていたラインナップでした。

また、「CBX750特有の持病(ジェネレーターカムチェーンテンショナーの不具合)」といった技術的な問題点も指摘されています。これらの不具合は長期的な信頼性に影響を与え、評判を落とす一因になったかもしれません。

不人気説を考える上で興味深いのは、実はCBX750Fが国内よりも海外市場で評価されていたという点です。「海外でCBX750Fは人気らしい」という声もあり、日本国内での評価と海外での評価には差があったようです。

現在では、その独特なデザインや空冷4発エンジンの味わいが見直され、「隠れた名車」として認識されるようになってきています。不人気車とされながらも、長く愛され続けるバイクとなっているのは、その堅実な走行性能と独自の個性があるからなのでしょう。

CBX750Fは不人気でも魅力的なバイク

  • CBX750Fボルドールの特徴と魅力
  • CBX750Fホライゾンという派生モデル
  • 歴代年式における主な変更点
  • カスタム事例と現代での楽しみ方
  • 中古相場と購入時の注意点
  • タイヤの空気圧は?メンテナンスポイント

CBX750Fボルドールの特徴と魅力

CBX750Fボルドールは、1985年5月に発売された、CBX750Fにフルフェアリングを装備したバリエーションモデルです。日本国内では2,000台限定での販売となり、今では希少な存在となっています。「ボルドール(Bol d'Or)」という名称は、フランスで開催される伝統ある24時間耐久レースにちなんだもので、「金杯」を意味します。

フルフェアリングを装備したことで、CBX750F標準モデルとは一線を画す風格を備えたバイクとなりました。空力性能が向上しただけでなく、高速巡航時のライダーへの風圧負担も大幅に軽減されています。ユーザーレビューでは「フルフェアリングが雨風をかなり低減させてくれます」との声が見られ、長距離ツーリングでの快適性が高く評価されています。

エンジンや車体の基本構成はCBX750F標準モデルと同じです。747cc空冷DOHC4バルブ並列4気筒エンジンを搭載し、最高出力77PS/9,500rpm、最大トルク6.5kg-m/7,500rpmを発揮します。標準モデルと同様に油圧式バルブクリアランス自動調整機構やバックトルクリミッターといった先進機能も装備しています。

カラーリングはシルバー×レッドの組み合わせが代表的で、当時のレーシングマシンを彷彿とさせるデザインでした。このカラーリングは「CB1100R風」と評されることもあり、ホンダのレーシングヘリテージを感じさせるものとなっています。

車体寸法は全長2,145mm、全幅735mm、全高1,285mmで、フルフェアリングの装着により標準モデルよりも全高がやや高くなっています。乾燥重量は225kg、車両重量は247kgと、フェアリングの重量分だけ増加しています。

ボルドールの特筆すべき点として、そのスタイルの美しさが挙げられます。ユーザーレビューでも「スタイルは最高。空冷、4気筒、フルカウル、2本出しマフラーの自分が望むスタイルのすべてがここにあります」と絶賛する声があります。特に80年代のレーシングイメージを色濃く反映したデザインは、今では希少価値の高いクラシックデザインとして評価されています。

もっとも、完璧なバイクというわけではありません。ユーザーレビューには「真冬はストーブになりますし、真夏はフェアリングの中に熱がこもり、サウナにもなります」という声もあり、季節によっては乗り心地に課題があったようです。また、「洗車するさいにフェアリングをとらないと中まで洗えないのが面倒くさい」という実用面での不便さも指摘されています。

現在の中古市場においては、2,000台限定モデルという希少性から、状態の良いボルドールは高値で取引されることがあります。特に外装パーツは「外装の部品はゼロです」というレビューにあるように、純正パーツの入手が極めて困難なため、コレクターズアイテムとしての価値も高まっています。

