
出典:SUZUKI公式
スズキのイナズマ1200は「遅いバイク」というイメージを持たれがちですが、本当にそうなのでしょうか?この記事ではイナズマ1200が遅いのか速いのかについて、実際のスペックや加速性能を詳しく検証していきます。
イナズマ1200の基本スペックを見ると、1156ccの油冷エンジンから100PS/8500rpmの最高出力と10.0kg-m/4500rpmの最大トルクを発揮します。シート高は780mmと低く設定されており、足つき性に優れています。また、5速ミッションを採用しているのも特徴的です。
燃費については、カタログ値が28.0km/Lに対し、実際の使用では街乗りで12〜17km/L、ツーリングで15〜20km/L程度となっています。車体が軽量コンパクトなため取り回しが良く、大型バイク初心者にも扱いやすいモデルとなっています。
イナズマ1200は本当に遅いのでしょうか?それとも「遅い」という評価は誤解なのでしょうか?この記事では実際のオーナーの声も交えながら、イナズマ1200の真の実力に迫ります。
- イナズマ1200は「遅い」と言われるが実際は同クラスのバイクと同等以上の加速性能を持つ
- 400ccと同じコンパクトな車体と小径キャブレターが「遅い」イメージの原因となっている
- マフラー交換やリミッターカットなどのカスタムで性能をさらに引き出せる
- 軽量さと低いシート高による取り回しの良さが大型初心者に支持されている
イナズマ1200は遅いというイメージの真相
ネイキッドにパネルメーター好み。
イナズマ1200はやはり良い🙆 pic.twitter.com/VBGJsIeQuU
— decoboco (@shop_decoboco) February 15, 2025
- イナズマ1200のスペックを検証する
- 実は速い?イナズマ1200の実力
- イナズマ1200は何速ですか?
- イナズマ1200の加速性能の実際
イナズマ1200のスペックを検証する
スズキのイナズマ1200は、1998年から2000年まで販売された油冷エンジン搭載のネイキッドバイクです。このモデルのスペックを詳しく見ていきましょう。
イナズマ1200に搭載されているエンジンは、1156ccの油冷4ストローク直列4気筒DOHCエンジンです。最高出力は100PS/8500rpm、最大トルクは10.0kg-m/4500rpmという数値を誇ります。これは同時期の他のリッタークラスネイキッドと比較しても遜色ない数値となっています。
車体については、全長2140mm、全幅780mm、全高1100mmというコンパクトなサイズ感が特徴です。特筆すべきは乾燥重量が208kgという軽さで、当時のリッターネイキッドとしては最軽量クラスに属していました。参考までに、2010年のGSR400が210kgだったことを考えると、その軽量さがよく分かります。
シート高は780mmと低めに設定されており、足つき性に優れているのも大きな特徴です。この点は特に日本人のような比較的小柄な体格の人にとって乗りやすさに直結します。
足回りにはフロントにφ43mmの正立フォーク、リアにはショーワ製のツインショックを採用。ブレーキは前輪に310mmのダブルディスクとブレンボ製の異径4ポットキャリパー、後輪にはシングルディスクという組み合わせで、制動力も十分に確保されています。
キャブレターはφ32mmという比較的小径のものを採用し、低中速域でのトルク特性を重視したセッティングが施されています。燃料タンク容量は18リットルで、カタログ燃費は60km/h定地走行で28.0km/Lとなっています。
こうしたスペックからは、大型バイクでありながら取り回しの良い、扱いやすいマシンという特性が見えてきます。実際のユーザーからも「軽くて乗りやすい」という評価が多く聞かれます。ただ、キャブレターが小径であることや車体が小さいことから「パワー不足ではないか」という懸念を持たれることもありました。しかし次の見出しで見ていくように、実際の走行性能は決して「遅い」わけではないのです。
