
出典:HONDA公式
CB1100シリーズ最後の空冷直列4気筒として、多くのライダーの憧れを集めてきたホンダのCB1100RS。金属の質感が織りなす美しさに惹かれて購入を決めた人も多い一方で、検索の場面ではCB1100RSに後悔したという声が数多く見つかります。重い車体や立ちゴケの不安、思ったより速く感じないエンジン、長距離で疲れる前傾姿勢など、購入前に抱いた理想と、実際に所有してからの現実との間にギャップを感じる人が少なくないのです。あなたが今、購入を迷いながらこの記事にたどり着いたのなら、その不安には必ず理由があります。
このページでは、なぜCB1100RSで後悔したという意見が生まれるのかを、車両の重量やエンジン特性、ライバル車との違いといった具体的なデータから丁寧にひも解いていきます。ただ欠点を並べるのではなく、その裏側にある設計思想や、不安を解消するための現実的な対策まで踏み込んで解説します。読み終えた頃には、この一台が本当にあなたに合うのかどうかを、自分の言葉で判断できるようになっているはずです。
- CB1100RSで後悔しやすい重量やエンジン特性の理由
- Z900RSや兄弟車EXと比べて見えてくる本当の実力
- 立ちゴケや足つきの不安を減らす具体的なカスタム対策
- 後悔せずに長く付き合える人の考え方と選び方
CB1100RSで後悔しやすい注意点
- 車両重量252kgで重いと感じる場面
- 取り回しや立ちゴケが不安になる原因
- 「つまらない」と感じるエンジン特性
- 前傾姿勢で疲れるという声の実態
- 小柄なライダーの足つきは大丈夫?
- 空冷特有の熱と排気音への不満
車両重量252kgで重いと感じる場面
黙れ小僧!
お前にCB1100RSの不幸が癒せるのかッ!… pic.twitter.com/AxDuIX0gqU
— 『53』 (@53dayo) July 5, 2026
CB1100RSに後悔したという声の最も大きな原因は、車体の重さにあります。諸元表によると、車両重量は252kgに達しており、現代のバイク市場では明確に重量級へ分類される数値です。この重さが、日常のさまざまな場面でライダーに負担を感じさせます。
なぜ重さが問題になるのかというと、走行中よりもむしろ止まっているときに影響が出るからです。駐輪場からの出し入れ、コンビニへのちょっとした立ち寄り、わずかに傾斜のある駐車場での押し引きなど、力任せに動かす場面で252kgという質量がずっしりと効いてきます。一度バランスを崩すと、人間の腕力だけで立て直すのは難しく、ここに不安の芽が生まれます。
特に大型バイクに乗り始めたばかりの人や、体格が小柄な人にとっては、平地でのちょっとした取り回しでも気を抜けません。傾斜地での方向転換は、無理をせず一度降りて押すなど、慎重な扱いが求められます。
ここで意識しておきたいのは、重さの感じ方が場所によって大きく変わるという点です。平らな駐車場ではさほど気にならなくても、ほんの数センチの段差や、前上がりの傾斜に頭を向けて止めてしまうと、押し引きの負担は一気に跳ね上がります。日常でストレスをためないためには、止める場所を選ぶ習慣そのものが対策になるのです。前向きに駐車できる場所を選ぶ、傾斜地では車体の向きを工夫するといった小さな積み重ねが、重さとの付き合いを楽にしてくれます。
ただし、この重さは決して無駄なものではありません。空冷エンジンの冷却フィンや厚みのある金属パーツ、継ぎ目のないフューエルタンクといった、所有する喜びを生む造形の代償でもあります。そして走り出してしまえば、252kgの質量はしなやかなサスペンションと相まって、路面の段差を上質に吸収する落ち着いた乗り味へと姿を変えるのです。高速道路での直進安定性はとりわけ高く、車で言えば高級セダンのように、どっしりと構えた安心感のある走りを味わえます。止まっているときは重く、走り出すと不思議と重さを感じにくい。この二面性こそがCB1100RSの個性であり、重さをデメリットとだけ捉えるかどうかで満足度は大きく変わってきます。
取り回しや立ちゴケが不安になる原因
取り回しの難しさや立ちゴケへの不安は、単なる重量だけが原因ではありません。低速域でのバランスの取りにくさと、停止する瞬間の油断が重なったときに、ヒヤリとする場面が生まれます。実際に、交差点での停止時や、高速道路を降りた直後で久しぶりに信号で足を着いたときに冷や汗が出た、という声は多く見られます。
なぜ高速を降りた直後が危ないのかというと、しばらく足を着かずに走っていた感覚が、停止時の重さへの意識を鈍らせるからです。惰性で流れていた車体が、止まる瞬間に一気に252kgの現実へと戻り、体勢が整う前にバランスを失いやすくなります。人によっては、立ちゴケの危機を何度も経験したと語るほどで、この積み重ねが乗ること自体を億劫にさせてしまうこともあります。