独自の魅力を持つCBX750Fボルドールは、不人気と言われたCBX750Fシリーズの中でも特に個性的なモデルとして、今なお多くのファンに愛され続けています。フルカウルの優れた防風効果と独特のスタイルは、長距離ツーリングを楽しむ大人のライダーにとって、今もなお魅力的な選択肢と言えるでしょう。

CBX750Fホライゾンという派生モデル

CBX750Fホライゾンは、1984年3月に発売されたCBX750Fの派生モデルです。「ホライゾン(HORIZON)」という名前は英語で「地平線」を意味し、その名の通り長距離ツーリングに特化したモデルとして設計されました。

CBX750Fをベースとしながらも、多くの部分で大きな変更が加えられています。最も特徴的な違いは駆動方式で、CBX750Fのチェーンドライブからシャフトドライブへと変更されました。これによりメンテナンス性が向上し、長距離走行時の信頼性が高まりました。

外観的にも大きく異なり、角型燃料タンク、角型ヘッドライト、ビキニカウルを装備。よりツアラーらしい風貌となっています。ハンドルポジションもアップタイプとなり、長時間の走行でも疲れにくい乗車姿勢を実現しました。

足回りにも変更が加えられ、ホイールサイズは前輪18インチ/後輪16インチのキャストホイールを採用。これはCBX750Fの前輪16インチ/後輪18インチとは逆の組み合わせです。また、後輪ブレーキは油圧式シングルディスクブレーキから機械式ドラムブレーキへと変更されています。

エンジン自体はCBX750Fと同じRC17E型の747cc空冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載し、最高出力77PS/9,500rpm、最大トルク6.5kg-m/7,500rpmを発揮します。しかし、シャフトドライブへの変更に伴い、1次/2次の減速比は変更されています。

車体寸法は全長2,200mm、全幅780mm、全高1,195mmで、CBX750Fよりも全長が55mm長くなっています。シート高は780mmと15mm低く設定されており、取り回しのしやすさにも配慮されています。

燃料タンク容量は16Lと、CBX750Fの22Lと比べると小さくなっていますが、カタログ燃費は同じく36.0km/L(60km/h定地走行時)を謳っています。計算上の航続可能距離は約570kmで、長距離ツーリングにも十分な範囲をカバーできます。

メンテナンス性の向上はホライゾンの大きな特徴です。シャフトドライブの採用だけでなく、エンジン内のカムチェーン調整にはオートテンショナーを採用し、点火装置もポイントレスのフルトランジスタタイプとすることで、メンテナンス間隔の延長を図りました。

ユーザーレビューでは「シャフトドライブなのでほぼメンテフリー」「乗りやすい、フワフワのシート」と評価されています。一方で「重心が高いのか取り回し難い」「小さいタンクなのに町乗りは燃費が悪い」といった指摘もあります。

興味深いのは、ホライゾンが白バイ仕様としても採用されていた点です。CBX750ホライゾンをベースにした白バイ仕様「CBX750P」は1986年から1999年まで各都道府県警察で運用されていました。シングルシートやライトケース一体の追尾測定対応速度計などの専用装備を持つモデルで、その信頼性の高さが警察にも認められていたことがわかります。

現在のホライゾンは非常に希少なモデルとなっており、中古市場での取引数も限られています。「部品の欠品が多い状態です」というユーザーの声にあるように、メンテナンスには苦労することもありますが、その独特のデザインと実用性の高さから、今なお根強いファンを持つモデルとなっています。

シャフトドライブを採用した堅牢な構造と独特のスタイルを持つCBX750Fホライゾンは、当時のホンダの技術力の高さを示す貴重なモデルとして、バイク史に名を残す存在となっています。

歴代年式における主な変更点

CBX750Fは1983年12月に初登場してから、大きなモデルチェンジはなく、基本的なスペックを維持したまま生産されていました。しかし、細かな部分ではいくつかの変更点が見られます。これらの変化を年式ごとに追っていくことで、モデルの進化を理解することができます。