実は速い?イナズマ1200の実力
#愛車を丁寧に紹介する
イナズマ1200
外寸はイナズマ400とほぼ同等
外装は流用可能
GSX-R1100のエンジンベースにボア1mmアップで29cc排気量アップし1156cc、低中速寄りのトルクフルで扱いやすい100馬力。
リミッターカットでクローズドコースにて最高速235km。
残念ながら不人気により2年で生産終了 pic.twitter.com/5E8mBWesGm— INA村 (@ina17b) December 20, 2020
イナズマ1200は「遅い」というイメージを持たれがちですが、実際の走行性能を見ると、その評価は必ずしも正確とは言えません。むしろ、多くのオーナーはその加速性能の高さに驚いています。
ユーザーの実体験によると、イナズマ1200のメーター読みでの最高速度は200〜240km/h程度と報告されています。あるユーザーはリミッターカットなしでも「メーター読みで200km/h」が出たと述べており、マフラーと吸気系の改良を行えば「250km/h近く」出るという意見もあります。実際にバンディット1200Sに乗っていたユーザーは「普通に240km/h(メーター読み)は出ました」と証言しています。
加速については、同じエンジンを搭載したバンディット1200の0-100km/h加速が2.7秒という記録があり、イナズマ1200も同等の加速性能を持つと考えられます。参考までに、同クラスではCB1300SFが2.8秒、XJR1300が3.0秒、GSX1400が2.5秒、ZRX1200Rが3.1秒程度とされています。つまり、この排気量クラスの中でも十分に競争力のある加速性能を持っていると言えるでしょう。
実際に乗ったユーザーからは「アクセルを開ければ怒濤の加速を味わうことができる」「高速の追い越しは楽ちん」「一般道ではどこでも先頭を走れる」といった声が多く聞かれます。また「次の信号で横に並ばれない」という表現も見られ、実用域での加速力の高さがうかがえます。
ただし、イナズマ1200が「遅い」と評価される一因として、車体の小ささがあります。1200ccという大排気量でありながら、車体はイナズマ400とほぼ同じサイズであり、他の大型バイクと比べてコンパクトです。このため「大型バイクを乗っている!」という迫力に欠けると感じるユーザーもいるようです。また、標準装備のキャブレターがφ32mmと小径であることも、走りの印象に影響している可能性があります。
イナズマ1200の真の魅力は「必要以上にパワーを主張しない実用的な速さ」にあります。コンパクトで軽量な車体に、十分なパワーと低回転からのトルクを備えたエンジンを搭載しているため、日常使いからツーリングまで幅広く対応できるバイクとなっています。
多くのユーザーが「マイナー車だが良いバイク」と評価するイナズマ1200は、見た目や知名度からくる「遅そう」というイメージと、実際の走行性能には大きなギャップがあるようです。数値だけで見ても、決して「遅い」とは言い切れないバイクであることが分かります。
モデル | 0-100km/h加速 | 最高出力 | 最大トルク | 乾燥重量 |
---|---|---|---|---|
イナズマ1200 | 約2.7秒 | 100PS/8500rpm | 10.0kg-m/4500rpm | 208kg |
CB1300SF | 2.8秒 | 100PS/7000rpm | 11.3kg-m/5000rpm | 224kg |
XJR1300 | 3.0秒 | 98PS/8000rpm | 10.4kg-m/6000rpm | 245kg |
GSX1400 | 2.5秒 | 106PS/6800rpm | 12.7kg-m/5000rpm | 228kg |
ZRX1200R | 3.1秒 | 102PS/8500rpm | 10.0kg-m/6500rpm | 223kg |
※イナズマ1200の加速値はバンディット1200(同エンジン搭載)のデータを参考
イナズマ1200は何速ですか?