低速でのふらつきには、技術的な側面も関係します。ハンドルにしがみつくように力が入ると、かえって車体は不安定になりがちです。視線を遠くに置き、ニーグリップで車体を挟み、半クラッチとリアブレーキで速度を丁寧に調整する。こうした基本を意識するだけでも、極低速の安定感は変わってきます。慣れないうちは、広い駐車場などで八の字の練習を重ねておくと、交差点での取り回しにも自信が持てるようになります。
前述の通り、車体が垂直から少しでも傾くと腕力での復帰が難しいため、足つきの良し悪しがそのまま安心感に直結します。逆に言えば、低速でのふらつきを減らし、足着きの状況を整えれば、不安の多くはやわらいでいくでしょう。具体的な対策は記事の後半でくわしく取り上げますが、原因を正しく理解しておくことが、まず後悔を防ぐ第一歩になります。
「つまらない」と感じるエンジン特性

Ride Style・イメージ
CB1100RSがつまらないと言われてしまう背景には、空冷1,140ccエンジンの穏やかな出力特性があります。搭載されるSC65E型・空冷DOHC4バルブ直列4気筒は、最高出力90PS(66kW)を7,500rpmで、最大トルク91N・m(9.3kgf・m)を5,500rpmで発生します。数値だけ見れば力強いのですが、パワーの出方があえて急かさない味付けになっているのです。
回転数ごとの特性を整理すると、性格の違いが見えてきます。
| 回転域の目安 | フィーリングの傾向 |
|---|---|
| 低回転域(〜3,500rpm付近) | 穏やかに感じやすく、力の出方はゆるやか |
| 中回転域(3,500rpm付近から) | 力強さを感じ始めるという声が多い |
| 高回転域(5,000〜8,000rpm) | 4気筒らしいスムーズなパワー感が前に出てくる |
ここで問題になるのは、最新の水冷スポーツエンジンを期待して乗り換えた場合です。スロットルに鋭く反応し、高回転で炸裂するような刺激を求めていると、常用域で穏やかに流れるCB1100RSの特性は物足りなく感じられます。峠道で軽自動車や250ccクラスに道を譲る場面が続けば、遅い、つまらないという印象が強まってしまうのも無理はありません。
注意したいのは、この特性が乗り換え組ほど不満につながりやすいという点です。スーパースポーツや尖った水冷ネイキッドから移ってきた人ほど、以前の刺激と比べてしまい、物足りなさを強く感じます。反対に、これがバイクデビューに近い一台であったり、大人のツーリングマシンとして迎え入れたりする人にとっては、扱いやすく懐の深いエンジンとして映ります。同じ特性でも、乗り手の経歴によって評価が正反対になるのです。
もっとも、この穏やかさは欠点であると同時に魅力でもあります。低中速のトルクに乗って優雅に流す走り方は、速さを競う世界とは別の豊かさを持っているのです。信号の少ない郊外の道を、鼓動を感じながら淡々と流していく時間には、数字では表せない心地よさがあります。あなたが求めているのは刺激でしょうか、それとも余裕でしょうか。その答えによって、同じ特性が長所にも短所にもなります。
前傾姿勢で疲れるという声の実態
長距離で疲れるという不満の中心にあるのが、低めに設定されたハンドルによる前傾姿勢です。CB1100RSはバーハンドルでありながらポジションが低く、スポーティな緊張感を生む一方で、上半身が前へ傾く姿勢を求めてきます。
なぜ疲れやすいのかというと、カウルを持たないネイキッドの宿命として、高速道路では風圧を上半身で直接受け止めることになるからです。前傾した姿勢に強い風が加わると、首や背中に負担が集中し、長時間の巡航では筋肉痛が数日残るほど疲れたという報告もあります。街乗り中心なら気にならなくても、ツーリングで一日中高速を使う人ほど、疲労を感じやすい傾向があります。
見た目のスポーティさに惹かれて選んだのに、いざ長距離を走ると腕や肩が張ってしまう。この落差に戸惑う人は少なくありません。
もう一つ知っておきたいのは、前傾姿勢そのものにはメリットもあるという点です。上半身がわずかに前へ傾くことで、車体をコンパクトに手中へ収める感覚が生まれ、スポーティに走りたいときには自然と気持ちが引き締まります。街乗りやワインディングを軽快に流す場面では、この姿勢が心地よく働くこともあります。つまり、疲れるかどうかは走る道と距離に大きく左右されるのです。
加えて、RS専用のリザーバータンク付きリアショックは、スポーティな設定ゆえに路面のギャップで車体が跳ねやすい一面を持ちます。ゆったりした乗り心地を最優先する人には、硬さが気になるかもしれません。ただ、ポジションによる疲労は体の慣れやシート形状の工夫、こまめな休憩でやわらぐことも多く、乗り方次第で印象は変わってきます。長距離を頻繁に走るなら、風防効果のある小さなスクリーンを検討するのも一つの手です。
小柄なライダーの足つきは大丈夫?