初代モデルとなる1983年12月発売の「初期型」CBX750F(RC17)は、角型2灯式ヘッドライトとハーフカウルを特徴としていました。空冷DOHC4バルブ並列4気筒の747ccエンジンは、当時としては画期的な油圧式バルブクリアランス自動調整機構やブラシレスACジェネレーターを搭載していました。

1984年にはCBX750Fのバリエーションモデルとして、シャフトドライブを採用したCBX750ホライゾン(RC18)が追加されました。ホライゾンは外観も大きく異なり、角型燃料タンク、角型ヘッドライト、ビキニカウルを特徴としていました。

翌1985年にはフルフェアリングを装備したCBX750Fボルドールが日本国内で2,000台限定販売されました。このモデルはベースとなるCBX750Fのエンジンや車体はそのままに、外装を大幅に変更したものでした。

年式による細かな変更点としては、初期モデルではイグナイターやニュートラルランプスイッチの不調が報告されており、後の年式では改良が加えられた可能性があります。ユーザーレビューでは「CBX750F特有の持病(ジェネレーターカムチェーンテンショナーの不具合)」という記述も見られ、モデル末期に向けてこれらの問題点への対応が進められたと考えられます。

輸出仕様と国内仕様にも違いがあり、輸出モデルはより高い出力設定になっていたようです。「輸出仕様は当時91PSありました」というユーザーコメントもあります。国内向けモデルの77PSと比較すると、約18%もの出力差があったことになります。

CBX750Fのラインナップは1992年まで続き、その後継モデルはCB750(RC42型)となりました。RC42型とCBX750Fではエンジン構成に共通点が多く、実際に部品の互換性がある箇所も少なくありません。このことからCBX750FはRC42型CB750の先祖と言われることもあります。

現在、CBX750Fの歴代モデルは生産終了から長い年月が経過しているため、年式や個体によってコンディションに大きな差があります。「1990年以降の後期型は、初期の問題点が改善されている可能性が高い」というのが、オーナーたちの間で共有されている知見です。

また、ボルドールやホライゾンなどの派生モデルは、基本モデルよりも少ない生産台数のため、現在ではさらに希少価値が高まっています。特にボルドールは2,000台限定生産だったため、コレクターの間で人気が高いモデルとなっています。

このように、CBX750Fシリーズは生産されていた期間中に大きなモデルチェンジはなかったものの、様々なバリエーションモデルの追加や細かな改良が継続的に行われ、それぞれに特徴と魅力を持つラインナップを形成していました。不人気と言われながらも、時代を超えて現在も愛好家に支持される理由の一つと言えるでしょう。

カスタム事例と現代での楽しみ方

不人気と言われるCBX750Fですが、その堅牢なベースマシンとしての資質から、カスタムベースとしての人気は意外と高いものがあります。現代においてCBX750Fを楽しむ方法として、カスタムは大きな魅力の一つです。

まず定番のカスタムとして挙げられるのが、前後ホイールの17インチ化です。純正では前16インチ/後18インチという組み合わせでしたが、これを前後とも17インチにすることで、現行タイヤの選択肢が広がり、走行特性も現代的になります。あるカスタム例では「フロントがヤマハFZR1000(フォーク、ホイールなど)、リヤはスイングアームとブレーキが'96~スズキRGV-Γ250SP、ホイールが'97~ホンダVTR1000F純正」という組み合わせで17インチ化を実現しています。

エンジン関連では、FCRキャブレターへの換装が人気です。FCRはレーシングキャブレターとして知られ、スロットルレスポンスの向上や出力アップが期待できます。「キャブレターは、FCRが相性がいいですね。しっかりできたエンジンならより良さも引き出せる」という専門家の声もあります。

また、排気系のカスタムも一般的で、4-1や4-2-1タイプのマフラーに交換することで、排気効率の向上と重量軽減を図ることができます。特にチタン製マフラーは軽量化に大きく貢献し、バンク角(リーンアングル)の確保にも一役買います。