イナズマ1200は5速ミッションを採用しています。多くの大型バイクが6速である中、イナズマ1200は5速という選択を行っているのが特徴です。
このトランスミッションはリターン式の5段変速で、操作方式はフットシフトとなっています。具体的なギア比は、1速が2.384、2速が1.631、3速が1.250、4速が1.045、5速が0.913となっており、低速域から高速域までバランスよく設定されています。
また、イナズマ1200のクラッチは湿式・多板タイプを採用。動力伝達方式はチェーンドライブで、スプロケット前15歯、後44歯、チェーンサイズは530で、標準チェーンリンク数は112となっています。
一部のユーザーからは「5速車なので、街なかで遅い車の後ろを走っているとアイドリング回転ちょいくらいでトロトロになる」という意見もあります。実際に「6速で少し低速域を刻んでくれるとありがたい」という声も見られ、低速走行時にはやや不便に感じる場合もあるようです。
ただ、このエンジンは低回転からトルクがあるため、ギア比の設定と相まって、日常走行では不便を感じない設計となっています。ユーザーの声として「パワーバンドがかなり広く、忙しくシフトチェンジせずとも楽しく走れる」という評価もあります。
イナズマ1200のギア特性を最大限に活かすには、低回転からのトルクを活用した走りが合っているでしょう。高回転域まで回してスポーティに走ることも可能ですが、多くのユーザーは「5速50キロ1500回転ぐらいから5速のまま加速させた時の感じがとても気に入っている」と述べており、このあたりに油冷エンジン特有の魅力があるようです。
なお、慣れてくると「つい6速を探してしまう」という声もあり、他の大型バイクに乗り慣れているライダーにとっては、最初は5速という設定に戸惑うかもしれません。しかし、イナズマ1200の5速ギアボックスはエンジン特性に合わせた設計となっており、一般的な走行では十分な対応能力を持っています。
イナズマ1200の加速性能の実際
イナズマ1200
・長所
安い
頑丈
それなりに加速良い
マイナー・短所
夏の渋滞は死ぬ(乗り手が pic.twitter.com/YgoElW5QeA— ODA@酒kz (@oda_09) August 30, 2013
イナズマ1200の加速性能は、実際のところどうなのでしょうか。多くのユーザーが「思った以上に早い」と評価しており、その加速フィーリングの良さを高く評価しています。
具体的なデータを見ると、同じエンジンを搭載したバンディット1200の0-100km/h加速タイムは約2.7秒とされています。これは同クラスのCB1300SFの2.8秒、XJR1300の3.0秒、ZRX1200Rの3.1秒と比較しても遜色ない、むしろ優れた数値です。
特にイナズマ1200の強みは、1156cc油冷エンジンから生み出される低回転域からの力強いトルクにあります。最大トルク10.0kg-mが4500rpmという比較的低回転で発生するため、市街地走行などでアクセルを開けた際の加速感は非常に気持ち良いものになっています。
ユーザーからは「アクセルをひねれば怒涛の加速を味わうことができ、高速の追い越しなんかは楽ちん」「アクセルを大きく開けるとすごい加速をする」「チョイとアクセルをふかすだけで、後ろに置いてかれてしまう」といった声が聞かれます。
また「HONDA S2000にも当然勝てる」「CB1300よりも置いていかれることはない」という意見もあり、同時代の高性能車両と比較しても加速性能に自信を持つオーナーが多いことがわかります。
ただし、イナズマ1200の加速性能を最大限に引き出すためには、エンジン特性を理解した走行が重要です。一部のユーザーからは「たまにアクセル急開時、燃料がついて来ない感じの時がある」という意見もあります。これはキャブレターがφ32mmという比較的小径であることが影響している可能性があります。
実際、カスタムパーツを装着して性能を引き出しているオーナーも多く、「キャブレターを変えるだけでも全然違う」「GSFのピックアップローターやヨシムラのカム、ユニコーンのリミッターカットなんかを入れてやるとエンジンフィールが見違える」といった声もあります。
イナズマ1200の加速性能において特筆すべきもう一つのポイントは、車両重量の軽さです。乾燥重量208kgという数値は、当時のリッタークラスネイキッドとしては最軽量クラス。この軽さが加速性能にも好影響を与えています。
加速感という主観的な評価においても「大型初心者が乗っても扱いやすく、かつ十分に速い」という意見が多く、「リッターバイクの中では小さいほうなので乗りやすい」「CB1300やXJR1300などより絶対に速い」という評価もあります。
このように、イナズマ1200の加速性能は、単に「速い」「遅い」という二元論では語れない、独自の魅力を持っています。そのバランスのとれた加速性能と扱いやすさは、今でも多くのファンに支持される理由となっています。
イナズマ1200が遅いと言われる理由と魅力
スズキ・イナズマ400
中型唯一の油冷エンジン搭載車。
車体がイナズマ1200のものと共通である為、大型並みに車体がデカい。また、1200との部品共用の為に純正でブレンボキャリパーやカヤバのサスを装備するなど中型としては豪華な装備を備えている。
価格が安い今が買い時https://t.co/Usck37HwFL— 適当に語るバイクbot (@henken_bike) March 19, 2025
- GSF1200とイナズマ1200の違いは何ですか?
- イナズマ1200の燃費は?
- イナズマ1200のシート高と取り回し
- イナズマ1200のカスタム事例
- イナズマ1200の中古市場での評価
- イナズマ1200は値上がりしている?
GSF1200とイナズマ1200の違いは何ですか?