足つきへの不安も、後悔につながりやすいポイントです。CB1100RSのシート高は785mmで、大型スポーツバイクとしては比較的低めに抑えられています。とはいえ、体格によって着き方は大きく変わります。目安を整理してみましょう。
| 身長の目安 | 足つきの状態 |
|---|---|
| 176cm前後 | 両足のかかとまで接地し、252kgを支える安心感がある |
| 168cm前後 | 両足の指の腹がしっかり接地し、取り回しに大きな不安はない |
| 154cm前後 | 標準状態では両足の接地が難しく、立ちゴケの不安が増しやすい |
この表からわかるように、平均的な身長のライダーであれば大きな問題は起きにくい一方、小柄な人にとっては標準状態のままだと不安が大きくなります。足がしっかり着かないと、停止のたびに気を張ることになり、前述の取り回しの不安とも重なって負担が増してしまうのです。
ただし、足つきはあとから改善できる数少ない要素でもあります。あきらめる前に、まずは自分の身長でどの程度着くのかを実車でまたがって確かめてみてください。改善策は後半でくわしく紹介します。
空冷特有の熱と排気音への不満
空冷の大排気量エンジンならではの弱点として、夏場の熱と、走行中に排気音を楽しみにくい点が挙げられます。まず熱については、真夏のエンジンから立ちのぼる熱気が想像以上に強く、股下に火鉢を挟んでいるようだと表現されるほどです。渋滞にはまると熱がこもり、疲労を倍増させる要因になります。
もう一つが排気音の問題です。停車中やアイドリング時には、純正マフラーでも空冷らしいバラバラとした重低音が響き、所有感を強く満たしてくれます。ところが走り出すと、高回転まで回さない特性と、ネイキッド特有の強い風切り音によって、せっかくの排気音がほとんど耳に届かなくなります。大排気量の空冷サウンドを走りながら味わいたかった人ほど、この静けさに物足りなさを覚えるのです。
夏の熱対策としては、渋滞を避けるルート選びや、涼しい時間帯のツーリングが基本になります。排気音は社外マフラーで印象を変えられますが、車検対応や近隣への配慮を忘れないようにしたいところです。
とはいえ、空冷ならではの魅力も見逃せません。停止中に響く重厚なサウンドや、走行風でエンジンが冷やされていく仕組みそのものに、機械としての素朴な味わいを感じる人は多くいます。真夏の熱は確かにやっかいですが、春や秋の澄んだ空気の中を走れば、空冷エンジンは最も気持ちよく回ってくれます。季節ごとに表情を変えるところも、この一台と長く付き合う楽しみの一つです。
これらは空冷四気筒という構造と引き換えの個性でもあります。弱点として切り捨てるか、味わいとして受け入れるか。あなたの感じ方次第で、評価は大きく分かれるでしょう。
CB1100RSで後悔しないための判断ポイント

Ride Style・イメージ
- Z900RSと比較して見える性能差
- 兄弟車CB1100EXとの違いを解説
- 立ちゴケを防ぐエンジンガード対策
- ローダウンで足つきを改善する方法
- 優れた燃費と最後の空冷直4の価値
- どんな人がCB1100RSに向くのか
- 総括:CB1100RSで後悔する理由とは?後悔を防ぐ対策も解説
Z900RSと比較して見える性能差
後悔の多くは、自分の用途に合わないモデルを見た目だけで選んでしまったことに起因します。CB1100RSがよく比較されるのが、同じくクラシカルな外観を持つカワサキZ900RSやヤマハXSR900です。しかし、これらは設計思想が根本から異なります。中古市場で数の多い従来モデルを基準に、主なスペックを並べてみましょう。
| 比較項目 | CB1100RS | Z900RS(2025年以前) | XSR900(2021年以前) |
|---|---|---|---|
| エンジン形式 | 空冷直列4気筒 1,140cc | 水冷直列4気筒 948cc | 水冷直列3気筒 845cc |
| 車両重量 | 252kg | 215kg | 195kg |
| シート高 | 785mm | 800mm | 830mm |
