
出典:SUZUKI公式
スズキの名車、GSX400FとGSX400FSインパルス。どちらも魅力的なバイクですが、具体的にどのような違いがあるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、GSX400Fと、そこから派生したGSX400FSインパルスの違いについて、詳しく解説していきます。 エンジン性能、外装、そして気になる排気音など、様々な角度から両者を比較します。また、それぞれのモデルが誕生した背景や歴史についても触れていきますので、より深く両者の違いを理解できるはずです。
- GSX400FとGSX400FSインパルスのエンジン性能と外装の違い
- 両モデルのリアブレーキとマフラー形式の具体的な違い
- GSX400FとGSX400FSインパルスの当時の販売価格と車両重量の差
- GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスの排気音の違い
GSX400FとGSX400FSインパルスの違いを解説

出典:SUZUKI公式
- GSX400Fとはどんなバイク?
- GSX400FSインパルスとは?
- GSX400F系の歴史と変遷
- エンジンに見る性能の違いは?
- 外装の違いを細かくチェック
GSX400Fとはどんなバイク?
GSX400Fは、スズキが1981年に発売したロードスポーツモデルです。スズキ初の400cc4気筒エンジンを搭載した記念すべきモデルであり、当時の400ccクラスでは珍しいDOHC4バルブという高メカニズムを採用していました。
GSX400Fのエンジンは、空冷4サイクル直列4気筒DOHC4バルブで、排気量は398ccです。最高出力は45ps/10000rpm、最大トルクは3.5kgm/8500rpmを発揮しました。このエンジンは、TSCC(ツイン・スワール・コンバスチョン・チャンバー)と呼ばれる燃焼室形状を採用し、燃焼効率を高めています。
なぜならば、当時のライバル車であったカワサキのZ400FXやヤマハのXJ400に対抗するため、スズキはより高性能なエンジンを必要としたからです。4バルブ化は、小径ボアでは難しいとされていましたが、スズキはこれを実現し、高回転域での伸びのある特性を実現しました。
車体は、ダブルクレードルフレームに、正立式フロントフォーク、2本ショックのリアサスペンションを組み合わせています。ブレーキは、フロントがダブルディスク、リアがシングルディスクです。また、フロントフォークには、ブレーキ時にフォークの沈み込みを抑制するANDF(アンチ・ノーズ・ダイブ・フォーク)が装備されていました。
GSX400Fは、その高性能なエンジンと豪華な装備で、400ccクラスの新たな基準を打ち立てました。しかし、初期型にはオーバーヒートや充電系のトラブルといった弱点もありました。そのため、1982年にはカラーリング変更やANDFを両側に装備したGSX400FIIへとマイナーチェンジが行われました。
GSX400Fは、扱いやすい特性と、当時としては先進的なメカニズムを両立した、優等生的なバイクと言えるでしょう。
GSX400FSインパルスとは?
GSX400FSインパルスは、1982年にGSX400FIIをベースにした特別仕様車として発売されました。GSX400Fシリーズの中でも、特にスポーティーな性格付けがされたモデルです。
GSX400FSインパルスの最大の特徴は、ヨシムラと共同開発した4in1集合マフラーの採用です。このマフラーは、エキゾーストパイプからサイレンサーまでブラッククローム仕上げとなっており、サイレンサーには「Impulse」のエンブレムが装着されていました。
エンジンは、GSX400FIIの空冷4サイクル直列4気筒DOHC4バルブエンジンをベースに、TSCC燃焼室形状の改良や排気量アップ(398cc→399cc)などが行われ、最高出力は48ps/10500rpmへと向上しています。これは、当時のライバル車であったホンダ・CBX400Fと同じ最高出力です。
車体面では、アルミスイングアームや、リザーバータンク付きのリヤショックアブソーバーが採用され、足回りが強化されています。また、セパレートハンドルやシングルシート風シートの採用により、よりスポーティーなライディングポジションと外観が与えられました。
一方で、GSX400F/FIIがリアブレーキにディスクブレーキを採用していたのに対し、GSX400FSインパルスではドラムブレーキが採用されています。これは、軽量化やコストダウンのためと考えられますが、スポーツモデルとしてはやや物足りない点でもあります。
GSX400FSインパルスは、ヨシムラとの共同開発によるマフラーや、ブラックとレッドの通称ヨシムラカラーなど、その後のスズキのスポーツモデルに大きな影響を与えた、エポックメイキングなモデルと言えるでしょう。
GSX400F系の歴史と変遷
たしかCBX400Fの対抗馬やったはず🤔#GSX400F pic.twitter.com/oUDJg5TCwO
— Shika. (@shika_masa) March 2, 2023
GSX400F系は、スズキ初の400cc4気筒モデルとして1981年に登場したGSX400Fから始まります。ここでは、その変遷を詳しく見ていきましょう。
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GSX400F(1981年):
- スズキ初の400cc4気筒モデル。
- 空冷4サイクル直列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載。
- TSCC(ツイン・スワール・コンバスチョン・チャンバー)採用。
- 最高出力45ps/10000rpm。
- フロントにANDF(アンチ・ノーズ・ダイブ・フォーク)装備。
- フロント:ダブルディスクブレーキ、リア:シングルディスクブレーキ。
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GSX400FII(1982年):