項目 | GSF1200 | イナズマ1200 |
---|---|---|
コンセプト | スポーティさ重視 | 乗りやすさ重視 |
発売期間 | 1995年〜長期間 | 1998年〜2000年(約2年間) |
キャブレター | φ36mm | φ32mm(小径) |
車体 | 大柄 | イナズマ400をベースにしたコンパクト設計 |
シート高 | 高め | 780mm(低め) |
リアサスペンション | モノショック | ツインショック |
デザイン | 角張ったスポーティなスタイル | オーソドックスな丸目ネイキッドスタイル |
新車価格 | 高め | 798,000円(税別)と比較的安価 |
主なユーザー層 | スポーティな走行を好むライダー | 大型初心者や取り回しを重視するライダー |
GSF1200とイナズマ1200は、どちらもスズキが製造・販売した油冷エンジン搭載のビッグネイキッドバイクですが、両者には明確な違いがあります。
まず、最も大きな違いはコンセプトにあります。GSF1200はスポーティさを追求したモデルであるのに対し、イナズマ1200は乗りやすさを重視した設計となっています。この違いはエンジン特性や車体設計にも反映されています。
エンジン面では、基本的に同じ1156cc油冷直列4気筒DOHCエンジンを搭載していますが、セッティングが異なります。イナズマ1200はGSF1200よりも小径のφ32mmキャブレターを採用し、点火タイミングを制御するスロットルポジションセンサーも装備。これにより低中速域での扱いやすさを重視した、よりマイルドな出力特性となっています。
一方で最高出力はイナズマ1200の方が100PS/8500rpmとGSF1200よりもわずかに高く設定されています。ただし実際の走行フィーリングではGSF1200の方がスポーティな印象を与えるようです。
車体設計も大きく異なります。イナズマ1200はイナズマ400をベースにしたコンパクトな車体を持ち、シート高も780mmと低めに設定されています。対してGSF1200はより大柄で本格的なネイキッドバイクとしての作りになっています。
サスペンションもイナズマ1200はSHOWA製のツインショックを採用していますが、GSF1200はモノショックを採用しており、よりスポーティな設計となっています。
重量面では、イナズマ1200の乾燥重量は208kgと、GSF1200と同じ軽量設計ながら、コンパクトなボディと相まって非常に取り回しの良いバイクになっています。
外観デザインも大きく異なり、イナズマ1200はよりオーソドックスなネイキッドスタイルを採用。丸型ヘッドライトと砲弾型のメーターが特徴的です。GSF1200はより角張ったデザインで、スポーティさを強調しています。
販売期間もGSF1200が1995年から始まり長期にわたって販売されたのに対し、イナズマ1200は1998年から2000年までのわずか2年間という短い販売期間でした。
価格面でもイナズマ1200の方が安価に設定されており、新車価格は798,000円(税別)と、GSF1200と比べてリーズナブルでした。これは「大型初心者にも手が届きやすい価格設定」というコンセプトに沿ったものでした。
ユーザー層も異なり、GSF1200はよりスポーティな走行を好むライダーに支持されたのに対し、イナズマ1200は大型初心者や取り回しを重視するライダーに好まれる傾向がありました。
このように、同じスズキの油冷ビッグネイキッドでも、GSF1200とイナズマ1200は明確なコンセプトの違いを持ち、それぞれ異なるユーザーニーズに応えるモデルとして開発・販売されていたのです。
イナズマ1200の燃費は?