| WMTCモード燃費 | 18.9km/L | 18.8km/L | 19.7km/L |
表が示す通り、従来モデルのZ900RSは車両重量が215kgで、CB1100RSより37kg軽量でした。なお、2026年に登場した新型Z900RSは216kgとされ、この場合の差はおよそ36kgになります。いずれにしても、Z900RSがCB1100RSより30kg以上軽いという傾向は変わりません。設計思想の違いも大きく、Z900RSは水冷スポーツの車体に古風な外観をまとわせたネオクラシックであるのに対し、CB1100RSは車体構造そのものが古典的なトラディショナルバイクだという点に特徴があります。
比較表は流通量の多い従来モデルを基準にしています。WMTCモード燃費は年式や適用される排出ガス規制によって異なり、Z900RSの場合はカタログ上18km台後半から20km前後まで幅がある点に注意が必要です。あわせて2026年の新型Z900RSはシート高810mm前後へ、XSR900も2022年以降は排気量が888ccへ変更されるなど、最新モデルは諸元が更新されています。購入を検討する際は、対象年式の公式諸元を必ず確認してください。
この差は走りにもはっきり表れます。一緒にツーリングへ出かけると、上り坂の追い越しでZ900RSが6速のまま加速していくのに対し、CB1100RSは4速まで落とさないと追従しづらい場面も出てくるでしょう。クラッチの軽さや取り回しのしやすさでもZ900RSが有利で、同じレトロ調なのに自分のバイクはなぜ重くて遅いのか、と比べてしまうことが後悔の引き金になります。
ただし、ここで立ち止まって考えたいのは、比較する土俵が本当に同じなのかという点です。Z900RSは水冷エンジンにあえて空冷風の外観をまとわせたバイクであり、中身はまぎれもなく現代のスポーツマシンです。対してCB1100RSは、フレームからエンジンまで古典的な作りを貫いた、いわば本物のトラディショナルバイクといえます。乗りやすさや速さで並べればZ900RSに軍配が上がりやすいものの、金属の塊を操っている手応えや、空冷ならではの表情は数値には表れません。空冷四気筒という体験そのものに価値を見いだせるかどうかが、選択の分かれ目です。
兄弟車CB1100EXとの違いを解説
さらに見落とせないのが、同じシリーズ内のCB1100EXとの違いです。EXとRSはエンジンとメインフレームを共有しながら、足回りのディメンションによって性格が明確に分けられています。主な違いを整理します。
| 比較項目 | CB1100 EX | CB1100 RS |
|---|---|---|
| ホイールサイズ | 前後18インチ(スポーク) | 前後17インチ(アルミキャスト) |
| リアタイヤ | 140/70R18 | 180/55ZR17 |
| キャスター/トレール | 27°00´ / 114mm | 26°00´ / 99mm |
| ブレーキキャリパー | スタンダードマウント | ラジアルマウント |
| ハンドル | アップハンドル(直立) | ローハンドル(やや前傾) |
EXは細身の18インチタイヤと直立ポジションを採用し、街乗りや小回り、のんびりしたロングツーリングで乗り手に無理を強いない素直なハンドリングを持ちます。一方RSは、太い17インチタイヤと立ち気味のキャスター角、低いハンドルによって、スポーティな走りを追求しています。
ここに意外な落とし穴があります。RSは寝かし込みこそ機敏になったものの、太いタイヤの接地抵抗により、車体を傾けていくとハンドリングに重さが出ます。積極的に体重を移動させて走ればよく曲がりますが、ツーリングペースで漫然と流すと、むしろEXより曲がりにくく感じることがあるのです。見た目の格好良さだけでRSを選んだツーリング派が、実はEXの方が自分に合っていたと後から気づく、というのは典型的な後悔のパターンといえます。