足回りでは、フロントフォークをオーリンズなどの高性能サスペンションに交換する例が見られます。「フロントフォークをオーリンズRWUにして」というようなカスタム例もあり、現代のサスペンション性能を取り入れることでハンドリング性能を大幅に向上させることが可能です。

中にはCB750Fに900ccのエンジンを載せ替えるという大胆なカスタムも見られます。「750に900のエンジンを載せた車両は人気だったりします」というショップオーナーの証言もあり、排気量アップによるトルクの向上は、現代の交通事情に適応するための有効な手段と言えるでしょう。

外装面でのカスタムも多様です。「スペンサーカラーのシルバー×ブルーライン」のような往年のレーシングカラーを再現したり、「シートとシートレールは車体全体のルックスバランスを整えるため、それぞれ途中で約7cmカットして再接続した」といった車体プロポーションの最適化を図る例もあります。

現代でCBX750Fを楽しむ際の注意点として、部品の供給状況が挙げられます。「部品の欠品が多い状態です」というユーザーの声もあり、純正部品の入手が難しい場合があります。そこで「流用できる部品」を探すことが重要になります。例えば「CB750(RC42)とエンジン部品が利用出来る」という情報は、メンテナンスを続ける上で貴重です。

また、メンテナンス面での対策として、「カムチェーンテンショナー」や「ジェネレーター」といった弱点部分を先手を打って補強・交換しておくことも、トラブルなく楽しむためのポイントです。

現代においてCBX750Fを楽しむ醍醐味は、その「味わい」にあります。空冷エンジン特有のサウンドや振動、シンプルな車体構成がもたらす素直なハンドリング、そして80年代特有のデザイン。これらは最新のバイクでは味わえない魅力です。「峠でもそうですけど、結局バイクを手足のように扱えるようでないと、速く走ることって難しいと思うんですよ。この年代のナナハンは、全部手の内にある感じがして、それがいいんですよね」というベテランライダーの言葉は、CBX750Fの本質を言い表しています。

不人気とされながらも、独自の進化を遂げてきたCBX750F。現代においても、カスタムやメンテナンスを通じて新たな魅力を引き出し、楽しむことができるバイクなのです。

中古相場と購入時の注意点

CBX750Fの中古相場は、状態や年式によって大きく変動します。一般的な相場としては、状態の良い個体で75万円から110万円程度となっています。不人気車と言われながらも、経年とともに希少価値が高まっており、特に状態の良い個体は価格が上昇傾向にあります。

特にボルドールは2,000台限定モデルということもあり、コレクターズアイテムとしての価値も加わって、良好な状態であれば高値で取引されることもあります。一方、ホライゾンは市場での流通量が少なく、希少性から85万円から95万円程度の相場となっています。

中古車を購入する際の最大の注意点は「状態」です。発売から35年以上が経過しているため、同じ年式でも個体によって大きな差があります。特に注意すべきポイントをいくつか挙げていきます。

まず、エンジン関連では、「カムチェーンテンショナー」が要注意部分です。「CBX750のアキレス腱です。修理済みの車両を探しましょう」というアドバイスもあるように、この部分の不具合はCBX750Fの代表的な弱点です。点検時にカムチェーンのたるみ具合や異音をチェックすることが重要です。

また、「ジェネレーターチェーンテンショナー破損」も要チェックポイントです。これはエンジン内部の部品なので外観からは判断が難しいですが、「エンジン(シリンダー)側のカムチェーンガイド軸受けの方を見ておきたい」と専門家はアドバイスしています。

電装系のトラブルも多く報告されており、「電装系(自分の経験ではジェネレーターやレギュレーター)のトラブルも出やすい」という声もあります。購入前の試乗では、電装品が正常に作動するかを確認することが大切です。

サスペンション関係では、リアサスの不調が多く報告されています。「この年代のホンダ車(CBX・CBR・VF等の400・750)リヤーサスが機能しない個体が多いです!!」という警告もあるように、サスペンションのコンディションは特に注意深くチェックする必要があります。