走行条件 | 燃費範囲 | 備考 |
---|---|---|
カタログ値(60km/h定地走行) | 28.0 km/L | メーカー公表値 |
市街地走行 | 12〜17 km/L | 多くのユーザー報告値 |
ツーリング | 15〜20 km/L | 多くのユーザー報告値 |
好条件下での実走行 | 最大30 km/L | 一部ユーザーからの報告 |
平均的な実燃費 | 15〜16 km/L | 複数のユーザー報告の平均値 |
※燃料タンク容量:18リットル ※平均燃費15km/Lの場合の航続距離:約270km
イナズマ1200の燃費性能は、大型バイクとしては比較的良好と言えます。カタログ値では60km/h定地走行時で28.0km/Lとされています。しかし、実際の使用状況ではさまざまな数値が報告されています。
多くのオーナーの実燃費データを見ると、市街地走行では12〜17km/L程度、高速道路などを含むツーリングでは15〜20km/L程度という報告が多いようです。この数値は1200ccクラスのネイキッドバイクとしては標準的な燃費性能と言えるでしょう。
具体的なユーザー報告を見ると、街中での燃費は「13〜15km/L」という声が多く、ツーリング時には「18〜20km/L」と若干向上するようです。中には「一般道でも18〜20km/L」という報告もあり、走行スタイルによって大きく変わることがわかります。
また、「平均15km/L、最高21km/L位」という報告や、「街乗り平均20km、ツーリング30kmオーバー」という非常に良好な数値を報告するユーザーもいます。こうした差は、運転スタイルや整備状態、走行環境などさまざまな要因によって生じるものです。
興味深いのは、一部のユーザーからは「マフラーを替えたら燃費が良くなった」という報告もあることです。これは、純正マフラーよりも適切なバックプレッシャーが得られる製品に交換することで、エンジン効率が向上した可能性があります。
イナズマ1200の燃料タンク容量は18リットルですので、平均的な燃費である15km/Lで計算すると、満タンで約270kmの走行が可能です。実際にユーザーからも「満タンで約300km走行可能」という声が聞かれます。
ただし、イナズマ1200の燃費に関して一部のユーザーからは「思ってた程燃費が良くない」「燃費が悪い」という声も聞かれます。これは主に以下の理由が考えられます:
- 油冷エンジンは水冷エンジンと比較して、熱効率の面でやや不利な場合がある
- 1200ccという大排気量エンジンを積んでいるため、燃料消費量が多くなる傾向がある
- パワフルなエンジン特性上、楽しく走ると燃費が悪化しやすい
また、「GASトリートメント、イリジウムプラグ、スーパーゾイル」などを試しても効果がなかったというユーザー報告もあり、燃費改善は単純には難しいようです。
なお、燃料タイプについてはレギュラーガソリンを使用するように設計されているため、燃料コストの面では比較的経済的です。
全体として、イナズマ1200の燃費は大型バイクとしては標準的なレベルであり、街乗りでは12〜17km/L、ツーリングでは15〜20km/Lと考えておくと良いでしょう。走行スタイルや整備状態によって大きく変わる可能性があるため、エコ運転を心がけるとともに、定期的なメンテナンスを行うことで最適な燃費性能を維持することができます。
イナズマ1200のシート高と取り回し
#乗ってる車名と長所と短所書いてけ
SUZUKIイナズマ1200長所 ガツンとトルク
操作してる感
足つきオッケー
スピード良し短所 人気無い😭
エンジン熱ぃ
1200に見えない車体 pic.twitter.com/KfeHqV0YUY— #中国厨房 ろざん(廬山)町の中華屋さん (@rozan0063) September 13, 2023
イナズマ1200のシート高は780mmと設定されており、これは大型バイクの中でも特に低いシート高として知られています。この低いシート高は、多くのライダー、特に日本人の平均的な体格のライダーにとって大きなメリットとなっています。
実際に多くのユーザーからは「足つきが良い」という声が聞かれます。「160cmの女性でも両足しっかり付く」「166cmでも平坦路では大丈夫」といった評価があり、身長が低めのライダーでも安心して乗ることができるバイクであることがわかります。ある女性ライダーは「153cmの私でもなんとかなる」と述べており、大型バイクでありながら女性にも扱いやすい設計になっています。
足つき性の良さは信号待ちなどの一時停止時だけでなく、坂道や砂地などの不安定な路面での停車時にも安心感をもたらします。これにより、初心者や体格の小さなライダーでも大型バイクへのステップアップがしやすくなっています。
取り回しについても、イナズマ1200は乾燥重量208kgと、1200ccクラスのネイキッドとしては軽量な部類に入ります。この軽さと低いシート高の組み合わせにより、駐車場での方向転換やUターンなどの低速操作がしやすくなっています。
ユーザーからは「教習車のCB750よりも軽い」「大型のわりには軽い。Uターン楽」といった声があります。特に「スーパーの狭い駐輪場でもわりと楽ちん」という評価は、日常使いでの扱いやすさを示しています。