だからこそ、EXとRSのどちらを選ぶかは、外観の好みだけで決めないことが肝心です。クラシックな細身のスタイルで、のんびり長距離を流したいならEX。スポーティな足回りと引き締まったデザインを楽しみ、積極的に操って走りたいならRS。この軸で自分の走り方を照らし合わせれば、購入後の満足度は大きく変わってきます。どちらが上という話ではなく、あなたの使い方にどちらが寄り添うか、という視点が大切です。
立ちゴケを防ぐエンジンガード対策

Ride Style・イメージ
重さによる立ちゴケのリスクをゼロにするのは難しいため、万一のときに被害を最小限に抑える備えが現実的な対策になります。市場にはCB1100シリーズ向けに設計されたエンジンガードが複数あり、代表的な例を挙げると次の通りです。価格は各種情報によるとおおよその目安とされています。
| 種類の例 | 特徴 | 価格の目安 |
|---|---|---|
| パイプエンジンガード | スチールパイプ製。足が挟まる空間を確保し、エンジンやカウルへのダメージを軽減 | 約23,000円前後とされる |
| コンパクトガード類 | 目立ちにくい設計や、クラシック調のバンパーなど選択肢が幅広い | 約13,000〜27,000円前後とされる |
| サブフレーム兼用ガード | 剛性バランスを整えつつ、転倒時はガードとしても機能する | 約43,000円前後とされる |
これらを取り付けておけば、転倒時にクランクケースの割れや高価な純正マフラーの傷を防ぎやすくなり、修理費の高騰と心理的なダメージを大きく減らせます。
あわせて覚えておきたいのが引き起こしのコツです。腕の力だけで持ち上げようとせず、ハンドルを転倒側と逆に切り、車体を体に密着させて、太ももの力で押し上げる姿勢を意識すると、重い車体でもぐっと起こしやすくなります。
ローダウンで足つきを改善する方法
小柄なライダーの不安を大きく減らせるのが、足つきを改善するローダウンです。前述の通り足つきはあとから調整できる要素であり、ここを整えるだけで停車時の安心感は劇的に変わります。
具体的な方法としては、リアサスペンションを車高調整できる社外品へ換装し、あわせてシートの内部素材を削るアンコ抜きを組み合わせるやり方があります。この組み合わせによって、シート高を純正の785mmから763mm前後、およそ22mmほど下げることが可能とされています。わずか2センチ強でも、着地の余裕は想像以上に変わってくるはずです。
身長154cm前後の人でも、ローダウンによって片足の親指の付け根までしっかり届くようになったという例があります。重心も下がるため、停車時のふらつきが減り、取り回し全体が楽になります。
ローダウン以外にも、足つきを助ける方法はあります。厚底のライディングブーツを選べば、実質的に数センチの底上げになりますし、停止時に腰を片側へずらして片足でしっかり支えるといった乗り方の工夫でも、安心感は変わります。これらは費用をかけずに今日から試せる方法なので、まずは手軽なところから始めてみるのもよいでしょう。
ただし、車高を下げすぎるとバンク角が浅くなったり、乗り心地が変わったりする点には注意が必要です。安全に関わる部分でもあるため、作業は信頼できるショップに相談し、自分の体格と使い方に合った下げ幅を見つけることが大切です。足つきの改善は、立ちゴケの不安を根本からやわらげ、CB1100RSとの時間をぐっと楽しくしてくれます。
優れた燃費と最後の空冷直4の価値
昨日350km無給油で帰れました🏍️レギュラーだし燃費良くて助かる😊 #CB1100RS pic.twitter.com/2PrlGD9D7E
— HIDE (@hide_zrx) November 16, 2021
ここまで後悔の要因を見てきましたが、それらを補って余りある魅力があることも事実です。まず注目したいのが燃費の良さです。カタログのWMTCモード値は18.9km/Lですが、実際のツーリングではレギュラーガソリン仕様で25〜30km/L程度を記録するという声もあり、大排気量ながら中型バイクに近い経済性を持つとされています。航続距離への不安が小さいのは、大きな安心材料です。