燃料タンクの状態も重要な確認ポイントです。「純正は鉄製ですから劣化も多く見られます。内部のサビや合わせ面からの燃料漏れ」といった問題が発生していることがあります。また、内部コーティングが施されている場合、「コーティングしたものがやっかい。きれいにされているものはいいとして、処理がうまくなくて分厚かったり不均一な膜になっていたりしたものが経年で剥がれて、燃料系を詰まらせたりします」という専門家のアドバイスもあります。

外装パーツに関しては、純正部品の多くが廃番となっており、「純正パーツがない」「外装部品がゼロ」という状況です。そのため、購入時の外装の状態が非常に重要になります。特にボルドールやホライゾンは専用パーツが多く、交換が必要になった場合は入手困難な可能性が高いです。

購入前のチェックリストとしては、以下の項目が挙げられます:

  1. エンジン始動性と暖機後の調子
  2. カムチェーンの状態(異音の有無)
  3. 電装品の動作確認
  4. サスペンションの状態
  5. 燃料タンクの内部状態
  6. 外装パーツの状態と欠損の有無
  7. フレームの錆や歪みの有無
  8. オイル漏れの有無

また、購入後の維持費も考慮に入れる必要があります。「旧車だから、何があってもあわてない、部品は気長に待つ」という心構えが必要です。また、「たぶん安く車両を入手したんだと思いますけど、そういう車種って長く乗るのに部品供給難で厳しいので、だから安いんですよ」という現実的なアドバイスもあります。

中古CBX750Fを購入する際には、できるだけ「状態のええタマを探すべき」というユーザーの助言通り、多少高くても良好なコンディションの個体を選ぶことが、結果的には維持費の削減につながる可能性が高いでしょう。また、「あるパーツを組もうって手を入れはじめました」という例もあるように、中古パーツや流用可能パーツのストックを持っていることも、長期的な維持には役立ちます。

不人気と言われながらも独自の魅力を持つCBX750F。中古購入の際には十分な下調べと慎重な状態確認を行い、末永く付き合える一台を見つけてください。

タイヤの空気圧は?メンテナンスポイント

CBX750Fのタイヤ空気圧は、適正値を守ることでハンドリングや寿命に大きく影響します。標準の推奨空気圧は、フロントが2.25kg/cm²、リアが2.80kg/cm²と設定されています。これは二人乗車時の値であり、ソロライドの場合はやや低めの設定も可能ですが、メーカー推奨値を基準にするのが安全です。

タイヤサイズは、標準モデルのCBX750Fではフロント110/90-16 59H、リア130/80-18 66Hとなっています。一方、派生モデルのホライゾンはフロント110/90-18 61H、リア130/90-16 67Hと、前後のサイズが逆になっている点が特徴的です。どちらもチューブレスタイヤを採用しており、これは当時としては先進的な装備でした。

CBX750Fのメンテナンスポイントとしては、まず最も重要なのがエンジン関連です。空冷エンジンであるため、オーバーヒート対策が欠かせません。特に「夏はエンジンがダレルので渋滞にはまるとオーバーヒートしてしまう」という問題があります。対策として「熱ダレに強いオイルをいれないと安心して走れない」とユーザーコメントにもあるように、高品質なエンジンオイルの使用が推奨されています。

エンジンオイルについては、推奨粘度は10W-40とされています。交換時のオイル量は2.5L、フィルター交換時は2.8Lとなります。空冷エンジンはオイルへの負担が大きいため、定期的な交換が重要です。「空冷の一番のメリットって実はここだったり」と整備性の良さを評価する声もありますが、その分のメンテナンスは怠れません。

CBX750Fの代表的な弱点として、カムチェーンテンショナーの問題があります。「CBX750のアキレス腱です」と言われるほど注意が必要なパーツで、「エンジンを無理に回さない、急なシフトダウンに気をつけましょう」というアドバイスもあります。定期的な点検と、異音が発生した場合は早めの対処が必要です。