この取り回しのしやすさは、イナズマ1200がイナズマ400とほぼ同じサイズのコンパクトな車体を持っていることに起因します。1200ccという大排気量エンジンを搭載しながらも、車体自体は中型クラスのバイクと同等のサイズ感となっています。
ただし、あくまでも「大型バイクの中では」という前提条件付きであり、実際の重量は200kgを超えていますので、絶対的な意味での「軽さ」ではありません。一部のユーザーからは「押し歩きはやはり重い」という声も聞かれます。また「400ccと間違えられる」という意見もあり、外見上のサイズ感からイナズマ1200の排気量を過小評価されることもあるようです。
このように、イナズマ1200のシート高と取り回しの特性は、大型バイク初心者や比較的体格の小さなライダーにとって大きなメリットとなります。「大型免許を取ったばかりで大型バイクを探している」「大柄な大型バイクでは不安がある」といったライダーにとって、イナズマ1200は扱いやすい選択肢となるでしょう。
イナズマ1200のカスタム事例
カテゴリ | 人気カスタムパーツ | 主な効果・特徴 |
---|---|---|
エキゾースト系 | ・ヨシムラチタンサイクロン ・ミクニマフラー ・エグテックマフラー | ・サウンド向上 ・パワーアップ ・見た目の向上 |
エンジン系 | ・ヨシムラハイカムイ ・ヨシムラST1カム ・ヨシムラTMRキャブレター ・リミッターカット ・バクダンキット | ・高回転域パワーアップ ・加速力向上 ・レスポンス向上 ・最高速アップ |
外装系 | ・ビキニカウル ・GIVIスクリーンカウル ・カタナ外装 ・風防 | ・風圧軽減 ・ツーリング快適性向上 ・レトロなスタイリング |
計器系 | ・GSX750用250K/Hメーター ・油温計 | ・最高速表示の拡大 ・エンジン状態の把握 |
足回り系 | ・センタースタンド ・エンジンガード ・ハンドル変更 | ・メンテナンス性向上 ・転倒保護 ・ポジション調整 |
細部パーツ | ・ヘルメットホルダー ・バーエンド | ・使い勝手向上 ・振動軽減 |
イナズマ1200は標準状態でも十分な性能を持っていますが、多くのオーナーがさまざまなカスタムを施しています。ここではイナズマ1200の代表的なカスタム事例をご紹介します。
まず最も多いカスタムはエキゾーストシステムの変更です。ヨシムラのサイクロンやチタンサイクロン、エグテックのマフラーなどが人気で、これらに交換することで排気音の質が向上し、パワー面でも効果があるとされています。あるユーザーは「15馬力上がったらしいけど、私にゃ使えない...音は最高です」と評価しており、サウンド面での満足度が高いことがわかります。
次に多いのがエンジン関連のカスタムです。特に注目されるのは、GSX-R1100系のパーツを流用したエンジンチューンです。ヨシムラの「ハイカムイ」やワイセンのピストン、大径バルブなどを組み合わせることで大幅なパワーアップが可能です。あるユーザーは「推定160馬力です」と報告しており、ポテンシャルの高さがうかがえます。
ほかにも「GSFのピックアップローター」「ヨシムラのカム」「ユニコーンのリミッターカット」などが人気のパーツとなっています。オイルクーラーの追加や、キャブレターの調整・交換も一般的なカスタムです。キャブレターに関しては「φ32と400カタナと同じ口径の小さいものが使われているため、キャブレターを変えるだけでも全然違う」という意見もあります。
外装面では、カウルの追加が多く見られます。風防効果を高めるためのビキニカウルやウインドスクリーンの装着は実用的なカスタムとして人気があります。「カウルは200km/h位から効果絶大」という声もあり、高速走行時の快適性向上に役立っているようです。
特筆すべきは「カタナ仕様」へのカスタムです。GSX1100S刀(カタナ)の外装をイナズマ1200に装着するというもので、レトロなスタイルを好むライダーに人気があります。「カタナ外装のカスタムもできますのでカタナ好きのかたにもおすすめ」という意見もあります。
実用面では、センタースタンドの追加が多く見られます。「取りまわしが軽くなりました」「チェーン関連整備には必需品」との評価があり、メンテナンス性向上に役立っています。また、使いづらいとされるヘルメットホルダーを交換するカスタムも一般的です。
安全面では、エンジンガードの追加も人気です。「納車2日目に立ちゴケ。エンジンガードのお陰で、クラッチレバー1本の交換だけで済みました」という体験談もあり、初心者には特に有効なカスタムと言えるでしょう。
ただし、イナズマ1200は他の有名なカスタムベースのバイクと比べると、専用パーツの種類は少ない傾向にあります。「イナズマ1200専用のカスタム部品というのは非常に少なく、ほとんどが流用になる」という声もあります。そのため、カスタムを考える際には、互換性のあるパーツを探す知識や、他のモデルのパーツを流用する技術が必要になることがあります。
このように、イナズマ1200は標準でも十分な性能を持ちながら、カスタムによってさらに魅力を引き出せるバイクと言えるでしょう。エンジンチューンから外装変更まで、オーナーの好みに合わせた多様なカスタムが可能です。
イナズマ1200の中古市場での評価
昔乗りたかったスズキのイナズマ1200
今中古市場が異常なのでさぞかし高値か?