次に、遅い車に前を塞がれてもいら立ちにくい穏やかなエンジン特性です。最高速を競うのではなく、鼓動を感じながら低中速のトルクで優雅に流す。この寄り添うような乗り味は、他の最新モデルではなかなか代えがきかない個性です。
デザイン面での満足度の高さも、忘れてはならない魅力です。アルミキャストホイールとラジアルマウントキャリパー、そして低く構えたローハンドルが生む、古典とスポーツを融合させたカフェレーサー調のたたずまいは、ほかのネイキッドにはない存在感を放ちます。夜の高速道路でメーターに浮かぶ数字を眺めるだけで満たされる、という声もあるほどで、所有していること自体が喜びになる一台です。
そして最も大きな価値が、CB1100シリーズとしては最後の空冷直列4気筒ビッグバイクであり、新車では手に入らない希少な一台だという点です。Honda公式によると、CB1100 EX/RSはファイナルエディションをもって現行CB1100シリーズの生産を終了したとされています。国内向けの新車が途絶えた今、クラシックとしての価値を静かに高めていくことは想像に難くありません。速さでは測れない歴史的な重みが、この一台には宿っています。買って後悔したという言葉の裏には、こうした希少な価値を知らないまま手放してしまった、というもったいなさも隠れているのかもしれません。
どんな人がCB1100RSに向くのか
ここまでの内容を踏まえると、CB1100RSで後悔する人と満足する人の違いは、はっきりしてきます。大切なのは、この一台に何を求めるかです。
向いている人は、金属と空冷フィンが生む造形美を愛せる人、重さが生む直進安定性を心地よいと感じられる人、急かされないエンジンの鼓動を豊かな時間として楽しめる人です。逆に、スペックや速さ、コーナリングの鋭さを最優先する人にとっては、後悔につながりやすいバイクだといえます。
もしあなたがツーリングでのんびり景色を味わいたいタイプなら、より素直なEXが合う場合もあります。逆に、多少の重さと引き換えに唯一無二の空冷四気筒を所有したいのであれば、CB1100RSは一生モノの相棒になり得ます。大事なのは、憧れの見た目だけで決めず、自分の使い方と正直に向き合うことです。可能であれば購入前に試乗し、重さや前傾姿勢を体で確かめておくと、後悔のリスクはぐっと下がります。
ここまで読んで、不安の正体が少し見えてきたのではないでしょうか。CB1100RSで語られる後悔の多くは、じつは事前に知っておけば避けられたり、対策で減らせたりするものばかりです。重さや足つき、エンジンの穏やかさといった特徴を、欠点ではなく個性として受け止められるなら、この一台はきっと期待に応えてくれます。あなたがこのバイクと過ごす時間を、豊かなものだと感じられるかどうか。その問いに正直に向き合うことこそが、後悔しない選び方の答えになります。
総括:CB1100RSは買って後悔する?購入前に知りたい注意点と向き不向き
- CB1100RSの車両重量は252kgで止まっているときに重さを感じやすい
- 走り出せば重さが安定感へと変わり落ち着いた乗り味になる
- 立ちゴケの不安は低速のバランスと停止時の油断が主な原因
- 高速を降りた直後の停止は特にヒヤリとしやすい場面
- 空冷1140ccエンジンはあえて穏やかに調律されつまらないと感じる人もいる
- 低めのハンドルによる前傾姿勢は高速の風圧で疲労につながりやすい
- シート高785mmは平均的な身長なら扱えるが小柄な人は足つきに注意
- 夏場の熱と走行中に排気音が届きにくい点も不満として挙がる
- 従来モデルのZ900RSはCB1100RSより約37kg軽く加速や取り回しで有利
- 兄弟車EXは素直で漫然と流すならRSより曲がりやすいこともある
- エンジンガードの装着で転倒時の被害と修理費を抑えられる
- 引き起こしは太ももの力を使うと重い車体でも起こしやすい
- ローダウンでシート高を763mm前後まで下げ足つきを改善できる
- 実燃費は25から30km程度という声もあり経済性が高いとされる
- CB1100シリーズ最後の空冷直4で新車では手に入らない希少な価値