- GSX400Fのマイナーチェンジモデル。
- カラーリング変更(2トーンカラー)。
- ANDFをフロントフォーク両側に装備。
- ホーンをダブルに変更。
- 性能はGSX400Fとほぼ同じ。
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GSX400FSインパルス(1982年):
- GSX400FIIをベースにした特別仕様車。
- ヨシムラと共同開発の4in1マフラー採用。
- エンジン改良により最高出力48ps/10500rpmに向上。
- アルミスイングアーム、リザーバータンク付きリアショック採用。
- セパレートハンドル、シングルシート風シート採用。
- リアブレーキはドラム式。
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GSX400FW(1983年):
- 水冷エンジンを搭載した別系統のモデル。
- GSX400F系は、このGSX400FWの登場により販売終了となりました。
- 水冷エンジンを搭載した別系統のモデル。
このようにGSX400F系は、短期間のうちに進化・発展を遂げました。これは、当時の400ccクラスの市場競争が非常に激しかったことを示しています。 特にインパルスは、その後のスズキのスポーツモデルに大きな影響を与えたモデルです。
エンジンに見る性能の違いは?
GSX400FとGSX400FSインパルスは、どちらも空冷4サイクル直列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載していますが、細部に違いが見られます。その違いを見ていきましょう。
モデル | GSX400F/FII | GSX400FSインパルス |
---|---|---|
排気量 | 398cc | 399cc |
ボア×ストローク | 53.0mm×45.2mm | 53.0mm×45.3mm |
最高出力 | 45ps/10000rpm | 48ps/10500rpm |
最大トルク | 3.5kgm/8500rpm | 3.5kgm/8500rpm |
圧縮比 | 10.5 | 10.7 |
マフラー | 左右2本出し | ヨシムラ4in1 |
表からもわかるように、インパルスは排気量がわずかに大きく(ボアアップ)、圧縮比も高められています。 これらの変更に加えて、ヨシムラと共同開発のマフラーを装着することで、インパルスはF/FIIよりも3馬力高い48馬力を達成しました。 最大トルクは同じですが、最高出力発生回転数が500rpm高くなっていることから、高回転域での伸びが良くなっていることがわかります。
外装の違いを細かくチェック
アベイルに停めてあったんコレやな
GSX400F pic.twitter.com/TgDH0vAFOQ— ⚡️Nakai⚡️@右直で右手首粉砕骨折 (@Gilgamesh_lakeb) March 10, 2024
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、外装にも多くの違いがあります。 それぞれの外装パーツを細かくチェックしていきましょう。
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マフラー:
- GSX400F/FII:左右2本出しマフラー
- GSX400FSインパルス:ヨシムラと共同開発の4in1集合マフラー(ブラッククローム仕上げ)
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ハンドル:
- GSX400F/FII:アップハンドル
- GSX400FSインパルス:セパレートハンドル
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シート:
- GSX400F/FII:一体型シート
- GSX400FSインパルス:シングルシート風シート
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リアサスペンション:
- GSX400F/FII:通常タイプ
- GSX400FSインパルス:リザーバータンク付き、減衰力調整機構付き
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スイングアーム:
- GSX400F/FII:スチール製
- GSX400FSインパルス:アルミ製
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リアブレーキ:
- GSX400F/FII:ディスクブレーキ
- GSX400FSインパルス:ドラムブレーキ
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カラーリング:
- GSX400F:単色
- GSX400FII:2トーンカラー
- GSX400FSインパルス:ブラック/レッド(ヨシムラカラー)
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その他:
- GSX400FSインパルスは、エンジンがブラック塗装。
これらの違いから、GSX400FSインパルスは、GSX400F/FIIに比べて、よりスポーティーな外観と走行性能を追求したモデルであることがわかります。
GSX400Fとインパルスの違い:まとめ
#2024年のモデリングを振り返る
gsx400fs インパルス難しいバイクだった😆
マフラーヨシムラサイクロン、サスヨシムラがお気に入りです🤩 pic.twitter.com/ELCrXJK3Du— jump FLAT (@surf3204) December 26, 2024
- リアブレーキ形式の違いとは
- マフラーの形式の違いについて
- 車両重量の違いを比較
- 当時の販売価格の違いとは?