また、「スタータークラッチもリビルド加工を受け付けている」というように、スターターシステムも要注意ポイントです。「ノーマルでは内側に3個しかないロック機構を増やし、ワンウェイ機構の容量をアップ。固定ボルトも3→6個として位置を外側として安定性を高めている」といった改良も施されています。

電装系も要注意で、「ニュートラルランプスイッチが不調で点灯しない」といった問題も報告されています。特殊形状のため代用品がなく、部品確保が難しいケースもあります。また、「イグナイターがCBX用でないと、2000回転以下の加速ができない」という症状も報告されており、電装系統のコンディションチェックは重要です。

サスペンション関連では、「リヤサス固着」という問題が多く報告されています。「この年代のホンダ車リヤーサスが機能しない個体が多い」とのことで、ショックアブソーバー内のウレタン製バンプ材が劣化して機能しなくなるケースがあるようです。サスペンションのオーバーホールや新品への交換を検討する必要があるかもしれません。

ブレーキシステムについては、「tracのせいでフロントブレーキが甘い」という指摘もあります。TRACはブレーキトルク応答型アンチダイブ機構のことで、制動時のフロントフォークの沈み込みを抑制する機構ですが、その反面、強い制動力が得られにくいという側面もあります。現代の基準では物足りなく感じる可能性もあるでしょう。

燃料系では、キャブレターのオーバーホールが重要なメンテナンスポイントです。「エンジンが冷えているときは3000rpm以上回らないが、温まるとレッドゾーンまでキレイに回る」といった症状が出る場合、キャブレターの清掃が必要かもしれません。長期間放置されたバイクでは特に注意が必要です。

外装部品については、「シートロックのステーがリアカウルに接触して傷だらけになる」といった特有の問題もあります。また、「ガソリンタンクの給油口まわりが変色している」など、経年による劣化も避けられません。外装パーツは新品の入手が難しいため、現存のパーツを大切に扱うことが重要です。

最後に、CBX750Fを長く乗り続けるためのアドバイスとして、「キャブのセッティングも含めて出来る店が減ってきています。信頼できる店を選ぶ事が長く・安く乗る秘訣です」という言葉があります。旧車に詳しい整備工場を見つけておくことも、メンテナンス戦略の一つと言えるでしょう。

不人気と言われながらも独自の魅力を持つCBX750F。適切なメンテナンスを行うことで、その真価を長く楽しむことができるでしょう。

総括:CBX750Fが不人気と言われる理由と隠れた名車の魅力を解説

この記事をまとめると、

  • CBX750Fは1983年に登場した新世代エンジン搭載のスポーツバイク
  • レーサーレプリカ全盛期だったため、ツアラー系に見えるデザインが受け入れられなかった
  • 当時の販売目標8,000台に届かず不人気車との評価がついた
  • 空冷DOHC4バルブ並列4気筒の747ccエンジンで77PSを発揮
  • 油圧式バルブクリアランス自動調整機構やブラシレスACジェネレーターなど先進技術を採用
  • ライバル車に比べてパワーが控えめで、GPZ750Fの85PS、FZ750の100PSと差があった
  • 角型2灯式ヘッドライトが特徴的だが賛否両論のデザイン
  • 同時期にVF750Fも発売されており、ホンダ内での人気が分散した
  • カムチェーンテンショナーの不具合がCBX750Fの代表的な弱点
  • 派生モデルとしてフルカウル装備の「ボルドール」が2,000台限定で発売
  • シャフトドライブを採用した「ホライゾン」も登場し、白バイにも採用された
  • 現在の中古相場は75万円から110万円程度で、状態により大きく変動
  • 17インチホイール化やFCRキャブレター装着などのカスタムが人気
  • 燃料タンクの内部サビや電装系トラブルが多いため購入時の注意が必要
  • 不人気と言われながらも、現在は空冷エンジン特有の味わいが再評価されている
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