と思ったら普通だった何故かワイが気になるバイクは皆安い…
— DBライダー@箱根 (@keny_black) August 14, 2022
イナズマ1200は、短期間の生産(1998年〜2000年)にもかかわらず、中古市場において独自のポジションを確立しています。中古市場でのイナズマ1200の評価はどのようなものなのでしょうか。
まず価格面を見ると、イナズマ1200は同年代の他のリッタークラスネイキッドと比較して比較的安価な価格帯で取引されています。具体的には、状態の良いものでも55万円〜70万円程度が相場となっているようです。これは同クラスの人気モデルが100万円前後で取引されることを考えると、かなりリーズナブルと言えるでしょう。
このリーズナブルな価格設定は「コストパフォーマンスの高さ」というメリットを生み出しています。実際に「大型免許を取ったばかりの人」や「初めて大型バイクを購入する人」にとって、イナズマ1200は入手しやすい選択肢となっています。
ただ、中古市場での評価において価格の安さは両刃の剣でもあります。一部のユーザーからは「不人気だから安い」という見方もされています。実際、イナズマ1200が生産されていた当時も「雑誌で取り上げられることも少なく、売れ行きも最低」という評価があったようです。
また、中古車選びの際に注意すべき点もいくつかあります。特にオイル漏れの問題が複数のユーザーから報告されています。「シリンダーヘッドカバーからのオイル漏れ」「シリンダーヘッドのボルト周りからのオイル漏れ」などがその例です。ほかにも「リアサスからのオイル滲み」「燃料ポンプのリレーの故障」などが報告されています。
年数が経過している車両も多いため、電装系のトラブルも少なくありません。「燃料ポンプ」「イグナイター」の劣化や、「イグニッションスイッチの接触不良」なども報告されています。あるユーザーは「スズキの古いオートバイが持っている持病みたいです」と表現しています。
一方で、エンジン自体の耐久性は高く評価されています。GSX-R1100をベースとした油冷エンジンは、適切なメンテナンスを行えば高い信頼性を誇ります。「故障なし」「トラブルもなく安心」というコメントも複数見られます。
中古車を選ぶ際のアドバイスとしては、「シートを外してみる」という意見があります。シート下の状態を確認することで、「大事にされてきた車両かどうかがわかる」とのことです。また、「年数もたっているので、距離が少なくても傷みが目立つはず」という指摘もあり、外観だけでなく機能面もしっかり確認する必要があるでしょう。
興味深いのは、イナズマ1200の評価が「知る人ぞ知る良バイク」という方向に変化してきていることです。発売当時は「不人気車」とされていましたが、現在では「マイナー車だが良いバイク」「味がある」という評価も増えています。
特に「400ccの車体に1200ccのエンジンを搭載した」という独自のコンセプトや、「油冷エンジン特有の味わい」「コンパクトで取り回しの良さ」などが再評価されています。あるユーザーは「マイナーだが気に入っている」と表現しており、マニアックな魅力を持つバイクとしての評価が高まっています。
こうした「隠れた名車」としての再評価と相まって、状態の良い車両は徐々に希少価値を持ち始めています。特に低走行で保存状態の良い個体や、適切なカスタムが施された個体は人気があります。
このように、イナズマ1200は中古市場において「コストパフォーマンスの高い大型バイク」「知る人ぞ知る隠れた名車」という評価を得ています。適切な車両選びとメンテナンスを行えば、低コストで大型バイクの魅力を味わえる選択肢と言えるでしょう。
イナズマ1200は値上がりしている?