- GSX400FとFSの音の違いは?
リアブレーキ形式の違いとは
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、リアブレーキの形式が異なります。 それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
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GSX400F/FII:ディスクブレーキ
GSX400F/FIIでは、リアブレーキに油圧式のディスクブレーキが採用されています。ディスクブレーキは、金属製の円盤(ディスクローター)をブレーキパッドで挟み込むことで制動力を得る方式です。
ディスクブレーキのメリットは、
- 高い制動力
- 安定した制動力 3.放熱性が高い という点があげられます。 これらのメリットは、スポーツ走行など、高い制動力が求められる場面で特に有効です。
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GSX400FSインパルス:ドラムブレーキ
一方、GSX400FSインパルスでは、リアブレーキに機械式のドラムブレーキ(リーディングトレーリング式)が採用されています。 ドラムブレーキは、円筒形のドラムの内側にブレーキシューを押し当てることで制動力を得る方式です。
ドラムブレーキのメリットは、 1.構造が簡単 2.製造コストが低い という点です。 一方、ディスクブレーキに比べて、 1.制動力が低い 2.放熱性が低い というデメリットがあります。
GSX400FSインパルスは、スポーツ走行を重視したモデルであるにも関わらず、なぜドラムブレーキが採用されたのでしょうか。 これには、 1.軽量化 2.コストダウン が目的だったと考えられます。 しかし、当時のライバル車であるCBX400Fなどが前後ディスクブレーキを採用していたことを考えると、やや見劣りする点であることも事実です。
マフラーの形式の違いについて
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、マフラーの形式も大きく異なります。 その違いを見ていきましょう。
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GSX400F/FII:左右2本出しマフラー
GSX400F/FIIでは、エンジンから伸びる4本のエキゾーストパイプが、左右に分かれて2本のマフラーとなる形式が採用されています。 これは、4気筒エンジンの標準的なマフラー形式の一つです。 2本出しマフラーは、排気効率と消音効果のバランスが良いとされています。
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GSX400FSインパルス:ヨシムラと共同開発の4in1集合マフラー
一方、GSX400FSインパルスでは、4本のエキゾーストパイプが途中で1本に集合し、そこから1本のマフラーとなる4in1形式が採用されています。 さらに、このマフラーは、スズキとヨシムラが共同開発した特別なものです。
4in1マフラーは、排気効率を高める効果があり、特に高回転域でのパワーアップに貢献します。 また、1本のマフラーにまとめることで、軽量化にもつながります。
GSX400FSインパルスのマフラーは、エキゾーストパイプからサイレンサーまで、ブラッククローム仕上げとなっており、見た目にも迫力があります。 また、サイレンサーには「Impulse」のエンブレムが装着されており、特別感を演出しています。
このように、マフラーの形式の違いは、両モデルの性格の違いを端的に表していると言えるでしょう。 GSX400F/FIIが、快適性や扱いやすさも考慮したオールラウンドなモデルであるのに対し、GSX400FSインパルスは、よりスポーツ走行に特化したモデルであると言えます。
車両重量の違いを比較
スズキGSX400FSインパルス!