イナズマ1200まじでいいバイクだったなー
もう一回乗りたいまである。
4発ネイキッドって普通を極めてていいよね。
油冷ってのが普通じゃないけど。笑 pic.twitter.com/58ndRvmGcQ— 北川 良太 (@Misfit_Ryota) September 20, 2024
イナズマ1200が値上がりしているかどうかは、多くのバイク愛好家が気になるポイントです。結論から言うと、近年の古いバイクへのノスタルジーブームや希少性の高まりから、状態の良いイナズマ1200には徐々に値上がりの兆候が見られます。
まず、イナズマ1200の元々の新車価格は798,000円(税別)でした。これは当時としても比較的安価な設定で、「リッターバイクの中で一番安く」「大型初心者向け」というコンセプトに沿ったものでした。中古市場でも長らく「安価な大型バイク」としてのポジションを保ってきました。
過去の中古価格を見ると、2010年代前半では「特に安いものだと55万円あたりから、高くても70万円前後」が相場とされてきました。しかし、近年の状況はやや変化しています。
この変化の背景には、いくつかの要因があります。
まず第一に、イナズマ1200の生産期間はわずか2年間(1998年〜2000年)と短く、元々の流通台数が限られています。そのため、年月の経過とともに良好な状態の車両はどんどん少なくなっています。
第二に、油冷エンジン搭載車への関心の高まりがあります。スズキの油冷エンジンは独自の魅力を持ち、2008年のGSX1400を最後に新車での供給が終了しています。エンジンの特性や見た目の美しさから、油冷エンジン搭載車への需要は根強く、中にはコレクターズアイテムとしての価値を見出す人もいます。
第三に、イナズマ1200が持つ独自の魅力の再評価が進んでいます。発売当時は「不人気車」とされていましたが、時間の経過とともに「コンパクトながらパワフル」「乗りやすい大型バイク」という特性が見直されています。特に大型初心者や、体格の小さなライダーからの評価が高まっています。
そして第四に、カスタムベースとしての人気も一因です。特にGSX1100S刀(カタナ)の外装を流用した「カタナ仕様」へのカスタムが人気を博しており、そうした需要も価格を下支えしています。
ただし、値上がりといっても劇的な高騰というわけではありません。いわゆる「プレミア価格」がついているわけではなく、状態の良い個体が適正に評価されるようになってきた、という程度です。実際、状態や走行距離によってはまだまだ50万円前後で購入できる車両も存在します。
また、値上がりの程度はコンディションによって大きく異なります。低走行で状態の良い車両、特にオリジナル状態が保たれている車両や、逆に質の高いカスタムが施された車両は徐々に価値が上昇する傾向にあります。一方で、高走行距離や状態の悪い車両は依然として安価で取引されています。
イナズマ1200の査定についてあるユーザーは「以前乗っていたバイクは査定1万円と言われたが、このバイクはどうなんだろう」と不安を表明していましたが、近年では状態が良ければある程度の査定額が期待できるようになってきています。
こうした市場動向を踏まえると、イナズマ1200は今後も穏やかな値上がりを続ける可能性があります。特に良好な状態の車両は希少価値を増していくでしょう。バイク市場全体の動向にも左右されますが、マイナーながらも独自の魅力を持つイナズマ1200は、今後も一定の需要を維持すると予想されます。
購入を検討している方は、現時点でも比較的手頃な価格で購入できるチャンスがあると言えるでしょう。ただし、古いバイクであるため、購入後のメンテナンスコストも考慮に入れておく必要があります。
総括:イナズマ1200は遅いって本当?スペックと実力を徹底検証
この記事をまとめると、
- 実際のスペック(100PS/8500rpm、10.0kg-m/4500rpm)は同クラスと遜色ない
- 0-100km/h加速は約2.7秒でCB1300SFより速い
- 乾燥重量208kgは当時のリッターネイキッドで最軽量クラス
- 最高速はリミッターカットなしでもメーター読み200km/h以上出る
- 「遅い」と評価される一因は400ccと同じコンパクトな車体サイズ
- キャブレターがφ32mmと小径なため走りの印象に影響
- 5速ミッションで6速がないことが低速走行時にやや不便
- GSF1200と同じエンジンだが乗りやすさ重視のマイルドな特性
- シート高780mmの低さが足つき性を高め初心者に優しい
- 燃費は街乗り12〜17km/L、ツーリング15〜20km/Lが一般的
- ヨシムラマフラーやリミッターカットなどカスタムで性能アップ可能
- カタナ仕様へのカスタムが人気で外観をレトロ化できる
- 中古価格は55〜70万円と同クラスの中でリーズナブル
- オイル漏れや電装系トラブルが経年車両では注意点
- 近年では「隠れた名車」として再評価され状態良好車は値上がり傾向