1982年ですから、わたくしが11歳の時に販売された単車ですね! pic.twitter.com/aarJoJapF4— 小林広志 (@hk_SSSR_tt2) January 4, 2025
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、車両重量にも違いがあります。 それぞれの車両重量(乾燥重量)を比較してみましょう。
- GSX400F/FII:175kg
- GSX400FSインパルス:171kg
GSX400FSインパルスの方が、4kg軽くなっています。 この4kgの軽量化は、主に以下のパーツの変更によるものです。
- マフラー: 2本出しから4in1集合マフラーへの変更
- スイングアーム: スチール製からアルミ製への変更
- リアブレーキ: ディスクブレーキからドラムブレーキへの変更
これらの変更により、GSX400FSインパルスは、GSX400F/FIIよりも運動性能が向上しています。 4kgという差は、数値以上に体感できる差と言えるでしょう。 特に、切り返しやコーナーリングなど、バイクを倒し込む動作において、その軽さを感じることができます。
当時の販売価格の違いとは?
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、当時の販売価格も異なっていました。 それぞれの販売価格を見てみましょう。
- GSX400F(1981年):430,000円
- GSX400FII(1982年):448,000円
- GSX400FSインパルス(1982年):493,000円
GSX400FSインパルスは、GSX400FIIよりも45,000円高く設定されていました。 この価格差は、主に以下のパーツの変更によるものです。
- ヨシムラと共同開発の4in1マフラー
- アルミスイングアーム
- リザーバータンク付きリアショック
- セパレートハンドル
- シングルシート風シート
これらの変更は、GSX400FSインパルスをよりスポーティーなモデルにするためのものであり、価格差以上の価値があったと言えるでしょう。 特に、ヨシムラと共同開発のマフラーは、性能だけでなく、所有欲を満たすアイテムとしても魅力的でした。
GSX400FとFSの音の違いは?
一発目から榎田やったけど、おかげで名車発見。
ワシも乗ってたGSX400F。
スズキのバイクにはヨシムラサイクロン付けがちやけど、ノーマルなのも良い。
当時は7万で買ったけど今では手が出らん値になってるね。 pic.twitter.com/PZ3lHLMIJ4— パー子ちゃん (@Uber70982902) February 28, 2024
GSX400F/FIIとGSX400FSインパルスでは、マフラーの形式が異なるため、排気音にも違いがあります。
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GSX400F/FII:2本出しマフラー
GSX400F/FIIの2本出しマフラーは、比較的静かで、ジェントルなサウンドを奏でます。 4気筒エンジンらしいスムーズな音質で、長距離走行でも疲れにくいのが特徴です。
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GSX400FSインパルス:ヨシムラと共同開発の4in1集合マフラー
一方、GSX400FSインパルスの4in1集合マフラーは、迫力のある、レーシーなサウンドを奏でます。 特に高回転域では、4気筒エンジンならではの甲高い排気音が楽しめます。
ヨシムラと共同開発されたこのマフラーは、性能だけでなく、音質にもこだわって作られています。 そのため、ノーマルマフラーでありながら、社外品のマフラーに匹敵するほどの、魅力的なサウンドを奏でます。
言葉で表現すると、GSX400F/FIIは「フォーン」という感じの滑らかな音、GSX400FSインパルスは「クォーン」という感じの甲高い音、と言えるかもしれません。 どちらの音が好みかは人それぞれですが、GSX400FSインパルスの排気音は、多くのライダーを魅了してきた、特徴的なサウンドであると言えるでしょう。
総括:GSX400FとGSX400FSインパルスの違いは?性能・価格を比較
この記事をまとめると、
- GSX400Fはスズキ初の400cc4気筒モデルである
- GSX400FはDOHC4バルブエンジンを搭載し、当時としては高メカニズムだった
- GSX400FSインパルスは、GSX400Fをベースにした特別仕様車である
- インパルスはヨシムラと共同開発の4in1マフラーを採用している
- インパルスのエンジンは、F/FIIより3馬力高い48馬力を発揮する
- インパルスは、アルミスイングアームやリザーバータンク付きリアショックを装備
- インパルスはセパレートハンドルとシングルシート風シートを採用
- F/FIIのリアブレーキはディスク式、インパルスはドラム式である
- F/FIIのマフラーは左右2本出し、インパルスは4in1集合管である
- インパルスの乾燥重量はF/FIIより4kg軽い171kgである
- インパルスの当時の販売価格はF/FIIより45,000円高かった
- F/FIIの排気音はジェントル、インパルスはレーシーなサウンドである
- インパルスのカラーリングはブラック/レッドのヨシムラカラーである
- GSX400Fは初期型にオーバーヒートや充電系のトラブルがあった
- インパルスは、その後のスズキのスポーツモデルに大きな影響を与えた